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最後の写真

日本インカレに行く直前に早稲田スポーツ新聞会から連絡があった。いつもなら、学生新聞の活躍の場である日本インカレの会場に今年は入ることができないのだという。現地に行ってる競走部員からできるだけの写真や情報はかき集めるとしても限りがある。必要最低限の人員しか、新潟ビックスワンには行けないから、そんな余裕もないらしい。もしよろしければ早稲田大学の選手の写真を送ってくれないでしょうか?という話だった。

早稲田スポーツ新聞会の人とは全く面識はないし、早稲田大学出身者でもなかったが、「とりあえず気にするようにしてみます」と返事をして新潟に向かうことにした。とはいっても、こちらも普段なら入れるグラウンドレベルには入れない。代表社以外はスタンドからの取材・観戦となる。だからスタジアムの最前列を移動しながら望遠レンズでレースを観戦することにした。

そのうち、「早稲田」のユニフォームがやたらと目につくようになった。「あれ、おかしいな。意識してるつもりはないんだけどな」
と、思っていたのだけど、理由は簡単だった。
「たくさん出ているからだ」笑

なかでも、女子の短距離が目がひいた。400mHは早稲田の独擅場だった。あまり詳しくないのだけど、筆者でも知ってる選手がいた。小山佳奈選手だ。今年の箱根駅伝9区での給水も印象的だったけど、2年前、川崎等々力競技場で行われた日本インカレのフィニッシュエリアにいると、走り終えた小山選手がスタンドに駆け寄っていくの見えた。

隣にいたマニアさんが「川崎市立橘高校出身だから、当時の顧問の先生が来られたんですよ」と教えてくれた。

その小山選手が最終学年を迎えた日本インカレ。きくところによると、小山選手は大学で競技を引退するという。大学の顔となるような選手のラストシーズンを追えないのは、同学のスポーツ新聞にとっては無念であることだろう。コメントなどは電話で話せばとれるだろうから、その記事のもととなる写真が必要だろう。早稲田スポーツ新聞の目となって小山選手の写真を撮らねばな。と勝手に使命感に燃え、撮ってはすぐに、早稲田スポーツ新聞にDMをドカドカドカドカ送りつけることにした。

そのうち、日本インカレだけでなく、同じ新潟で行われた日本選手権でも写真をとっては早稲田スポーツ新聞にドカドカとDMを送りつけることにした。

せっかくだから、いつもは行かない木南記念も、田中希実選手の800mも観れることだし取材申請をして見に行くことにした。どうやら、この木南が小山選手のラストレースであるらしいのだ。

木南記念の会場に行くと、早稲田スポーツ新聞会の方から挨拶をされた。木南記念は学生新聞も取材ができたそうなのだ。「それは良かった。来週はもう一つのインカレもあるから、そちらもぜひ」とお誘いしてわかれた。ということで、小山選手の最後のレースは早稲田スポーツ新聞会に送ることなく、PCのデスクトップに残ったままだ。

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