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OTTは汽水域

OTT(オトナのタイムトライアル)を続ける大きな理由のひとつに「走ることを続けてもらいたい」という願いのような気持ちがあります。毎年、3月になると数多くの大学生や実業団の選手たちが競技からの引退を表明します。その様子をずっと傍から眺めながら、もったいない。と思ってきました。陸上競技というものは結果がすべてではありますが、応援する動機は結果以外のところにもあるからです。競技の第一線から身をひいたとしても、その人の魅力は消えることがないですし、大学や実業団まで競技を続け、磨いてきた技術は市民ランナーの想像が及ばないレベルにあります。引退レースのような場を作ってもらえる選手や引退後も陸上競技と関わり続けることができる選手はほんの一握り。ほとんどの選手がSNSやプレスリリースでのお知らせだけで競技から去っていきます。そうした選手たちがいつしかSNSからも姿を消えていくのを寂しく思っていた人は多いことでしょう。

中には「現役時代おもいきり走ったから、もう走るのは辞めた」という人もいるでしょう。現役で完全燃焼した。その気持ちもよくわかります。ただ、ランニングというものは辞めてからも時間が立つといつしか走り出したくなるものらしいです。やっぱり走ることが向いてるみたいだし、体が走ることを欲してくるのだそうです。1ファンとして、いつまでもそういう選手たち走る姿は観てみたい。つまり、「たとえ競技は引退しても、走ることは続けてほしい」と思ったのです。ですから、現役を引退した選手にはOTTを競技者と市民ランナーとの「汽水域」のような場所として楽しんでもらいたい。そう考えています。

最近はその考えも浸透してきて、OTTの場ならではのシーンがみられるようになってきました。駒澤大学や実業団時代では決してお願いできなかった「油布ジャンプ」をみんなでやってみたり。

この春に東洋大学を卒業した大森龍之介さんや

早稲田大競走部からは引退し、実業団に入社する直前の宍倉選手が走りにきたり。

豪雨の中、ペースメークをする志方文典さんのフォームに皆でうっとりしたり。

現役時代とは違った形の応援スタイルがOTTにはあります。

4月18日のOTTセンゴには、この春にコニカミノルタで競技を終えた工藤有生さんがペースメーカーとして参加することになりました。会場である世田谷大蔵運動公園一帯は工藤さんが駒澤大学時代にジョグで走り続けたホームグラウンドのような場所。ここにお迎えできることをスタッフ一同喜んでます。

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OTTセンゴではランナーそしてボランティアのエントリーを募集中。

この春に競技を引退した選手たちによるペースメーカーやボランティアも合わせて募集してます。


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