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#3 映画『命乞いコレクター』登場人物紹介

ログラインやらテーマやら書いといて、映画のジャンルを書き損ねていました。『命乞いコレクター』は実はバイオレンス・コメディです。

バイオレンスって部分は「命乞いを集める」という設定から察してもらえたでしょうが、そうなんです、コメディにしたいんです。僕の世代で言うと『パルプ・フィクション』とか、近年の作品で言うと『スリー・ビルボード』とか、そんなイメージです。

あぁ!自分の作品の人物紹介の前に名作の予告編を貼って無駄にハードルを上げてしまった(笑)

バイオレンスがバイオレンスだけじゃなくて、コメディにもなる得るかどうかって、キャラクターによるところが大きいような気がしています。残酷さのバリエーションで笑わせるのではなく「このキャラ」が「この状況」に立たされるからつい笑ってしまう。

で、キャラクターってただ奇抜にすれば面白くなるかというと、決してそうではない。そこで今回大事にしたいのは、古畑任三郎の台本を初めて読んだ田村正和さんの言葉:

古畑はリアリティはないけど、存在感はある。

ふに落ちる!なんてふに落ちるんだ!
確かに実際あんな警部補はいないでしょう、でも強く印象に残っている。再放送されるたびに視聴率が高い。現在キャストを変えてリブートしようとしてるくらい人気が衰えない。

この「リアリティはないけど、存在感はある」って『パルプ・フィクション』や『スリー・ビルボード』のキャラクターにも当てはまりませんか?よくよく考えると実際にはいないだろう、でもそんなことは関係ないくらいその存在を感じるし、覚えている。

流石にそろそろ紹介します。第1回に設定メインで紹介しましたが、改めてこの作品の主人公、ヌエです:

ヌエ02

ヌエ(ぬえ)30 代後半〜40 代前半

主人公。雇われの殺し屋。命乞いを集めている。本名は誰も知らない。
人殺しに飽きて、いつからか命乞い を強要し、書き溜めるようになった。 自分を驚かすことが出来る命乞いに出会えれば、そいつを逃がしてやろうと思っている。

ひょうひょうとしていて、何事も楽しんでいるように見えるが、心の奥底には揺るがないニヒリズムが息を潜めている。サイコパスではない。
何かしら拘りがあるようで人を殺す時はスーツを着る。髪は白い。
多額の報酬の使いみちに常に困っていて、燃やしたり、折り紙にしたりする。挙句の果てにチャイルドス ポンサーになる。

サンプル台詞
「差し支えなければ、あなたにはこれから、命乞いをしてもらいます」
「反省するにはいささか遅い!あなたはもう、名前も性別も生まれも育ちも学歴も仕事も夢も希望も絶望も一切関係ない、寿命およそ3分の領域にいます」
「この部屋のドアより、あの世のドアの方が近いよー」

お次はヒロイン。
殺し屋が出る映画のヒロインっていうと、なんかシュッとしてて、ナイフか何か投げそうなイメージありますよね。なので全然路線の違うヒロインを考えてます。飯室梓。訳あって殺しの現場でご飯を作ります(笑)

梓02

飯室梓(いいむろあずさ) 20 代後半〜30 代

ヌエの彼女。男運が悪い。料理が超絶下手。
ヌエが出掛けたがらないので、人を殺す時に無理矢理ついて行く。つまり、デートは殺人現場。その際めかし込む。
ヌエには、愛されているというより面白がられていて、それが薄々分かっているため度々不安に駆られる。努力家で、料理教室にも通っているが、一向に上達しない。
黒髪ストレートのスレンダー美人。不幸が似合う。しかし、その不幸にめげないコミカルさがある。

サンプル台詞
「マジックソルト使ってみたんだ けど、どう?」
「ついに言わせるのね。こんなこと言う女はみーんなまとめて空中分解しちゃえばいいと思ってたけ ど、やっぱあたしも女なんだね。 ......あたしと殺し、どっちが大事なのよ!?」
「そんなに違う、殺虫と殺人?」

殺しの現場でご飯を作ると、絶対証拠とか色々残って面倒なはずで、そこをめちゃくちゃ頑張る姿を描きたい。指紋が残らないように工夫したりとか。

次はヌエの部下。
ヌエは、多分スーツを汚したくないし、いたぶって殺すとかはあんまり趣味じゃないと思うんです。そこで、彼はそういう面倒くさいことを担当してくれる浜崎剛を雇っています。こちらが浜崎のイメージイラスト!ちなみに全てイラストはクリエイターのシーズン野田さん!

浜崎02

浜崎剛(はまさきたけし))20 代後半〜30 代

ヌエの部下。浪費癖が激しく、殺しの手伝いで得た報酬はパチンコに注ぎ込んでしまうため、着ぐるみのバイトをしている。
学歴のなさにコンプレックスを抱いており、その反動で哲学的な側面を持つヌエを尊敬している。
いたぶって殺す時など、浜崎の出番である。よく変な夢を見ては、その内容をヌエに話す。

サンプル台詞
(瀕死の男の口に耳を近づけて)「分かりません。虫の息っす」
「母ちゃんがへんな宗教にハマっちゃって金かかるんすわ」

さて、「命乞いを強要し、面白かったら助ける」という設定上、どうしても助かる人が必要です。ここが難しい。見る人全員を納得させる「助かる人物」なのか、殆どの人が「なんでこの人?」って思う方がいいのか。

僕の感覚では「クズが助かる方が面白い」と感じてます。
紹介しましょう。冨田幸次郎さんです。

冨田02

冨田幸次郎(とみたこうじろう)30代。

ダメ男。彼女が沢山いる。そのうちの一人がヤクザの女だったことから、知らないうちに命を狙われ、ヌエの前に連れてこられる。
何事も中途半端で、小説家を目指すと言ったり、ラッパーになると言ったり、やりたいことがコロコロ変わる。
基本ヒモ生活だが、迷惑メールを書くバイトをしている。どれもとても独創的な迷惑メールで、ネットで度々話題になっている。

サンプル台詞
「誰でも書けるもの書いてるうちにいつの間にか迷惑メール書くのが仕事になっちゃいました。ははは。どうです?クズでしょ? 俺が頑張って生きれば生きるほ ど迷惑メールが増えるんです」
(電話ボックスで)「あんなに女いんのに覚えてんのこの番号だけか...(つながって)もしもし母ちゃん。おれおれ。いや詐欺じゃねえよ」

最後に、この作品の中で一番リアリティがないのに、実在のモデルがいる人物を紹介しますね。冨田が本気で好きになる女性で「ゾンビになりたい」と本気で思っている江口日向子です。

ちひろ02

江口日向子(えぐちひなこ)20 代

冨田の彼女(の一人)。ゾンビに憧れて特殊メイクを勉強している。
部屋には自分で作ったゾンビマスクが沢山飾ってある。「ゾンビが好き」 を通り越して「ゾンビになりたい」と本気で思っている。
冨田のコロコロ変わる夢を全く気にしておらず、冨田にとってはそれが心地よい。天然というか不思議ちゃんというか、地に足がついていない雰囲気だが、特殊メイクの腕は確かである。
ゆるふわ。目が大きい。美人というよりは可愛く柔らかい。守りたくな ってしまう。

サンプル台詞
「あたしゾンビになってゾンビと結婚するのが夢だから」
「世界には 7 億人?70 億人?だかいるじゃない。一人と 1 秒過ごしたとして、全員に会うまで200年かかるんだって。200年もあったら会えそうでしょ?ゾンビの一人や二人」

以前特殊メイクを勉強している女性に出会ったことがあり、なぜこの道を選んだのか聞いところ「あたし、ゾンビになりたいんですよ!」と目をキラキラ輝かせて話してくれました。

掘り下げていくと、特殊メイクでゾンビになりたいんじゃなくて、体の中から本当にゾンビになりたいと。そして沼からグチョグチョ出てきたいと、そう熱弁してくれました。でもそれが叶わないから、夢を叶える一番近い方法として特殊メイクにたどり着いたそうです。

とまあ、こんな方たちがそれぞれの目的に向かって行きます。

次回予告

次回は企画書用に書いた「あらすじ」を公開します!
ご紹介した登場人物たちがどう絡んでいくのか、お楽しみに!

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