
トリュフォー【華氏451】 |3つの味わい
フランソワ・トリュフォーといえば、今まで3本だけ観たことありました。
【大人は判ってくれない】
【突然炎のごとく】
【アデルの恋の物語】
これらの作品も取り上げたいのですが、一旦置いといて…
先日観た、私にとって4本目のトリュフォー【華氏451】のことを記録しておきたいと思います。
まず、簡単に物語を引用します。
徹底した思想管理体制のもと、書物を読むことが禁じられた社会。禁止されている書物の捜索と焼却を任務とする「ファイアマン」のモンターグは、偶然出会った可憐な女性クラリスの影響で、本の存在を意識し始める。
①序盤のテンポが、流石トリュフォー
オープニングクレジットが、ナレーションで処理されていて、ゴダールの【軽蔑】などを思い出しました。
それから、本編に入るのですが、序盤の展開のテンポの良さ。
少々奇妙なカットもあるように感じましたが、見事な編集の切れ味です。
あっという間に観客を映画世界に巻き込んでしまいます。。
②ヒッチコック愛としか思えない音楽
そして、テーマ曲が流れると、ああこれはヒッチコックへの愛なのか思えるほど、ヒッチコック映画のノリがシンクロしてきます。
これがとても、気持ちいいんです。
そうして観ると、ブロンドの女優も、エレガントさも、どこかヒッチコックぽいかもなんて思えてきます。
*ただ、トリュフォーがヒッチコックについて綴った『定本 映画術 ヒッチコック/トリュフォー』という有名な本のイメージで、私がそのように感じてるからかもしれません。

③ジャック・タチを想起する街の風景
人々が戸口から出てくるモダンな住宅街や、消防車が走る街の俯瞰の画を観ると、ふいにジャック・タチ(を想起してしまいます。
そう考えると、この映画は、ジャック・タチ的なSFとブラックユーモアが参考にされているのではと感じました。
ジャック・タチは【ぼくの伯父さん】や【プレイタイム】などのモダンなコメディ映画を監督し、自ら出演したフランスの映画監督
キッチュな?「ファイアマン」のユニフォーム
主人公の職業である、本を焼却する「ファイアマン」のユニフォームが、とりあえず黒ずくめ。
最初は、なんだかレトロな映画のチームなコスチュームだと感じてましたが、ずっと観ていると、やがてキッチュにイカして観えてきました。
うーん、この映画、衣装もいいかも。

予告編*オリジナルの予告編ですので画質がリマスター版ではありません
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