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【Wine ワイン】Vine in Flames Chardonnay 2018

【Wine ワイン】Vine in Flames Chardonnay 2018

トロリとした濃密な果実味にしっかりとした樽の香り。

https://a.r10.to/hlvaVj

■Producer (生産者)
Ville Budureasca

■Country / Region (生産国 / 地域)
Dealumare / România

■Variety (葡萄品種)
Chardonnay 100%

■Pairing (ペアリング)

Pastramă パストラマ:ハーブや香辛料で調味したラムや豚肉の燻製食品。他にも、これと似た燻製肉やソーセージなどのデリ肉の種類が豊富。

Sarmale サルマーレ:お米や挽肉、ハーブやスパイスを包んだルーマニアのロールキャベツ。

Mici ミーチ:グリルした皮無しのソーセージ。

Mămăligă ママリーガ:ポレンタにも似たコーンミールをお湯で煮固めたもの。ブランザとサワークリーム(smântânăスマンターナ)、またはmujdei ムジュディというガーリックソースと一緒に食べることが多い。

Tochitură トキトゥーラ:豚肉または牛肉のシチュー。地方によって様々なレシピがある。

Ciorbă:borș チョルバ・ボルシという麦を発酵させ酸味豊かな液体調味料を入れたスープ。

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■プロフィール

ルーマニアはヨーロッパの南東に位置し、セルビア、ハンガリー、ウクライナ、モルドバ、ブルガリアに接しており、東は黒海に面している。面積は238,000㎢で山と森林が3分の2を占め、残りはなだらかな丘陵地帯や平地が広がっている。ブドウ栽培にとても適した土地であり、東ヨーロッパでは重要なワイン生産国である。ルーマニアという国は、ワラキア公国とモルドバ公国西部(東側のベッサラビア地方はロシア帝国に合併)が1895年に合併し、成立したのである。1918年にはトランシルヴァニアとベッサラビアも加わり、大ルーマニアとなった。1940年独ソ不可侵条約によりベッサラビアを含め多くの領土を無くしたが、その後譲渡していた北部のトランシルヴァニアを取り戻し、現在のルーマニアに至っている。ルーマニアは2007年にEUに加盟してから、共産主義時代の経済的な低迷から徐々に復活し、ワイン産業においても様々な改善が見られている。2017年の時点で、ルーマニアのブドウ畑の面積は177,150haで、全体のワイン生産量は4,264,100hℓ(ヴィニフェラ系66%、ハイブリッド34%)である。更に、ヴィニフェラ系のうち、DOCワインは29%、IGPワインは9%、ヴァラエタルワインは6%、テーブルワインは56%である。(農業省、2017年)歴史ルーマニアのワイン造りは4000年前に遡ることができる。黒海沿いにあるドブロジェア地方を通じて入ってきた古代ギリシャ人の影響も強く、ダキア時代にはワイン文化が人々の生活に密着していた。ダキア語由来のワイン用語がいくつかあり、今でもルーマニア語で使われている。例えば、Strugure ストゥルーグレ(ブドウ)、Butucブトゥック(ブドウの木)、Ravac ラヴァック(モスト)などがある。15世紀頃から、ルーマニアの中でもコトナリ地方はワインの銘醸地として名声を広げていた。当時の公主シュテファン・チェル・マーレに任じられた修道士がコトナリで力強いワインを造っていたと言われ、17世紀頃の歴史書にもコトナリのワインの素晴らしさについて、トカイワインと比較された記述が残っている。1880年にはルーマニアの西部でフィロキセラが発見され、たった4年間で全国に広がった。1898年当時の163,000ha(トランシルヴァニア地方を除く)の内、3万ha近くが感染された。フィロキセラと直面している中、アメリカ系品種の研究が進むと同時に、この時代にはフランス系品種(主にシャルドネ、ピノ・グリ、ピノ・ノワール、カベルネ・ソーヴィニョン)も多く導入され始めた。栽培が困難で効率の悪い一部の土着品種よりも、フランス系品種やハイブリッドが好まれ、土着品種が停滞する時代でもある。1944年からは共産主義時代が始まり、農地の集団農場(コルホーズ)化に続き、ワイン造りも国営の「Vinalcool ヴィナルコール」やその子会社のワイナリーを通じて行われていた。更に、質より量を重視したチャウシェスク政権によりルーマニアワインの品質に重大な影響がもたらされた。大量生産ワインは手頃な価格ということもあり、ソ連のみならず一部西ヨーロッパにも輪出されていた。この時代のブドウ畑を含む全ての土地は国有で、ワイン造りも国がコントロールしていた。そのため個人の自由な意思によるワイン造りが困難だった。1989年のチャウシェスク政権の崩壊後、ワイン製造を独占していた国営の協同組合が廃止され、1991年から徐々に土地が生産者に返却されるようになった。しかし、返却される土地が元々所有していたものより少なかったり、売買が制限されるなど、しばらくの間は混乱状況が続いていた。ようやく2000年には、返還される土地が一人当たり最大10haであったのが50haまで増えた。2001年頃には約77%のブドウ畑は個人所有となり、残りはかつての協同組合が民営化された企業や研究所のものとなった。EUへの加盟をきっかけにワイン法が見直され、設備投資やワイン造りの改善において今でも努力が続いている。品質の良いクローンの導入も改善点の一つで、例えば土着品種のフェテアスカ・ネアグラの商業的なクローンが広がり始めている。さらに小規模生産者の意欲的な取り組みも活発になり、ルーマニアワインは高品質なものへとシフトしている。

■代表的な地方料理
Brânză ブランザ:塩漬けされた羊のフレッシュチーズ。サラダなどと一緒に前菜の中で登場することが多い。
Zacuscă ザクースカ:ナスやズッキーニをトマトで煮込みペースト状にしたもの。
Pastramă パストラマ:ハーブや香辛料で調味したラムや豚肉の燻製食品。他にも、これと似た燻製肉やソーセージなどのデリ肉の種類が豊富。
Sarmale サルマーレ:お米や挽肉、ハーブやスパイスを包んだルーマニアのロールキャベツ。
Mici ミーチ:グリルした皮無しのソーセージ。
Mămăligă ママリーガ:ポレンタにも似たコーンミールをお湯で煮固めたもの。ブランザとサワークリーム(smântânăスマンターナ)、またはmujdei ムジュディというガーリックソースと一緒に食べることが多い。
Tochitură トキトゥーラ:豚肉または牛肉のシチュー。地方によって様々なレシピがある。
Ciorbă:borș チョルバ・ボルシという麦を発酵させ酸味豊かな液体調味料を入れたスープ。バリエーションとして、ciorbă de burtă チョルバ・デ・ブルタ(トリッパのスープ)、ciorbă・de văcuță チョルバ・デ・ヴァクーツァ(牛肉のスープ)、ciorbă de pui チョルバ・デ・ブイ(鳥のスープ)、ciorbă de perișoare チョルバ・デ・ベリショアーレ(ミートボールのスープ)、そして主に黒海沿岸の地域ではチョルバ・デ・ペシュテciorbă de pește(魚のスープ)などがある。ロベジ、タラゴン、ディルやパセリなどのハーブ、サワークリームで味付けすることが一般的。また、辛い唐辛子(フレッシュまたは漬物)を添え、好みで辛味を付けることもある。
Papanași:urdă パパナシ・ウルダというフレッシュチーズとジャムを掛けた揚げ菓子。

■主なブドウ品種
ルーマニアで栽培されている主な国際品種は
メルロ(11,693ha)
ヴェルシュ・リースリング(5,622ha)
アリゴテ(4,962ha)
ソーヴィニョン・ブラン(4,853ha)
カベルネ・ソーヴィニョン(4,725ha)
ミュスカ・オトネル(4,028ha)
ピノ・ノワール(2,024ha)
ピノ・グリ(1,589ha)等。

[土着品種]
品種 / 特徴

Fetească Albă フェテアスカ・アルバ
ルーマニア語では「白い乙女」という意。モルドバ公国時代から栽培されており、ルーマニアとモルドバ両国の土着品種として知られている古代品種。黒ブドウのフェテアスカ・ネアグラとの関係性を言われてたが無関係と判明し、またハンガリーのレアニカと同じ品種という説も近年では否定された。リンデンの花を思わせるようなエレガントなワインとなる。ルーマニアでは2017年の時点で9,836haが栽培されている。 

Fetească Regală フェテアスカ・レガーラ
ルーマニア語では「高貴な乙女」という意。最近のDNA鑑定では、フェテアスカ・アルバとモルドヴァ地方のフランクシャとの交配品種だと判明された。霜やカビにも耐性があり、フェテアスカ・アルバより栽培しやすい品種。ボディーがしっかりしており、グレープフルーツや白胡椒のニュアンスが特徴。ルーマニアでは2017年の時点で13,834haと一番多く栽培されており、国内消費用として主に多少の残糖のあるワインが造られている。モルドバ共和国でも注目されている。

Grasă de Cotnari グラサ・デ・コトナリ
コトナリ地方で最も重要な品種。大ぶりの粒で名前からしても「大粒」という意。貴腐ブドウとしての栽培にも向いており、そのワインは歴史的にトカイと並び称された。最近では辛口の白ワイン造りのポテンシャルも評価されている。栽培面積は562haが記録されている。

Tămâioasă Românească タマヨアサ・ロマネアスカ
Muscat Blanc à Petit Grainsと同一品種で、約2000年前に古代ギリシャ人により黒海を通じて伝わった品種だと言われている。甘口や半甘ロワインが造られることが多いが、最近では辛口も増えている。栽培面積は1,668ha。

Busuioacă de Bohotin ブスイオアカ・デ・ボホティン
ルーマニア語の「busuioc」という単語は「バジル」という意で、強い香りという特徴から名付けられた。Muscat Blanc à Petit Grainsの突然変異から生まれたグリ・ブドウ品種で、主に辛口や半辛口のロゼワインに使われている。448haが栽培されている。

Băbească Neagră バベアスカ・ネアグラ
ルーマニア語では「黒い貴婦人」という意。モルドバ共和国では「ララ・ネアグラ」として知られている。ニコレシティ近辺のガラツィ地方が原産。淡いルビー色が特徴で、主に国内でフルティーで軽やかなワインとして楽しまれている。栽培面積は2,726ha。

Fetească Neagră フェテアスカ・ネアグラ
ルーマニア語では「黒い乙女」という意。高品質なワインに向いているとして近年多くの生産者の間で注目されている。2006年の1,270haから、2017年には2,665haへと栽培量が増えた。古い品種でルーツは不明。モルドバ共和国の共通の土着品種。

■ワイン法と品質分類

主な品質分類

DOCワイン(Denumire de OrigineControlată デヌミレ・デ・オリジネ・コントロラータ)
IGPワイン(Indicație Geografică Protejată インディカツィエ・ジェオグラフィカ・プロテジャタ)
ヴァラエタルワイン(Vin Varietal ヴィン・ヴァリエタル)
テーブルワイン
交雑種(ハイブリッド)ワイン

ルーマニアのワイン法はEUの規則に準じており、現在、33件のDOC(原産地呼称保護)と12件のIGP(地理的表示保護)が登録されている。ヴァラエタルワインとは、DOCとIGP以外で、許可されているブドウ品種名が表示され、そのブドウ品種が85%以上使用されているワイン。


収穫時期を示す分類(DOCのみ表示可)
DOC-CMD(Cules la maturitate deplină クレス・ラ・マトゥリタテ・デブリナ):完熟期に収穫されたブドウ
DOC-CT(Cules târziu クレス・タルゼィウ):遅摘みブドウ
DOC-CIB(Cules la înnobilarea boabelor クレス・ラ・ウンノビラレア・ボアベロル):貴腐ブドウ


熟成期間による分類(DOCとIGPともに表示可)
Rezervă レゼルヴァ:樽熟6ヵ月以上に加え瓶熱6カ月以上
Vin devinotecă ヴィン・デ・ヴィノテカ:樽熱1年以上に加え瓶熟4ヵ月以上
Vin tânăr ヴィン・トゥナル:醸造された年に発売される若いワイン、新酒

■ワインの産地と特徴


■気候風土
ルーマニアは北緯44〜48度(南フランスとほぼ同じ範囲)に位置している。温帯大陸性気候が特徴で、厳しい冬が少なくない。地方により冬の気温は-20度を下回ることもあるが、ブドウ畑のほとんどは厳しい冬から守られるよう、ブドウの栽培に適した微小気候の地域に広がっている。黒海の影響を受ける地域ではより温暖な冬が見られる。夏は暑く、最高気温は30〜35度まで上がることが多い。7月の平均気温は23.5度、年間平均雨量は400〜600mm。収穫時期に雨が降ることも少なく、ブドウ栽培に適している土地である。

Podișul Transilvaniei ポディシュル・トランシルヴァニエイ
ブドウ畑の面積:6,696ha
カルバチア山脈に囲まれ寒風から守られた地域で、大陸性気候が特徴。600mにも及ぶ標高で、冬は非常に寒く(最低気温は-30度に及ぶ)、年間平均気温は9.7度とルーマニアでは最も冷涼な地域である。年間雨量は500〜700mm。褐色土が多く、小石や腐葉土が混ざった粘土質も一部見られる。

Dealurile Moldovei デアルリレ・モルドヴェイ
ブドウ畑の面積:65,200ha
モルドヴァ地方のカルバチア山脈の東側に位置し、ルーマニアでは一番広く歴史の古いブドウ栽培地方である。北の風から守られるように、ブドウ畑は南、南西向き斜面に広がっている。200〜500mの標高の高さで、年間平均雨量は500mmでやや少なめ。チェルノゼム(黒土)と砂質の土壊が見られる。旧モルドバ公国だった地方。

Dealurile Munteniei și Olteniei デアルリレ・ムンテニエイ・シ・オルテニエイ
ブドウ畑の面積:51,943ha
オルテニア地方とムンテニア地方からなる産地。オルテニア地方は50〜150mの標高の低いところにあり、1,550時間の平均日照量でやや温暖な地域。赤褐色土がほとんど。ムンテニア地方の方は、西側の平均気温は10.8度、東側は11.2度で短く温暖な冬が特徴。平均日照量時間は1,500〜2,000時間で、8月と9月は雨も少なくブドウの生育に優しい環境である。赤色粘土質、サルマティア石灰岩、横土や海洋砂と小石の混さった粘土質という土壌が見られる。

Banat バナット
ブドウ畑の面積:4,016ha
ほとんどのブドウ畑は南東から南西向き斜面で、日当たりの良いなだらかな丘陵地帯や傾斜面に広がっている。8月と9月は昼と夜の寒暖差が特に大きい。標高は最高でも150m。土壌は酸化鉄が含まれるポドゾル(灰白土)が特徴。

Crișana și Maramureș クリシャナ・シ・マラムレシュ
ブドウ畑の面積:9,589ha
クリシャナ地方とマラムレシュ地方からなる産地。北のマラムレシュ地方は冷たい風の当たらない丘陵地帯にブドウ畑が広がっている。ルーマニアの一番北にあるワイン産地にも関わらず、トランシルヴァニアより温暖で、穏やかな冬が特徴。9月中の3 ~~ 4度ぐらいの平均気温の影響でシャープな酸と豊かな香りのブドウが栽培されている。年間平均雨量は650〜700mmで、年間の日照量は2,000時間。粘土、一部砂質の土壌が広がっている。南のクリシャナ地方は温暖で乾燥した秋が特徴で、年間平均気温は11.2度、年間平均雨量は644mm、年間の日照量は1.490時間。

Colinele Dobrogei コリネレ・ドブロジェイ
ブドウ畑の面積:16,331ha
ドブロジャ地方のドナウ川と黒海の間に位置するこの地域は雨が少なく(4月〜10月間の雨量は150〜200mm)、2,200時間に合計する日照量、黒海の影響による温販暖な冬で、年間平均気温は11度でやや温暖な気候となっている。土壌は黄土がほとんど。

Terasele Dunării テラセレ・ドゥナリー
ブドウ畑の面積:10,778ha
ドナウ川岸に位置し、40〜150mで標高のやや低いところにある温暖なワイン産地である。北向きの斜面も多く、そこでは食用ブドウも多く栽培されている。年間平均気温は10.9度、平均年間雨量は450〜580mm。この地域内にあるオルティナDOCでは粘土質や黒土も見られる。

Nisipuri și alte Terenuri Favorabile din SudulTării ニシプリ・シ・アルテ・テレヌリ・ファヴォラビレ・ディン・スドゥル・ツァリー
ブドウ畑の面積:12,597ha
DOCもIGPもない産地で、テラセレ・ドゥナリーにも似た温暖な気候が特徴。主に砂質の土壌が多い。


参考資料 日本ソムリエ協会教本、隔月刊誌Sommelier  

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