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異世界へ

いや、ヤバイ。

めちゃくちゃなときめきを感じた後の余韻は、どうしようもない。

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とんでもない恋愛ドラマを見てしまった。

『あのコの夢を見たんです。』第3話、ヒロインは森七菜。

このドラマは南海キャンディーズの山里亮太さんの短編小説が原作で、ドラマの脚本にも山里さんが携わっている。

ドラマの中の世界は山里さんの妄想という設定。

その妄想の世界に山里さんが入り込んでめちゃくちゃかわいいヒロインと恋愛をする。みたいな話。

毎話、ヒロインも妄想の世界も変わる仕様。

今は熱量いっぱいというよりもキュンの嵐によって圧倒されてしまい、もぬけの殻になっている状態。

何よりも森七菜がかわいい。

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天真爛漫でいつも明るい人気者・七菜(森七菜)は、男友達は多いものの恋人ができず悩んでいた。幼馴染で内気なヤマ(仲野太賀)と話していると、七菜は、モテる女性は、少しか弱い悲劇のヒロインタイプであることに気づく。七菜は悲劇のヒロインになるべく、一大プロジェクトを立ち上げる。それから放課後、2人は自由にアイデアを出し合い、悲劇のヒロインに近付くために試行錯誤をするが、ヤマには秘めたる想いがあり……。

設定はこんな感じだ。ヤマというのは山里さんの分身。あと、これは高校生の恋愛物語になっている。だからヤマも森七菜も学生。

まず、現実のシーンからドラマは始まる。収録の前にカフェで時間を潰している山里さん。他の共演者やスタッフもいる。そのスタッフに「山里さんは(影が薄いから)透明人間だ」と言われ、笑われてしまう。芸能界で必死に地位を積み上げてきたものの存在を認められない山里さん。

このドラマの入りがあとの妄想劇の全体を貫いていると思う。

妄想劇の中でも山里さんは透明人間と学校の奴らに呼ばれてしまう。

でも幼なじみの森七菜は唯一ヤマを認めてくれる存在。

僕はヤマのこの境遇が痛いほどわかる。

自分が透明人間みたいに感じてしまうことは高校時代多々あった。今も正直ある。

そんな僕の人生にこんな森七菜のようなヒロインがいてくれれば辛さみたいなものは少しは軽くなった気がする。

でも、そもそも森七菜とヤマそして僕は住む世界が違う。

だからとてつもなく劣等感を感じたりする。周りに”出る杭は打たれる方式”で変な噂を流される、からかわれる。

好きという気持ちも抑え込まなければいけない。幼なじみの関係を壊したくないから好きでも好きと言えない。自分のことを認めてくれる人を失いたくない。


ラストのシーンで森七菜がはっきりと言葉にしてヤマのことを褒めてくれる。認めてくれる。

それまで度々、半透明に見えていたヤマの手がくっきりと不透明になる。

そして現実に帰ってきた山里さんも自分の手をじっくりと見る。

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オードリーの若林さんがエッセイで、若林さんが失恋を数年引きずってしまった理由を書いていた。

それは『自分を認めてくれる唯一の存在』であった彼女がいなくなってしまったから。と書いてあった。

僕も無性に彼女が欲しくなる時がある。それは自分を自分で認めることが出来ず、誰かの力を借りて、「君は大丈夫だよ」と言ってもらって、自分の心をなんとか大丈夫にしたい時だ。

そのことを僕はとても申し訳なく、かつ情けなく思っていた。

「その人が好きだから」とか「その人を幸せにしたいから」なんていう綺麗な、アルプスの水みたいな心持ちで恋愛することが僕はなかなか出来ない。

だから女性にアプローチするのが申し訳なくなる。「そんな動機の男よりもっとちゃんとした人と付き合った方が幸せだろうな」と思う。

それに、人に愛されるために女性に近づこうとしてしまう自分に、まだまだ子供な自分に情けなくなる。

でも、このドラマは綺麗だった。僕のひねくれが綺麗に写っていた。こんな恋愛の仕方でもいいんじゃないかと思えた。

始まりは最低でも変わっていけばいいような気がした。人を愛すことができるように、相手のことを認めてあげれるようになればいい気がした。

でも、それはフィクションだから。男の妄想通りに動くヒロインだから。

でも綺麗だった。その世界に飛んでいけた。

でもそんなに浮世離れしてなかった。

シチュエーションや細かい描写が、という意味ではなくて、心の中、心の動き方が「わかるなー」と思ってしまうものだった。

このために恋愛ドラマや恋愛映画があるんだなと感じさせられた。とても救われた。たいそうな意味じゃないけど、救われた。

フィクションの世界にどっぷりと浸かり、ちょっと辛辣な現実で味わった傷を理想のシチュエーションと甘酸っぱさと森七菜の笑顔で洗い流す。

ただ、素敵すぎて喪失感が半端じゃない。現実とのギャップが押し付けてくる寂しさと、理想の世界という暖かい場所があることを知った安心感が拮抗している。不思議な感覚。

映画館に行けば流れてくる、少女漫画原作の恋愛映画の予告に傷ついていた自分からすると不思議だ。そこに出てくる男性像が僕に「お前もこうなれ」と言っているようで傷ついていたけど、恋愛ものも良いなと思う。ただやっぱりカロリー消費がすごい。

とにかく素敵だった。こんな世界があって欲しいと思った。

それはその世界が山里さんの妄想からきてるものだからだと思う。

***

今、僕はこのブログをどう締めればいいかがわからない。

それは今もフワフワしてしまっているからだ。あの世界に片足を半分突っ込んだまま、森七菜にやられてしまっているからだ。

このままじゃ仕方がないから、あの続きは自分で妄想するか。



ちなみに僕は森七菜見たさにこのドラマを初めて見たんで1、2話見てなかったことを後悔してます。

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