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2021 年版、初歩コーヒー豆焙煎の教科書

収穫して精製処理して乾燥させたコーヒー生豆は、水分が除去されて小石のように固形化して堅くなっています。ですから、長い保存期間と輸送期間に耐えることができるわけです。

この石のように固形化して堅くなっているコーヒー豆を利用するには、強い熱作用に依存する必要があります。

熱作用に依存するといっても、煮る・蒸す・炊く・煎ると色々な方法が考えられます。この中でコーヒー豆の利用に向いているのが、「煎る」という方法だったようです。

お米を炊くときの火加減、その基本は、「初めチョロチョロ、中パッパ、ジュウジュウ吹いたら火を引いて」だと言われています。

年老いた珈琲豆焙煎屋は、コーヒー豆自家焙煎店のコーヒー豆を煎る時の加熱も、その基本は、「初めチョロチョロ、中パッパ、パチパチ鳴ったら徐々にチョロチョロ」だと考えています。

お米の炊飯では、最初の初めチョロチョロの段階で、鍋全体を弱火で温めることでお米にムラなく水分を吸収させます。

コーヒー豆の焙煎でも、「蒸らす」ことでコーヒー豆をムラなく温めます。年老いた珈琲豆焙煎屋の場合だけかもしれませんが、ゆっくりと弱火でコーヒー豆を温めているわけです。

(※)コーヒー豆焙煎の弱火・強火ですが、年老いた珈琲豆焙煎屋の場合、ほとんど排気ダンパーで操作しています。(フライパン焙煎の場合は、ガス焜炉とフライパンの距離で調整すれば良いと考えています。)

コーヒー豆を「蒸らす」段階が終了すれば、中パッパの段階となります。この段階では、強火でコーヒー豆への熱吸収量を増やします。お米の炊飯では、強火にして沸騰させます。

ジュウジュウ吹いたら火を引いて(お米)/パチパチ鳴ったら再びちょろちょろ(コーヒー豆)の段階です。

お米の炊飯では、沸騰をしたら火を少しずつ弱め、沸騰を維持したまま炊き上げます。

コーヒー豆の焙煎では、パチパチと焙煎中のコーヒー豆がハゼたなら(パチパチと焙煎中のコーヒー豆から音が聞こえてきたら)、徐々に熱の供給量を減らして行き、任意のポイントで焙煎を終了します。

焙煎コーヒー豆の煎り具合

コーヒー豆を「煎る」ことを『焙煎』と表現しています。焙煎中のコーヒー豆は、秒単位で変化しています。そして、その変化の度合いによってコーヒーの香味も変化します。

コーヒー豆の種類(例えば、アラビカ種かロブスタ種か)や、そのコーヒー豆のもともと持っている特徴、コーヒーの淹れ方の違いなどによって適切な焙煎度合い(煎り具合)を設定する必要があると言われています。

焙煎度合い(煎り具合)の設定方法として、色々な設定方法が知られています。一番簡単な設定方法は、「浅煎り、中煎り、深煎り」の三段階に分類する方法です。この方法は、焙煎した人の経験と勘に依存する割合が高い分類方法です。

それ以外に、焙煎コーヒー豆の色の明度によって分類する設定方法が知られています。この方法は、経験と勘に依存することによる誤差をできるだけ少なくすることができると言われています。

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