海外就職を目指す前に。自分の人生の舵を取る覚悟はありますか?
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海外就職を目指す前に。自分の人生の舵を取る覚悟はありますか?

笠井枝理依

いやー…気づけばもうクリスマスだなんて!2018年の足音もすぐそこまで近づいてきましたね。

2回の転職にカナダ永住権取得、そしてランガラ大学での講演など、今年も変化に富んで忙しい毎日でしたが、やつれるどころか益々ぷくぷくしていく気がする今日この頃…。そんな私エリーが、Frog Advent Calendar 2017の最終日を担当させていただきますっ(`・ω・´)ゞキリッ

さて、ここからは真面目モード。私がこの記事を通して皆さんに考えてほしいのは、タイトルにもある通り「自分の人生の舵を取る覚悟があるかどうか」です。

私の記事があなたの目にとまり、こうして読んでくださっているということは、程度の差こそあれ海外就職に興味がある方なのでしょう。でも実際に目指す前に、まずは自身にこの問いかけをしてほしいのです。

今回は海外就職を経験していない方に向けて書きますが、私は既に現地で働いている方も、節目節目で自身にこれを問いかけるべきではないかなと思っています。なぜこの問いかけが必要なのか。それは私たちが自分の人生の舵を他人の手に委ねてしまいがちだからです。

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思考停止していませんか?

日々忙しく働いていると、人は自分が何者でなぜ今この仕事をしているのか、どこに向かっているのか、そしてどんな人生にしたいのかをゆっくり考える余裕がなくなり、いわゆる思考停止状態に陥ってしまいます。すると「一先ず現状維持でいいか」と考えることを先延ばしにし、世の中の流れや常識とされているもの、親や友人の意見、そういったものの波間でぼーっとたゆたうことになる。

「一先ず」だったものは「10年」になり、「50年」になることでしょう。そしてふと気づけば、自分が夢描いていたものを手に入れられないまま老い先短くなっており、絶望することになるのです。

もちろん現状を維持することや他人の意見を受け入れることも一つの選択肢であり、正解たり得る。でもそれが「あなたが納得したうえでの正解」なのか、「他人が出した正解に身を任せているだけなのか」は意識したいところ。というのも私の経験上後者だと大事な決断を誤りやすく、「あの時自分の本心に従っていたら…」と後悔したり、窮地に陥った時に「自分がこうなったのはあなたのせいだ」と他人に責任を押し付けてしまう可能性が高いからです。

でもあなたのせいだなんて言っても、他人はあなたの人生の責任までとってくれません。たとえ元は他人の意見だったとしても、自分でその選択肢を受け入れたのだからあなたの責任です。先ほどの比喩を使うのであれば、「波間をたゆたうという選択」をしているのはあなたであるということ。思考を巡らせる余裕が無い時こそ立ち止まり、自分以外の何かに人生の決断を委ねていないか振り返ることが必要です。そしてもし他人に舵を取らせることを許すのであれば、その結果も自分の責任になるということを自覚しましょう。

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海外でのサバイバルは決断の連続です

思考停止していないか、他人に人生の舵を委ねていないか振り返ってほしいと言ったのには理由があります。それは住み慣れた祖国を飛び出して海外でサバイバルしていくのはやっぱり大変なことであり、私自身日本で暮らしていた頃よりも自分と対話して決断する場面が多くなったと実感しているからです。

英語の壁やスキルの壁、文化の壁、そして何よりも高くそびえ立つビザの壁。近頃は海外就職に成功した人たちの発信もよく目にするようになりましたが、その裏にはそれらの壁を乗り越えられず、諦めて帰国せざるを得なかった人たちだって掃いて捨てるほどいるということを忘れてはいけません。海外就職を目指すならその壁を乗り越える気概と、失敗して帰国するリスクをも受け入れる覚悟が必要です。それが自分の人生の舵を取るということだと思います。

「海外で働きたい!」と思ってからカナダ永住権を取得するまでのこの5年は、私にとって決断の連続でした。規模は営業からクリエイターへの転身、バンクーバーへの移住と現地就職、結婚や永住権の申請、転職といった大きなものから、ミートアップでの登壇や、カンファレンスへの出席、ハッカソンへの参加といった小さなものまで様々です。

私の場合は困ったことに、コンピューターサイエンスやデザインの学位が無く、クリエイターとしての経験も浅いのに、経済的に現地で学校に通う余裕もありませんでした。だから就職活動に関しては一般的なルート(※1)を辿るわけにいかず、工夫をこらしてゲリラ的なアプローチを取っていたため、一つ一つの決断で多大なるエネルギーと思考を要しました。何度プレッシャーの中でもがき、心の中でちゃぶ台をひっくり返しては、枕を涙で濡らしてきたかわかりません。

もしも私が「海外就職できないかもしれない」というリスクを取る覚悟ができていなかったり、思考を停止したまま憧れだけでなんとなく来てしまっていたとしたら?きっとそれらの決断に迫られた時に簡単に心が折れ、悔しい想いを抱えながら帰国した人たちの仲間入りを果たしていたことでしょう。

海外就職を目指すうえで、自身との深い対話や決断による苦しみを味わっているのは、何も私だけに限りません。同じように海外で就職して働いている人や、学校に通って頑張っている人、学校を卒業して今まさに就職活動している人も味わっていることだと思います。各々が「何かが上手くいかずに帰国せざるを得なくなるかもしれない」という不安と戦いながら、ギリギリのところで踏ん張っているのです。

※1 ここで言う一般的なルートというのは、まず現地で学校を卒業することで働けるビザを取得し就職、その後ワークビザやワーキングホリデービザを使いながら現地で働き続け、最終的に永住権を取得するという流れを指しています。詳しくはFrogのウェブサイト他のメンバーの記事で確認してみてください。

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海外就職を目指すにあたって考えてみてほしいこと

ここまで海外就職にまつわる、自分の人生の舵を取る辛さをお伝えしてきて、「そこまで辛いなら海外で就職しなくてもいいや」と思った人もいることでしょう。それはそれで良いのです、何も海外就職することが全ての人生の最適解ではないのですから。自分で自分の答えを導き出すことこそが大切です。

それでもまだ海外就職を検討している人のために、このパートでは私が実際に考えてきたことをいくつかリストアップしておきます。人生の舵を自ら取れている人は既に考えていることばかりかとは思いますが、検討する際の参考にしていただければ幸いです。

• 自分はなぜ海外就職したいのか
• 海外就職することで何を実現したいのか、その先のプランは何か
• 海外就職に失敗したらどうするか、その先のプランは何か
• 自分の現在のスキルセット、現地の人たちに負けない自分の武器は何か
• レジュメやポートフォリオでそれらの武器をどう魅せるか
• 海外就職するルートにはどんなものがあるか
• それらのルートの中で、現実的に自分の選択肢となり得るものはどれか
• それらの選択肢を可能にするビザにはどんなものがあるか
• それらの選択肢について理解を深めるために、相談できる人はいるか
• 相談できる人に相談するとして、質問内容は具体的にどんな風になるか
得た知見を踏まえて、結局自分はどうしたいのか
• それでも海外就職するならどのルートをどんな戦略で進み、就職に繋げるか

これらについて考えることは最低限。実際に一歩を踏み出したらまた色々と見えてきて、改めて自分との対話や決断が必要になってくることでしょう。私としては太字にした最後から二番目の質問が肝だと思っています。色々調べてみた上で、やはり海外就職を目指して舵を切るのか再確認しましょう。きっと調べる前に比べると視界がクリアになって、本心からの決断がしやすくなっているはずです。

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さぁ、船出の時です(๑•̀ㅂ•́)و✧

ふぅ…どうにか伝えたいことを書き切りました。基本的にニコニコ陽気でいたいタイプだし、せっかくクリスマスなんだし、もっとこう海外就職に関するハッピーなことを伝えるべきかなと思ったんですけれどもねー(^_^;)こういう厳し目の記事を書いたのには二つの背景がありました。

一つ目に私がバンクーバーで働いていることが知られるに従って、「エリーさんのように現地就職するにはどうしたらいいですか?」という趣旨の相談を受けることが多くなってきており、人によって相談内容に具体性があるかどうか明確に分かれていると感じたからです。

自分の人生の舵が取れている人は、相談内容も具体的でハッキリしています。その一方でどこか人生を他人任せにしている人は、相談内容がふわっとしていて、まるで私に導かれるのを待っているかのようです。でもその人の環境や状況によって海外就職までのルートやペースは異なるので、私に経験上のアドバイスはできても、その人の前に立って連れて行ってあげることはできません。自分の人生なのですから、自分を連れて行くのは自分しかいないのです。

二つ目に、ここのところ見かける記事や発言が、「海外就職してこんなにハッピーだよ!皆もそうしなよ!」というものが多かったので、これは苦みのある言葉をプレゼントして「いやいや、そんな甘いものじゃないでしょう?」という話をするべきだなと思い至ったからです。(ドSかよ)

私の周りにいるFrogメンバーたちにも様々なタイプがいますが、海外就職に成功している人たちに総じて言えるのは、やっぱり自分でしっかり考えて納得できる答えを出せている人たちです。そこに経験の差はありません。

Frogメンバーの皆さま、今年のAdvent Calendarの記事執筆もお疲れ様でしたヽ(=´▽`=)ノ私たちがお届けした記事たちが、海外就職を検討している皆さんにとって良いヒントを与えてくれますように。

それではまた来年、お会いしましょう。 Happy Holidays :)!



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笠井枝理依
カナダのバンクーバーで暮らすUI/UX Designer & Developer 👩🏻‍💻🇨🇦 2017年秋にカナダ永住権も取得済み。ウクライナ人の夫との日々の暮らしや、現地企業で働く中で感じたことを書き綴ります 📝✨