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このお土産がすごかった!

旅行の楽しみといえば、「買い物」という方も多いのではないだろうか。
「バラまき用」のお土産探しはちょっと大変だけど、自分用になにか良いものがあったら買おうかな、とお店を見てまわるのは、本当に楽しいひとときだ。
そして買って帰ったものがいつもの暮らしを彩ってくれたら、なお嬉しい。今回は「これ買ってよかったなあ」といまでもしみじみ思うお土産を紹介する。

イギリスの不思議なパウダー


自分史上もっとも買い物をした旅、それは大学2年生で訪れたイギリスだ。

以前このnoteに、アフターヌーン・ティーに憧れてイギリスを訪れ、何度もお茶をしたという記事を書いた。


この旅では、これと同じくらい、「かわいいもののお店巡り」にも相当熱を上げていた。イギリス特集の雑誌を買い込み、行きたいところをピックアップし、可能な限り制覇したと思う。言い訳に過ぎないが、ちょうどこの頃は円が強く、「日本と比べて安い!」という感激もあった。1カ月間ホームステイしていたブライトンの街から、何度も一人でロンドンを訪れ、買い物に精を出した。

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老舗デパート「リバティ」では、かの有名な「リバティプリント」のハンカチ。バスグッズのお店では、当日憧れだった泡風呂用バスジェルが5~6種類入ったセットを。また別の店ではタンスの引き出しに敷く専用の紙。包装紙のような美しい花模様が印刷され、良い香りが染み込ませてあるのだ。


英国王室御用達の香水店「フローリス」では、「EdwardianBouqet(エドワーディアン・ブーケ)」という香りのタルカムパウダー。大人向けのベビーパウダーのようなのもので、高貴だけれどちょっと懐かしい、「昔の大人の女性」のような香りがする。

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そして、これはまるで怪奇現象のような話になるのだが、購入してから四半世紀以上経つのに、このパウダー、使っても使ってもなくならないのである……。(だから今回写真を撮影することができた)

毎年夏になると、無臭の制汗剤のあと、このパウダーを1円玉大くらい手のひらに出して胸元につけている。かなり頻繁に使っているのに、なぜかいつまでもなくならないのだ。中が見えない容器なので、中を見るのが非常にコワく、増えているのかな?とかこれまた恐ろしい想像もするのだが……。それでも、こんなに長く使えて、買って良かった、これはすごいお土産だった、と思うのである。(色々な意味で)


ちなみに父から借りて出かけた大きなスーツケースはお土産でぱんぱんになり、帰国前の荷造りを目撃したステイ先の女性に「ノリコ!あなたときたら、こんなに買い物して!」とものすごく驚かれた。空港に向かう道中では、スーツケースが重すぎて階段をどうやって上ろうかと立ち止まっていると、必ず、ほんとうに必ず、通りかかった男性が運んでくれたのも良い思い出だ。

フィンランド・サンタクロース村の「燻製」帽子


いまでこそ家族で旅行となると子ども用にあれこれ準備して大荷物になるが、昔は異様に荷物が少なかった。2週間の旅行でも「2泊3日ですか?」レベルのボストンバッグ1つ。

卒業旅行で2月にフィンランドを訪れた際も、マフラーも帽子も持参しなかったくらいだ。しかし、現地で合流したガイドさんいわく「帽子がないと脳みそが凍って死にますよ」とのこと。オーロラ見物も予定していたので、マフラーは持参した日本てぬぐいでしのぐとして、帽子は急ぎ現地調達することにした。


フィンランド到着2日目に訪れたサンタクロース村では、お土産屋さんがちょうどセール中だった。なんと、直前に火災があったそうで、少し煙をかぶってしまった土産物を安く売ろうということらしい。


そこで見つけた毛糸の帽子は、まるで王冠のようなちょっとユーモラスな形も、色も、風合いも、一目で気に入った。

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実はその帽子、ほんの少し煤けていて、おまけに燻製のようなにおいまで漂い、一瞬ためらったのも事実だが、洗えばなんとかなるだろうと思って買うことにした。


この帽子が、結果的に大ヒットだった。その旅行でオーロラ見物やクロスカントリースキーで役立ったのはもちろん、いまでも、家族で愛用しているのだ。
ぶかぶかなのがかえって愛らしく、現在小学校4年生の息子が保育園の頃も使わせたし、いまは、5歳の娘、そしてもちろん私自身も大切にかぶっている。(写真上が息子、下が娘、いずれも偶然上着まで同じ)

yuutarp のコピー

DSC_0129 (2)七海 のコピー



「この帽子フィンランドで買ったんだよ」という話から、フィンランドにはトナカイがいて、見わたす限り雪で真っ白で、サンタさんがいて、と会話が広がるのもうれしい。

さんたさん

(フィンランドでサンタクロースと出会ったときの記事はこちら↓)



すごいお土産、とは、使うたびに、楽しかった旅の思い出がよみがえり、現地の空気がふんわりと鼻をかすめるような、そんなものたち。
なんでもかんでもわりとすぐに処分してしまう私だが、そういえば長年使い続けているものは、旅先で買い求めたものが多い。そうやって日常をあとから豊かにしてくれるのも、旅の醍醐味だなといまさらながら思う。

(text; Noriko  photo;Noriko&Mihoko) ©elia ※写真は一部イメージ



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