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命を写すということ。

今まで自然や花ばかりを撮ってきた。

それは飾られた絵画のように、一番美しいと思っていたからだ。それに比べ野鳥はほとんど撮ったことがなかった。なんとなく、撮るのは難しいと思って敬遠していた。私はどちらかと言うと、じっくりと時間をかけて、ためらいながらも美しい場面を見つけたときにシャッターを切っていた。だから、あんなに素早く動くものは、いい写真にはならないと思っていた。いわば撮らず嫌い(?)だったのかもしれない。

でも、花の蜜に夢中になっているメジロをたまたま撮ったとき、はじめて気づいたことがある。

それは写真は命を写すということ。

花や木などは「静の命」と言えるのかもしれない。もちろんそれらも美しいけれど、野鳥などのいわば「動の命」は、また違った輝きがあると思った。じっくり時間をかけるものいい。でも、その一瞬の命の輝きは、構図や光や露出なんて、そんな細かいものは取っ払って、感覚にまかせる必要がある。

それはたぶん、この人生と同じことだろう。

大切なのは、時間でも設定でもなく、きっと、撮りたいという衝動だ。

ためらいを振り切ったとき、それはひとつの勇気になる。自分を成長させてくれる。それが生きる喜びにつながってゆくのだと思う。

気づけばカメラの連写機能を初めて使う私がいた。そして、いつしか夢中になってる自分に驚いた。なんて美しいのだろうかと。

こうして思うと、この世の美しさは無限にあるんだ。それを気づかせてくれる写真に出会えて本当によかったと心から思う。

これからも、「静」と「動」の命の輝きを撮り続けたいと私は思う。そして、ためらいではなく小さな勇気を重ねてゆく。そんな私を、これからは目指してゆきたいと思う。

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最後まで読んで下さってありがとうございます。大切なあなたの時間を使って共有できたこのひとときを、心から感謝いたします。 青木詠一