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デザインって言葉をなるべく使わない(ようにしている)

アプリケーション開発の現場で、デザインって言葉をわざと使わないようにする場面が多々ありますよっていうそれだけのことを色々肉付けした内容です。

こちらのnoteを読んで、デザインが理解されないってどういう状態で起きがちなのかを自分なりにぼんやり考えてて至った結論はこの3つ

  1. それぞれデザインっていう言葉の定義が揃っていない(主にコミュニケーションの問題)

  2. デザインはデザイナーがつくるものだと思っている人が多い(主に認知の問題)

  3. 目的やコンセプトが無いものをデザインと呼んでしまっている(主にプロセスの問題)

ちなみに、このポストに共感して勢いで書いている(勢いのまま書くのはダメなので中3日くらい置いて冷静にはなってます)

みんなのデザインの定義を揃えるためにデザインっていう言葉を使わない

1のデザインの定義の話、定義が揃った状態でコミュニケーションがすれ違わないようにしたい。ただ、そんなことは無理だと思っています。

ただし、場面や文脈に応じてデザインの定義を揃えるためにここ5年間は意識的に以下のことをしています。

  • デザインという大きい主語で会話しない

    • 具体的には「ここのスタイルのご相談なんですが…」「Aさんはインパクトのあるビジュアル表現がうまいですね」のように対象物を主語にしたり具体的にする

    • 相手や文脈的にデザインって言った方が手っ取り早い場合もある

  • 〇〇設計という日本語で話すと伝わりやすい

    • 特にビジネスの現場では同じ意味であるはずの設計というワードは「熟考してつくられたもの」という文脈に捉えられる場合が多い(逆にいうとデザインは表面的なものとして扱われがち)

もっと複雑な階層構造であるし、時代や文脈によって変わります

デザインっていう言葉の指し示す範囲が広すぎるし、人によっては狭すぎる

デザインって名詞なのか動詞なのかハッキリしないし、中には目に見えないデザインもあるし、美しさなど主観が混じるものもある。

(今更)デザインってなんだって思って、検索したものたちを引用

設計。図案。意匠。また、製品の機能や美的造形を考慮した意匠計画。

出典:Google検索結果

目的を持った行動であり、特定の問題を解決するための計画の事。
受け手に価値を提供することを意図した一連の意図的な行動の事。
単なる企画機能ではなく、何かに意味を与えること。だからこそ、デザインのコンセプトは単一の分野を超え、ウェブ、モバイル、ソフトウェア、ファッション、インダストリアル、インテリアなどに多用・適用できるのです。

出典:UXPin|「 デザイン 」の本当の意味とは?

It's not just what it looks like and feels like. Design is how it works.(それは見た目や感触だけではない。デザインとは、それがどのように機能するかである。)

出典:Wikipedia スティーブ・ジョブズ

「常にヒトを中心に考え、目的を見出し、その目的を達成する計画を行い実現化する。」この一連のプロセス

出典:公益財団法人日本デザイン振興会


なんとなく機能性とか目的みたいな共通項はありそうだけど、みんな定義がバラバラである。普通の人はデザインと言ったら見た目のことだし、知識がある人でも定義が揃わない。なんならデザイナー同士でも揃わない

例えるなら、生きるってなんですか?みたいなそういう哲学的な類のものになってしまっている。揃えることは無理だし、揃える必要もないのでデザインっていう言葉を不用意に使わないことで不幸を回避している。

デザインは誰のものか

少なくともデザイナーだけのものではない。なんなら解釈を拡大すれば、社会的な活動はすべてデザインだとも言える(のかもしれない)。

組織をつくる、コンテンツをつくる、体験をつくる、UIをつくる、資料をつくる、仕組みをつくる……

それぞれ専門家は存在するが、誰しもが毎日何かしらの目的達成のためにデザインに関わっている。

よくあるのが何かしらの制作物の最後の仕上げ部分、ルックスのようなものをなんとかしてくれという依頼は多い。そしてその場合、依頼者は背景や意図を頼まないと共有してくれなく、デザインというものがその時点でほぼ終わっていることに気がついていない。

なぜ目的やコンセプトの伴わないデザイン(のようなもの)が生まれてしまうのか

不幸なケースとして、目的やコンセプトがハッキリしないままデザインプロセスが進んでしまうことがある。それ自体はどの現場でも起きている、珍いことではない。

目的を整理することは難しいし、目的達成のためのユーザーの理解、ユーザーに向けたコンセプト設計はもっと難しい。

目的をハッキリさせるために、先に作り出す方が効果的なケースもある。

このデザインは何を解決するものなのか、この主たる目的が複数あったり、各人で認識が揃わないまま進む。そして不毛な議論で時間を浪費していく。目的を言語化できないデザインは誰もそれを評価できない。

予算や時間の不足、専門家が不在などの制約がある中でもデザイナー自身が立場を飛び越えたとしても、主体的に最低限のプロセスは踏みたい。

これは中身(目的)がないように見せかけた、記事をテンポよく見やすくする目的達成のために用意した挿絵のデザイン(無地画像でも同じ目的は達成します)

ついでに言うと、UI/UXも使わないようにしている

ビジネスの現場では「UIとそのUIを利用したユースケース(ユーザーフロー)」のことをUI/UXと呼んでたりする。
UXとはなんぞやみたいな話は割愛するとして、ここでも永遠に揃わない定義のおかげで不幸なことが起きている。

↑この説明大好き

Tipsとしては、UI/UXなどという謎セットで使わないのは基本で、UXというよりは「ユーザー体験」と呼称してあげる方が議論の場ではみなさんの関心が本来のUXに近づくような気がします。


誰向けの記事なのかわからなくなったけど、事業会社のデジタルプロダクト開発に携わるデザイナーからは以上です。



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