天川栄人

小説家です。角川書店よりデビュー作『ノベルダムと本の虫』、角川ビーンズ文庫より『オリヴィアと薔薇狩りの剣』『天球の星使い』『花仙国伝』発売中。星と映画とパンが好き。noteには趣味の作品とかどうでもいいこととかを載せます。 Twitter @EightTenkawa

ストレイシープ・キャロル 第二章①

第二章・金持ち息子は光に弱い 「コンサート開始から十分」  スマホで時間をチェックしてから、千歳が実況中継みたいに言った。 「一色さん、何してるの?」  そして眉...

ストレイシープ・キャロル 第一章③

第一章・聖歌隊員は知りたがり 「遅いな、千歳」  本館一階、玄関ロビー。大きなクリスマスツリーの下に隠れるように立つあたしの横で、一色がイライラしながら腕時計を...

ストレイシープ・キャロル 第一章②

第一章・聖歌隊員は知りたがり  コンサート当日の夕方だというのに、まだ会場の準備も終わっていないらしい。  らしい、というのは、僕が準備には参加せず、礼拝堂の祭...

ストレイシープ・キャロル 第一章①

第一章・聖歌隊員は知りたがり  クリスマスの朝。  男はいつもよりずいぶん遅めに起き出し、アパートのキッチンでコーヒーを淹れると、新聞を読み始めた。地域面を見る...

ストレイシープ・キャロル 序章の三

序章の三・警察官とテロリスト 「信っじられない! この忙しいときにスリップだなんて!」  ある警察署の刑事課。  自分のデスクを勢いよく叩き、大声を上げたのは、警...

ストレイシープ・キャロル 序章の二②

序章の二・金持ち息子とテロリスト  セガレになら、話してもいいと思った。  別にセガレを信用してるわけじゃない。むしろ彼のお人よしぶりは気に入らないくらいだ。  ...