見出し画像

PLAYLIST:Lead Belly re:imagined by Adam Nussbaum - 現代ジャズに再解釈される伝説的ブルースマン レッド・ベリー

ジョン・スコフィールドに抜擢されてシーンに出てきて、デイブ・リーブマン、ギル・エヴァンス、マイケル・ブレッカー、ジョン・アバークロンビー、リー・コニッツ、トム・ハレルなど、ビッグネームに起用されていることからわかるように、80年代~90年代にはファーストコールの一人だったドラマーのアダム・ナスバウム(1955年生まれ)が2010年代に始めたプロジェクトがこのレッドベリー・プロジェクト。

レッドベリーとはアメリカのフォークミュージックからカントリー、ブルース、ロック、ソウルなどに多大な影響を与えた偉大な黒人のギタリストでシンガー。1888年生まれで1900年代前半にはすでにシンガーとして活動、その歌声と12弦ギターの演奏、そして、フォークソングやブルースやワークソング、スピリチュアルソング、流行歌まで、おびただしい曲数を覚えていて、いつでも自在に歌いこなしていたことで知られていた。

1930年代には殺人未遂で刑務所に入れられていて、民族音楽研究家のアラン・ローマックスに刑務所内で発見されて、刑務所で録音を行い、その音楽的な才能を認められ釈放されている。

その後も逮捕され、また釈放。40年代にはニューヨークのフォークシーンへと活動の場を求め、そこでウディ・ガスリーやピート・シーガーら、当時の最先端のフォークシンガーたちに大きな影響を与えた。

後にピート・シーガー、ジョニー・キャッシュ、ランブリン・ジャック・エリオット、ブラザース・フォー、イギリスのロニー・ドネガン、C.C.R.、ポール・マッカートニー、バーズなど、数多くのアーティストがその影響の大きさを示している。例えば、ニルヴァーナがMTVアンプラグドで演奏した「Where Did You Sleep Last Night」などが有名か。

というあたりが概要だろうか。

そのレッドベリーに魅了されたアダム・ナスバウムがジャズ・ミュージシャンの視点から彼の音楽を再構築したのが2018年にリリースされた『Leadberry Project』と、2020年の『Lead Berry Reimagined』。

現代ジャズのトップ・ミュージシャンがコンテンポラリージャズ的手法でレッドベリーをカヴァーするのも面白いし、12弦ギターの名手だったレッドベリーの音楽をツインギターの6弦+6弦の12本の弦のギターで演奏する発想も面白い。

以下はレッドベリーの原曲とアダム・ナスバウムによるカヴァーを交互に並べて、その解釈をじっくり味わうためのプレイリストです。ぜひ、続けて聴いて、その意図を聴き取ってみてください。

続きをみるには

残り 0字

¥ 100

面白かったら投げ銭をいただけるとうれしいです。