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本気で結婚したいと思っても、「婚活」は私の敵だった 【結婚に至るまでのあれこれ】


こんなに結婚したいのに、「婚活」は私のために存在するものじゃない。
そう思ったことのある人、いませんか?


25歳の冬。どうしても結婚がしたい、と思いました。
やれることは全部やってみよう。そう決めたんです。

でも、私は「婚活」の二文字がものすごく苦手でした。通勤途中、車内広告で目に入ると、朝から不快な気持ちになります。スマートフォンで広告が表示されれば、慌ててスクロールして、視界に入らないようにしていました。間違えて一度でもタップしてしまうと、次の瞬間から婚活広告が大量発生する、あの徒労感。わかりますかね。


世の中に出回る婚活の、何がそんなに嫌だったのか。きっと、そのワードからプンプンと漂ってくる、「結婚できることを前提としている感」に耐えられなかったんだと思います。

だって、婚活イベントに行くということは、その場にいる人たちに、「私と結婚したい相手がこの世に存在すると思っています!」と宣言することでしょう。いやー、無理。絶対に無理。
こっちは何とか勇気を奮い立たせて、もしかしたらそういう希少人物も実在するかもしれないと踏ん張っているわけですよ。それが、決死の思いで一歩踏み出したとたん、「自分は結婚できると思っています」の一員になってしまうなんて。そんなの耐えられるわけないじゃないですか。

非モテ街道まっしぐらの私からしたら、婚活と銘打たれたあらゆるものは、「誰かとお付き合いできる人間が、結婚相手を探すもの」にしか見えませんでした。けして、「お付き合いすら難しい人間が、結婚という高い壁にチャレンジする活動」には見えなかったんです。


でも、当時の私は、そんな本音を誰かに打ち明けることができませんでした。だって、友人たちの前では偉そうにアドバイスとかしちゃうのに自分は自信がないなんて恥ずかしすぎるし、自信がないくせに結婚したいと思っていることも恥ずかしいし、それなのに婚活に飛び込む度胸がないことも恥ずかしいし、そして極めつけに、こんなに恥ずかしいと繰り返しながら、本当はこの苦悩を誰かに打ち明けてしまいたいと思っていることが、もう恥ずかしさの極み。いやー極みですよ。あーごめんなさい。こういう葛藤をわかってくれる人がどこかにいるんじゃないかとか、そんな人と結婚したいとか思って本当にごめんなさい…。

まあこんな調子で、私の身体の中では、やり場のない自意識がぐるぐるぐるぐる回って、あちこちに激突しまくっておりました。


ああ、ウダウダ言ってないでさっさと婚活しろよ!という声が聞こえてきそう。
まずは足を動かせよ!できることをやってみろよ!

うん、その言い分はわかります。私もそう思うよ。仕事ならきっとそう言う。
でもね、ウダウダ書いたここまでのこと、やっぱり間違っていなかったと思うんですよ。
だって、こんな自意識のまま、無理やり婚活イベントに突入しても、99パーセントうまくいかなかったと思います。私ですら、目の前の人が「こんな人間と結婚したくないですよねごめんなさい」って顔をしていたら、うんあなたとは結婚したくない、って頷きますもん。そこで、「そんなことないよ、君は素敵な女性だよ、結婚しよう」とか言ってもらえるの、堀北真希くらいでしょう?

 
かといって、「よし、私も自信が持てる人間に生まれ変わろう」なんて気持ちを切り替えることもできませんでした。自信を持てと言われて意識的に持つ自信なんて、ただのハリボテだって知っています。それに、もう25年も生きてしまったので、情けない自分自身にも、ちょっと愛着がわいてしまっていたんですよ。これまた恥ずかしいことに。
自分を構成するあらゆる要素にはうんざりして仕方がないのに、その集合体である自分には、なぜか絶望できない。手放せなかったんです。周りの友人知人に、大切にされてきたからなのか。こんな情けない自分を引きずったまま、どうにか結婚というものを手に入れてみたかったんですよ。

いやー、贅沢極まりないですよね。傲慢で、恥ずかしくて、誰にも言えなかった。でもそれが、私の偽らざる欲望でした。もしあのとき、この欲望に対して自分で目をつむっていたら、結婚への道半ばで、すぐに心が折れていたと思います。


はい、それじゃあ、具体的にどうやって結婚するんだよ、という話になりますよね。婚活にも参戦しないで。
そうなんです、そこなんですよ。私は、何かいい方法はないものかと、ひとりワンルームの床に座って、卵入りの辛ラーメンを啜りながら、うんうん唸っておりました。

そのとき、知人から、合コンのお誘いが届いたんです。合コン。まさに婚活と同じく、「誰かと付き合える可能性があると思っている人たちのためのイベント」。これまでは、誘いが来ても、もちろん全部断っていました。

しかし、そのとき、魔が差したんです。たとえ傷を負ったとしても、一度くらいなら致命傷にはならないだろうと。だから、足を踏み入れて、現実を見てみようかと。


予想通り、合コンで、結婚相手に出会うことはありませんでした。しかし、その日出会った男性との数ヶ月が、私の結婚への欲望に、ますます火をつけてしまったのです。





つづく




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