
ロベール・ブレッソン【ラルジャン】|3つの味わい
裕福な家庭の少年が小遣いほしさに友人と偽札を使ったことから、巡り巡って罪もない男が悲惨な運命を辿ることになる。トルストイの「ニセ利札」を原作として映画化。
1
ロベール・ブレッソン監督作品【ラルジャン】には、無駄なカットは何ひとつなく、情緒のためのカットも間もない、そして音楽もありません。
必要だと思われるカットすらない。
ストイックに削除して語る展開に、映画の真髄のようなものが味わえます。
隅から隅まで全てが、映画的で完璧に美しい。
完璧なんて語弊があるかもしれませんが、完璧という言葉が似合います。
2
撮影のパスクァリーノ・デ・サンティスは、私の好きなキャメラマンです。
ルキノ・ヴィスコンティの作品なんかも、この人です。
映画的なフレーミング連続にハッとするばかりです。
ふいに入るクローズアップにもゾクゾクします。
3
内容的には、深い絶望を描ききっている作品なのですが、それなのに何もかもが絶望的とは、どうしても言えない世界を、こちらに示してきます。
ロベール・ブレッソンの映画からは、ダルデンヌ兄弟や北野武監督などの作品へ影響し、受け継がれているように感じます。
ブレッソン映画には、他にも傑作が多くあります。
全部観てないのですが、私は【スリ】という作品を思春期の頃に観て衝撃を受けました。
その話もまた触れられたらと思います。

予告編
映画の内容についてはこちら:allcinema(外部リンク)
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