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スーパーOTT:超一流の練習そのものがエンタテイメントになる。

このたび、11月5日に日本体育大学横浜・健志台キャンパスで開催される市民ランナートラック・レース「スーパーOTT」に日本を代表する長距離ランナー新谷仁美選手(所属:積水化学工業/コーチング:TWOLAPS TC)が参戦。来年1月に予定しているヒューストン・マラソンでの日本記録更新へ向けた練習の一環として高強度の設定タイムで5000mを3本連続で走る「新谷仁美5000mおかわり3本」をスーパーOTTのレースプログラムに組み込むことになりました。

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TWOLAPSの横田コーチから「今度のスーパーOTTで新谷に5000m3本連続で走らせようと思うんですがいいですか?」という申し出を聞いたとき、とても驚きました。これまで見てきた新谷さんのポイント練習というのは、とても緊張感の漂うものだったからです。横田コーチと新谷選手が考えているのは、これまで距離を踏むことを重視した日本のフルマラソンの取り組みとは違い、トラックのスピードのままフルマラソンを走るというチャレンジ。今回行う5000m×3という練習はフルマラソン前のスピード持久力を養う大事な練習です。過去に新谷選手のポイント練習に何度か立ち会ったことがありますが、TWOLAPSのチームメイトですら、声をかけられないほどの緊張感をもって行われる「儀式」のようなもの。これまでの人生でとてつもない数のポイント練習をこなしてきたはずの新谷選手ですが。「私にこの練習ができるだろうか?」という不安と戦いながら、大記録を叩き出した日本選手権のスタート前となんら変わらぬ緊張感をもってポイント練習に挑みます。

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「そんな大事な練習をなぜスーパーOTTで?」と横田コーチに聞くと、「新谷はヒューストン・マラソンは日本記録を目指して走ります。そうすると、周囲は屈強な男性ランナーに囲まれることになるでしょう。だから慣れさせておきたいんですよね」と明るく話します。いつも練習で新谷選手をひっぱる役割の横田・新田コーチの二人には新谷さんのリズムに合わせることがもとめられますが、この日はいろんな人のリズムの中で目標とするペースで走りきることがもとめられる。つまり、「きつい上にストレスがたまる」練習であるといえます。5000m15分台でエントリーした選手は同じ組で新谷選手と走ることもあるでしょうし、男女が一緒に走ることができるのも、スーパーOTTのような非公認レースだからこそできること。脚自慢の選手はぜひエントリーしてみてください。

これまでトップエリート選手によるフルマラソントレーニングはその練習内容は明かされることなくレース当日を迎えるのが当たり前の世界でした。ファンは過程も明かされることなく、レース本戦でようやく選手のことを知る。だから、フルマラソンの世界はタイムや結果にフォーカスがあたり、選手そのものへの注目が薄れてきたのも確かです。今回、このスーパーOTTで新谷選手と一緒に走ったり、応援したり、運営をサポートしたりすることによって、新谷選手のフルマラソン日本記録チャレンジを支えたサポーターの1人として関わってもらうことで、自分ごとのように、来年1月、遠いアメリカで開催されるヒューストン・マラソンで日本記録更新を目指して走る姿をネットやSNSを通じて一緒になって応援してもらいたいと思います。

スーパーOTTのような非公認レースの面白さは日本記録を狙う新谷仁美選手も、はじめてマラソン大会に出場するランナーも同じ土俵で走れることにあります。新谷選手とあなたとでは目標とするタイムは違うかもしれませんが、ランナーとして準備し、レースに望む上では平等です。一緒に走ったからこそ、目の前でその走りを見れたからこそ、感じることができる凄みがここにあります。

今回の「新谷仁美5000mおかわり3本」では最初の2本は通常のスーパーOTTプログラムとして市民ランナーと一緒に走り、ラスト1本は新谷選手とペースメーカーによる追い込みの一本とすることにいたしました。ぜひ、トラックをぐるっとギャラリーで囲んで彼女のポイント練習を見届けようではありませんか。試合前のメッシやネイマールのリフティングやイチローのキャッチボールのように超一流選手は練習そのものがエンタテイメントになるのです。スーパーOTTにぜひご参加ください。エントリーはこちらからどうぞ!

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