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心のさざなみと流れ星と。

あまりにも急に、誰かの心のさざなみに触れたとき、私の心にも風が吹いて、さざなみが起きたりすることがあります。

言葉の持つ不思議さを、いつも私は思っているのだけど、例えば誰かの小さな言葉に、心が傷ついたとしても、違う誰かの同じ言葉に、心にやさしい波が起きて、どこか救われてゆく。

たぶん、ひとつの言葉にも、その人独自の性格というか雰囲気を、まるで自分が育てたように形成され、誰かの心へと向うのでしょう。

そんなとき、人の心にさざなみが起きる。

小さな子供に言われた「ありがとう」と、大人に言われた「ありがとう」とでは、どこか大きく異なるように、その素直な心は、その素直な言葉として、この心にまっすぐに届く。

私たちが置き去りにしてきたものは、きっと、振り返るためのものではなくて、もう戻れない切なさを、思い知るためのものなのでしょう。

”あなたの言葉に傷つきました。”

あの人の言葉の後ろにあるその心が、こんな私を不安にさせた。たとえそれが、何気ない言葉の中にあったとしても、夜空を横切る流れ星のように、美しいもののようでいて、現実は灼熱の炎に包まれながら、あらゆるものを消してゆく。

時には破壊し炎をあげて
ひとつの森を灰にしながら。


流れゆく星が落ちてゆく。
心にさざなみが流れてくる。

最後まで読んで下さってありがとうございます。大切なあなたの時間を使って共有できたこのひとときを、心から感謝いたします。 青木詠一