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還暦を迎えた父へ~久保田 萬寿 自社酵母仕込

先日、父が還暦を迎え、私はとある日本酒を贈った。

「久保田 萬寿 自社酵母仕込」

父の日や特別なお祝い、人生の節目などに、日本酒を贈りたいと思う方に是非おすすめしたい期間限定出荷の逸品である。

いわゆる「還暦祝い」は派手すぎる

誕生日の1週間ほど前、そういえば今度の誕生日で父は還暦になるではないか!と気づいた私は、
そこから慌てて、一般的な還暦祝いとはどうするものなのかを調べてみた。

昔なら赤いちゃんちゃんこを着てどうこうとあったようだが、
どう考えても我が家の父はそんなことは望むタイプではないし、
そんな盛大なことをやるほど和気あいあいとした家族ではない。

還暦祝いに特化したサイトでは、
ブランド財布や時計、似顔絵、食器、酒類など色々掲載されているが、
圧倒的に一番多いのが名入れ〇〇

名入れグラスなんかはおしゃれでいいなというのもあるのだが、
瓶のラベルにでかでかと名前を入れるという名入れ日本酒や名入れ焼酎なんかは正直、ダサくて恥ずかしい。

赤い瓶に入った日本酒なんかも色々あるようなのだが、それもかなり見た目が派手で気後れする。

何故還暦祝いというのはこんなにもド派手な商品ばかりが前面に押し出されているのだろう...

単に私がダサいと思うだけで、父にとっては違うかもしれないし、
他にもそれが嬉しいという人はたくさんいるのだろうけれど、

今までそんな賑やかな誕生日を過ごしたことがないのでどうにもそんな派手なプレゼントは落ち着かない。

うん、これはやめよう。

こうして天邪鬼な私は、還暦祝い用の通販ページをそっと閉じた。


しかし有用な情報として、日本酒は還暦祝いとしてもよく贈られるものだというのはわかった。

幸い、父はかなりの日本酒好きで毎日の晩酌は日本酒である。

迷わず贈るのは日本酒だと、決定した。

日本酒がわからない...

さて、問題はここから。

日本酒を贈ると決めたはいいが、私はそれほど日本酒に詳しくない。

大吟醸とか日本酒度とか精米歩合とかいろいろ用語が多くてわからない。

とりあえず、どっちかというと辛口のほうが好き、くらいのものである。


せっかくだから色々調べてみていろんな用語だったりも理解はできたのだが、
結果として、お酒をおいしく感じるかどうかは個人の好みによるところも大きく、酒蔵ごとの作り方によっても味は大きく変わり、
吟醸酒や大吟醸は米をたくさん削るからどうしても値段が高くなるが、高いからと言って確実においしいというわけでもないらしいと分かる。

一本の記事との出会い

え、それじゃあ何を選べばいいの...

と、余計にわからなくなった私が頭を抱えながらなんとかたどり着いたのが、
日本酒に関する色々な記事を載せているwebメディア「SAKETIMES」のとあるリリース情報。

新潟の「久保田」と言えば私も聞き覚えのある有名な銘柄だが、
その「久保田」を製造する朝日酒造の創業100周年及び「久保田」誕生35周年の節目にと作られた期間限定出荷商品
「久保田 萬寿 自社酵母仕込」のインタビュー記事である。

やはり私には、精米歩合40%の大変さ自社酵母というこだわりの意味も正確には理解などできないが、

そんなド素人でも、期間限定出荷の生産量の多くないこの一本に、「より深い味わいを」「よりおいしい萬寿を」と求めて注がれた生産者の情熱と知恵と技術とが、どれだけのものであるのかは十分に理解ができた。

日本酒とは、これだけの熱意が込められているものなのか、とどうしようもなく心が動いた。

(私の文章力ではこの感動を表現するのに限界があるので是非実際の記事を読んでいただきたい)


そして何より、

「お酒は、身体でなく"心"で飲むもの。」

という、製造部の方の言葉はド素人の私にも背中を押してくれた。

高いお酒だからと言っておいしく感じられるとは限らない。

とか、そんなのはどうでもいいと思うくらい、
いつの間にかこれがいい、と思っていた。

味がどうか、好みに合うかは全然わからないけど、この「ストーリー」を贈りたい
そう思った。

気づけば朝日酒造のオンラインショップで購入ボタンをポチっていた。


そうして3,4日たって、誕生日当日にギリギリ届いた久保田 萬寿 自社酵母仕込。

写真の通り、箱のデザインも洗練された美しいデザインでこちらもワクワクした。

そして、どうでもいいことではあるが、誕生日の夜の食卓で判明したちょっと衝撃の事実。

なんと、母は父が還暦だということをすっかり忘れていた。

誕生日なのは覚えてたけど還暦は忘れてた!という母。

マジか(笑)といいつつも私は届いた久保田を父に渡したら、

「妻には忘れられたけど、娘は覚えてた。良かった」

と言う父。

それを読む父に私がこのお酒を選んだ経緯を説明すると、

「いつもは酒屋やスーパーで安くて旨い酒を見つけてくるのが好きで、こういういいお酒は自分じゃ買わないから嬉しい」

と喜んでいた。

久しぶりに家族と飲んだお酒は、とても上品でしっかりと深みのある、それでいて透き通るような美しい味わいがあった。

父は

「いいお酒なのに、おいしいからすぐなくなっちゃう」

と嘆き気味だった。

細かい違いなんて分からない日本酒素人の私だが、
さんざん悩んで決めたものを贈って、こうして喜ぶ父の顔を見れば、
それは、誰が何と言おうと間違いなく、何よりおいしいお酒だった。


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