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方針とお仕事依頼+コラム

このコラムの説明

気付けば20本近くアップして、沢山の方に読んでいただきました。

このコラムは、国語教師の僕が、生徒・保護者に配布したものがベースになっています。

学級通信や学年通信を出すたびにコラムを載せていて、それが保護者・生徒からかなり好評だったので、どこかで発信したい、と思いnoteを始めてみました。もちろん、このnoteのオリジナルもあります。

僕が大学生の頃、mixiというSNSの先駆けみたいなものが流行っていて、そこに文章を書いていました。40歳前後の方は経験しているでしょう。

もうほとんど使われなくなってしまいましたが(※会社はパズドラなどで儲かっているようです)、皆が文章を発信し合うあのコミュニティは、僕みたいな国語教師にとっては、「今の子どもたちもやってくれたらいいのに」と思わされるものでした。

自分もたくさん書いて、文章力は鍛えられたし、専門でもないのに「文才」に恵まれた友達も沢山いました。その頃のノリで、今も書き続けています。

お仕事依頼

noteを始めたのは、

「いつか、この文章を売りたい!!」

と志したからです。保護者の方から(もちろん、お世辞も含まれているとは思いますが)、「本にならないんですか」「ネットで売れますよ」という声を、よくいただきます。

僕の勤務校は中高一貫校なので、経済的には恵まれた方も多いです。保護者の中でも、起業家などのビジネスの世界で活躍している方からもよくそのような声をいただいたことが自信になりました。

書籍でもネットのコラムでも、媒体は問わず、世に広められたらうれしいです。お仕事依頼、お待ちしております。まずはプロフのX(twitter)からDM下さい。

オマケコラム「転がる石に苔は生えぬ」

オンライン授業をやっていたころによくBGMで流したが、ボブ・ディランの名曲に”Like a Rolling Stone”という曲がある。

日本語に訳せば「転がる石のように」という意味である。「風来坊」とか「風の又三郎」なんて言ってもいいかもしれない。

英語には、この言葉を使った諺がある。“A rolling stone gathers no moss.”というもので、日本では「転がる石には苔が生えぬ」と訳されている。

面白いことに、これは英米の両国では正反対の意味に捕らえられているようだ。

イギリスでは「場所を変えてばかりいるヤツは、結局どこに行ってもダメだ」という戒めのように使われる。

一方のアメリカでは「有能な人は引く手あまただから、同じ所にはとどまっていられない」と、むしろ肯定的に解釈される。

建国の歴史が感じられるエピソードである。

ディランほど、「風来坊」という形容が似合う男はいない。
今でも忘れはしない、僕は2014年3月31日にZepp Diver Cityで生のボブ・ディランを拝んだ。

その日は「笑っていいとも!」の最終回で、新橋駅では号外が撒かれていたが、そんなものには目もくれず、お台場へと向かった。

そしてステージに現れた、72才の彼は、雑談は一言もなく、最後までただただ歌い続けた。全ての曲はアレンジされまくっていて、全く何の曲か分からなかった(あとでセットリストを見たら、ほぼ知っている曲だった)。

その数年後に、ディランはノーベル文学賞を受賞するのだが、授賞式にも現れず、ギリギリまで連絡すらよこさないという、とにかくひねくれ者である。その後、受け取ることを決意し、メッセージを寄越した。若い頃の彼だったら、きっと断っていたんじゃないかな。サルトルみたいに。

アメリカで生きる彼は、当然、件の諺をアメリカ的な意味で解釈するだろう。彼自身がそれを体現している。僕もそうありたいと思っているので、過去の職場を辞めた時には、この曲を題材に、このコラムを書いた。

How does it feel? (どんな気分だい?)
How does it feel?(どんな気分だい?)
To be without a home?(家もなくしてさ)
Like a complete unknown?(もう誰もお前の事を知らないよ)
Like a rolling stone?(転がる石のようにね)

ボブ・ディラン "Lile a rolling stone"

もとは富裕層を批判した詞のようだが、僕はそこでの生活のあらゆるものへの感謝と別れを捧げるつもりで書いた。もちろん、自分自身にも向けられている。そして、人生のリセット・ボタンを押すことにした。もう誰とも連絡は取らないことにしている。

個人の価値観にもよるが、基本的に組織を媒介にした縁、というのはそこを離れたら長くは続かない。だから、今ある時間を大切にしなければならない、と同時に深入りしすぎないバランス感覚も重要になる。敢えて深入りするのも今しかできないことだ。それは自分が選べばいい。最後に、こう言えばいいのだ。

“How does it feel ?”――「どんな気分だい?」

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