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エッセイ【飛行機の好きなとこ】

大人も子どもも、飛行機が大嫌いな人ってそんなにいないんじゃないでしょうか。

では、飛行機のどんなところが好きなんでしょうね。

音、かたち、飛行機がつくる雲。
機内の窓から見る景色、機内アナウンス。

色々ありますよね。
私は誰彼かまわず、
その可愛らしい理由を聞いてみたい気持ちになります。

以前飛行機で働いていたとき、
私には一番好きだった瞬間がありました。

それは飛行機が到着して、お客さんが次々と降りていかれるのを見送るときでした。

無事に到着した安堵と、やっと外に出られる解放感。
待ってくれてる誰かや風景に、早く会いたい気持ち。
お客さん、みんなリラックスした顔になるんですね。

何と言っても、欧米人の乗客。すごいんです。

「素晴らしいフライトだった!!」

「ほんとに君たちよくやってくれたよ!!」

「こんなアメイジングなフライトは初めてだった!!」

「もうキミと飛行機に乗れただけで十分だ!!」

最後のは誇張ですが、だいたいみんなこんな感じです。
満席の国際線、4列シートの真ん中で大きなガタイを縮こまらせること約13時間。一体どんだけ徳を積んだらそんなに無欲になれるのでしょうか。

さて、肝心の日本人乗客です。
例えば海外に到着した時なんかは、シャイな日本人も結構お礼を言って降りていってくれたりするわけですが。
私の場合まず日本人乗務員だと認識されませんので、どんなにフライトのあいだ素晴らしい日本語を披露しても彼らには通用しません。9割がた渾身の"Thank you!!"を繰り出されます。さぁこれから海外!よしきた英語モードに切り替わった!誰か練習台はいないか!おぉー居た!目の前に居た!"Thank you‼︎‼︎‼︎" (完璧な発音)

そんな姿にもまた、感動させられたものです。

それで思い出したのですが、ある国内線フライトでのこと。これも降機時にお客さんをお見送りしているときでした。
同僚が、一人の乗客からお手紙を頂きました。すぐに乗務員みんな集まってきて、中身を開いて読みました。

そこにはフライトに対する感想が書いてあり、それはそれはステキなお手紙でした。
ところが最後に、なぜか英語で感謝の一文が添えてあるではありませんか。
「国内線だから外国人乗務員なんていないのにね。」
そう、みんなが思った瞬間でした。
なんと!他のメンバーが全員私の方を振り返るではありませんか。

追い詰められた私は…
無意識に一言。

"Thank you〜!!!!"

きっと完璧な発音だったと思います。


ずいぶん話がそれてしまいましたが、
もう一つ私が飛行機で好きなのは、機内食です。

みなさんが1個しか食べられなくてヤキモキしている所を、私は毎回5個ぐらい食ってました。


現場からは以上です。
つまらない小話を読んでくださってありがとうございました。

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