
JRG【勝手にしやがれ】|奇跡的な映画
先日、ジャン・リュック・ゴダールの【勝手にしやがれ】を、京都みなみ会館で観ました。
今まで最も観た回数の多い作品のひとつですが、シアターでは初です。
シアターで観た【勝手にしやがれ】は、
今まで観たどの【勝手にしやがれ】よりも面白かったです。
劇場のスクリーンは偉大、もしくは神聖でもありますね。
【勝手にしやがれ】という映画は真似できません。
敢えて言うと【気狂いピエロ】は真似できる人がいても、【勝手にしやがれ】は二度と作れないような奇跡だと思います。
撮影のラウール・クタールは戦場カメラマンだったらしいですが、監督のゴダールから、パリの街の恋を戦場のように撮って欲しいと言われたそうです。
そんなクタールの手持ちキャメラによるざらついたスナップのようなカットの数々は、主演のベルモンドとセバーグのどこかおかしな感じのする軽快なお芝居を、目撃するかのように記録し、時を経ても色褪せない若々しさで満ちています。
カットの繋ぎ目は、まるで撃ち抜く音が聞こえてきそうなキレ味を随所に感じます。
そしてそれは、繋がりを無視して繋ぐジャンプカットの誕生でもありました。
物語がわからないとか、なんの話なのかわからないとか、そんなことよりも、このカットとカットの音がしそうな繋ぎ目の刺激は味わい深いです。
あと、ベルモンドとセバーグのいるパリの街の風景。
なにも理解しようとせずに、ただ画面を観ればいい、そんな映画だと思います。
【勝手にしやがれ】の味の深いところは、まだまだあると思いますが、このへんで。
映画の内容についてはコチラのリンクをどうぞ:Wikipedia(外部リンク)

予告編【勝手にしやがれ】【気狂いピエロ】
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