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【Wine ワイン】Chablis 1er Cru Vaillons 2016

【Wine ワイン】Chablis 1er Cru Vaillons 2016

シャブリ地区セレン川左岸の1級畑Vaillonsの粘土質由来の力強い特徴を表現したワイン。

https://a.r10.to/hzvv9f

Producer (生産者)
Sarl Jean Collet

Country / Region (生産国 / 地域)
Chablis / Bourgogne / France

Variety (葡萄品種)
Chardonnay 100%

Pairing (ペアリング)
Escargot à la Bourguignonne エスカルゴ・ア・ラ・ブルギニョンヌ (ブルゴーニュ風エスカルゴの殻焼き)
Andouillette au Chablis アンドゥイエット・オゥ・シャブリ (シャブリ風粗粒ソーセージ)


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■プロフィール
フランス北東部に位置するブルゴーニュは、ボルドーとともに、4世紀には銘醸地としての名声が確立された。しかしボルドーとは対照的に、ブルゴーニュでは基本的に単一の品種からワインが造られる。また中世以降、 キリスト教の修道会がワイン造りを洗練させた点でもボルドーとは異なる。
畑による個性の違いが顕著で、A.O.C.数は83を数える。

■歴史
ブルゴーニュのワイン造りが大きく発展するのは、ブルゴーニュに設立されたベネディクト派のクリュニィ会(909年設立)とシトー会(1098年設立)の両修道院による。 彼らは場所により個性の異なるワインが生まれることを見抜き、良いクリマ*を識別し、 さらにクロ・ド・ヴージョ (1115年)やクロ・ド・タール(1140年)など今日の銘醸畑を築いた。
当時はフランス・カペー王家出身のブルゴーニュ公爵が支配するブルゴーニュ公国であったが、 その血筋が途絶えた後、1363年にヴァロワ王家のフィリップ・ル・アルディ (フィリップ豪胆公)がブルゴーニュ公爵となる。以降4代にわたるヴァロワ王家のブルゴーニュ公の時代に、公国はその版図を、北方のフランドル地方(現在のベルギー北部)やオランダにまで伸ばし、最盛期を迎える。本家のフランス王家をしのぐ財力と政治力を持った歴代のブルゴーニュ公は、公国の外交の材料としてブルゴーニュワインを活用する。 このために一流の品質をワインに求めた。 例えば、1395年には、フィリップ豪胆公がブルゴーニュにガメイ種を植えることを禁じた。これはコート・ドールの土地では、 ガメイ種は収穫量が多くなり、凡庸なワインしか生み出さなかったためである。ブルゴーニュワインは、フランドルの港から欧州中に輸出され、ブルゴーニュ公国のもとで知名度が拡大した。
1477年、ブルゴーニュ公国は、クランス王国との戦いに敗れ、フランス王国に併合され、繁栄の時代が終わる。フランス宮廷では、17世紀にルイ14世の主治医が、ブルゴーニュの古いワインを王に処方することを命じ、これを機にフランス宮廷でもブルゴーニュワインが流行する。また修道院の力が衰退するにつれ、有力な貴族が畑を取得していく。その代表例が、1760年のコンティ公ルイ・フランソワ・ド・ブルボンによる、後にロマネ・コンティと呼ばれる畑の取得である。
フランス革命により多くの畑が国有化され、その後、新興の富裕層を中心に売却された。以降、 ブルゴーニュの畑の所有者は、相続と売却が繰り返され細分化していく。1935年のA.O.C.法の制定時には、 それまで優良と認識されていた多くのクリマが、A.O.C.として認められた。ブルゴーニュの歴史を刻み、多様性を生み出してきたブルゴーニュのクリマは、2015年、ユネスコの世界遺産に登録された。
なおボージョレは、ブルゴーニュ公国の支配下にはなかった。モルゴンの村の西方にあるボージュー村の大領主ベラールが、後にボージューの聖堂参事会教会となる教会を10世紀に建設する。このボージューの村の名前が後にボージョレとなり、ベラールの子孫がボージョレの領主となっていくが、彼らはフランス王権の支配下にあった。このためボージョレの歴史や文化は、 ブルゴーニュ公国のものとは異なる。17世紀、現在のクリュ・デュ・ボージョレとその周辺のワインはパリへと輸送され、評価されていた。クリュ・デュ・ボージョレの大半はA.O.C.法が制定すると程なくして、A.O.C.として次々と認められた。
*1:明確に規定された区画で、自然条件により、そこで生まれたワインに特別な個性が与えられる土地。

■文化
ブルゴーニュ公国の首都として栄華を極めたディジョン市の中心には、ブルゴーニュ公宮殿の建物が残り、 当時の繁栄をしのばせる。 3代目のフィリップ善良公の官房長であったニコラ・ロランがボーヌに建てた慈善施療院「オテルデュー」の屋根の三色瓦は、フランドル地方から伝わったもので、人目を引く独特のものである。またこの地域には、 クュニィ会、シトー会の影響で、ロマネスク建築の教会も多く残されている。
ブルゴーニュ地域圏はコート・ドール、ソーヌ・エ・ロワール、ヨンヌ、ニエーヴルの4県で構成される(ボージョレのあるローヌ県は、ローヌ・アルプ地域圏に属する)。ワインはブルゴーニュ地域圏の主要な輸出産品である。その他に、 農産物加工業、治金、プラスチック成形加工などが輸出に強い。
2013年度のブルゴーニュワイン(ボージョレを除く)の販売量は1億8,500万本で、このうち輸出の比率は50%と、フランスのワイン産地の中で、輪出比率が最も高い。日本は、数量金額ともに第3位の市場である。
ブルゴーニュワイン業界は、3,900軒のドメーヌ、300軒のネゴシアン、17軒の協同組合で成り立っている(データ出典:ブルゴーニュワイン委員会、2013年度(2013/9-2014/8)実績)。

■気候風土
ヨンヌ県のオーセールの近隣に広がるシャブリ地区とグラン・オーセロワ地区。 少し離れてコート・ドール県のディジョンから南、約50kmにわたり細長く続く丘陵の斜面にコート・ド・ニュイとコート・ド・ボーヌ の地区が広がる。両地区を合わせてコート・ドール(黄金の丘)と呼ぶ。その南にはコート・シャロネーズ地区、マコネ地区と続く。この両地区はソーヌ・エ・ロワール県となるが県名のとおり、ヴォージュ山脈を水源とするソーヌ川の西側に産地が広がる。最も南にはボージョレ地区が広がり、大都市リヨンへと続く。リヨンでソーヌ川は、アルプスを水源とするローヌ川と合流する。
北緯約46度(ボージョレ)から48度(シャブリ)に位置し、夏は暑く、冬は寒い半大陸性気候である。南部のコート・シャロネーズ地区、マコネ地区やボージョレ地区は北部よりも温暖である。北部に位置するシャブリやコート・ドールは遅霜の被害を受ける危険がある。
ブルゴーニュー帯は、ジュラ紀(約2億年~1億5千万年前)には浅く、温かい海に覆われていた。ブルゴーニュ地方の土壌は、この時期の海洋性生物の死骸が堆積して出来た石灰岩が母岩となっている。
コート・ドールやコート・シャロネーズ地区の赤ワインは、ピノ・ノワールから造られる。ピノ・ノワールは冷たく適度に水分を保つ、粘土石灰質の土壌に向いている。一方、 マコネ地区とボージョレ地区の赤ワインは、 ガメイから造られる。ガメイは特に、ボージョレ北部の花崗岩質を好む。
また、ブルゴーニュの白ワインの主要品種はシャルドネで、ピノ・ノワール同様粘土石灰質の土壌に適している。
A.O.C.の数はフランスで最も多く、レジョナル(地方名)、コミュナル(村名)、さらにグラン・クリュ(特級畑)に分かれている。レジョナルがA.O.C.全体(*1)生産量の51%、コミュナル(プルミエ・クリュを含む)が47.5%、グラン・クリュが1.5%と頂点に立つ。
*1:ボージョレを除くブルゴーニュの全体の生産量、2010-2014年

■ワイン生産量
[ボージョレを除く5地区計]
(出典:ブルゴーニュワイン委員会 2010-2014年平均)
ワイン生産量1,400,000hℓ
(うち赤ロゼワイン29%、白ワイン61%、 クレマン・ド・ブルゴーニュ10%)
ブドウ栽培面積28,841ha

[ボージョレ地区]
(出典:ボージョレワイン委員会 2013年実績)
ワイン生産量695,385hℓ
プドウ栽培面積16,572ha
*ブルゴーニュで造られるワインのほぼすべてがA.O.C.ワインである。

■主要ブドウ品種

[白ブドウ)
Chardonnay シャルドネ 発芽が早く、熟期も早い。灰色カビ病やウドンコ病などに弱い。 シャブリやコート・ドール、 コート・シャロネーズ、マコネで栽培される。

Aligoté アリゴテ 発芽が早く、熟期も早い。ブルゴーニュの村名A.O.C.で唯一、ブーズロンがこの品種のみを認めており、 また発泡性のクレマン・ド・ブルゴーニュにも使われる。


[黒ブドウ]
Pinot Noir ピノ・ノワール 発芽が早く、熟期も早い。 灰色カビ病に弱い。ブルゴーニュの日当たりの良い粘土石灰質の土壌で、上質の赤ワインを生み出す。

Gamay ガメイ 発芽が早く、熟期も早い。多くの実をならす傾向にある。果汁が白いガメイ・ノワール・ア・ジュ・ブランは、 ボージョレの花崗岩質の土壌で、果実味豊かなワインを生み出す。
*ボージョレを除く5地区計では、シャルドネとピノ・ノワールが合計で、栽培面積の約80%を占める。

■地方料理と食材
Escargot à la Bourguignonne エスカルゴ・ア・ラ・ブルギニョンヌ (ブルゴーニュ風エスカルゴの殻焼き):シャブリ、 マコン (白)
Jambon Persillé ジャンボン・ペルシエ (ハムとパセリのゼリー寄せ): マコン(白)、ボージョレ
Cog au Vin コック・オー・ヴァン(雄鶏の赤ワイン煮):ジュヴレシャンベルタン
Beuf Bourguignon ブッフ・ブルギニョン (牛肉の赤ワイン煮):コート·ドールの赤
Euf en Meurette ウフ・アン・ムーレット(赤ワイン仕立てボーチドエッグ):コートドールの軽めの赤
Quenelle de Brochet クネル・ド・ブロッシェ(川かますのクネル):プイイ・フュイッセ

■ブルゴーニュ全域
ヨンヌ県、コートドール県、ソーヌ・エ・ロワール県、ローヌ県内の指定されたコミューン(市町村)で造ることができる。

■土壌
ボージョレを除くブルゴーニュ全域の95%が粘土石灰質の土壌である。シャブリやオーセロワ地域はキンメリッジ階やチトヌス階(以前はポートランド階と呼ばれていた)の石灰岩、コート・ドール地域はバジョース階やバス階、カローヴ階やオックスフォード階の石灰岩が母岩となり、ブドウ畑の表土には、さまざまな石灰岩や泥灰岩の石ころが見られる。ボージョレ地域は花崗岩質土壌が大部分を占める。

■主要なA.O.C.ワイン

Bourgogne ブルゴーニュ (赤、 ロゼ、 白)

Bourgogne Passe-Tout-Grains ブルゴーニュ・パストゥ・グラン (赤、ロゼ)

Bourgogne Aligoté ブルゴーニュ・アリゴテ (白)

Crémant de Bourgogne クレマン・ド・ブルゴーニュ ( 発砲ロゼ、発泡白)

Bourgogne Gamay ブルゴーニュ・ガメイ (赤)

Coteaux Bourguignons コトー・ブルギニヨン (赤、ロゼ、白)

ブルゴーニュ・ガメイとコトー・ブルギニヨンは2011年11月22日付の政令で新たに認められた。ブルゴーニュ・ガメイは、ボージョレの大部分がブルゴーニュA.O.C.を名乗れなくなった見返りに、 クリュ・デュ・ボージョレのA.O.C.の地域のみを対象とする。コトー・ブルギニヨンは、これまでのA.O.C.ブルゴーニュ・グラン・オルディネールに取って代わった。クレマン・ド・ブルゴーニュは瓶内二次発酵方式で造られるスパークリングワイン。


■シャブリ&グランオーセロワ地区
Chablis & Grand Auxerrois

ヨンヌ県の都市オーセールの近郊に広がる産地。ブルゴーニュ地方では最も北に位置する。シャブリ地区では、冷涼な気候と小さな牡蠣の化石を含む特徴的な土壌から、爽やかでミネラル豊かなシャルドネ種の白ワインが生まれ、不滅の名声を勝ち得ている。またオーセール近隣のグラン,オーセロワ地区にもA.O.C.の産地が広がる。


■ヨンヌ県のレジョナルのA.O.C.

Bourgogne Côtes d'Auxerre ブルゴーニュ・コート・ドーセール (赤、ロゼ、白)

Bourgogne Coulanges-La-Vineuse ブルゴーニュ・クーランジュ・ラ・ヴィヌーズ (赤、ロゼ、白)

Bourgogne Chitry ブルゴーニュ・シトリィ (赤、白、ロゼ)

Bourgogne Côte-Saint-Jacques ブルゴーニュー・コート・サン・ジャック (赤、ロゼ、白)

Bourgogne Epineuil ブルゴーニュ・エピヌイユ (赤、ロゼ)

Bourgogne Tonnerre ブルゴーニュ・トネール (白)


■シャブリ地区

スラン川をはさみ両岸にシャブリのブドウ畑が広がる。グラン・クリュは、シャブリの村を望むスラン川右岸の丘陵に広がる。プルミエ・クリュは、 この右岸のグラン・クリュを囲むように広がる畑と、対岸のスラン川左岸との両岸に位置する。シャブリ、プティ・シャブリがこれらを取り囲む。

■土壌
ジュラ紀後期のキンメリッジ階(約1億5570万年前~約1億5080万年前)の石灰岩と泥灰岩で、小さな牡蠣の化石を含んでいる。プティ・シャブリの畑は、同じくジュラ紀後期で、これより新しいチトヌス階(以前はポートランド階と呼ばれていた。約1億5080万年前~約1億4550万年前)の白く硬い石灰岩が含まれる。

■主要なA.O.C.ワイン
プティ・シャブリ、シャブリ、シャブリ・プルミエ・クリュ、シャブリ・グラン・クリュの4階層のA.O.C.に分類される:

[コミュナル、プルミエ・クリュ]

Petit Chablis プティ・シャブリ (白)

Chablis シャブリ (白)

Chablis Premier Cru シャブリ・プルミエ・クリュ (白)
スラン川の両岸に広がり、40クリマが指定されている。代表的なものは以下の
Montée de Tonnerre モンテ・ド・トネール
Mont de Milieu モン・ド・ミリュ
Vaillons ヴァイヨン
Fourchaume Mélinots
コート・ド・レッシェ
Montmains
Côte de Léchet
Beauroy
ヴォグロ
フルショム
メリノ
モンマン
ボーロワ
ヴォークーパン
レフルノー
Vaucoupin
Vosgros
Les Fourneauxts E
(掲載順は1986年11月17日付の政令に準ずる)
シャブリ・グラン・クリュ

[グランクリュ] Chablis Grand Cru(白)
スラン川の右岸、標高約100~250mの斜面に広がる。
比較的、急傾斜で、日照に恵まれている。合計約100haで、以下の7つのクリマがある。
ブランショ
Blanchot 12.68ha Bougros 15.07ha
ブーグロ
レ・クロ
グルヌイユ
Les Clos 25.87ha Grenouilles 9.38ha
ブルーズ
ヴァルミュール
Preuses 10.81ha Valmur 10.55ha
ヴォーデジール
Vaudésir 15.43ha
(掲載順は1938年1月13日付の政令に準ずる)
この中で、レ・クロは、 7つの中で最大面積を占める。 シトー会の修道士が最初に開拓した場所であり、その力強く、厳格なワインは長期熟成にも耐え、知名度も高い。一方、最も小さなグルヌイユは、斜面下部にあるため土壌の粘土分が強く、リッチで芳醇なワインを生み出す。
なお、ヴォーデジールとプルーズにまたがる「ムートンヌ」は政令上、シャブリ・グラン・クリュの畑名としては認められていないが、シトー会修道院が長く所有していた歴史的な畑であることから、この畑を単独で所有するアルベール・ビショー社傘下のドメーヌ ・ロン・デパキが、ラベルに「シャブリ・グランクリュ・ ムートンヌ」と記載することは認められている。

参考資料 日本ソムリエ協会教本、隔月刊誌Sommelier

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最後までお読み頂きありがとうございます。

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