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SPIDERMAN:ACROSS THE SPIDER-VERSE / スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年6月16日劇場公開)

この物語の主役はスパイダーマンではなく、スパイダーマンの物語そのもの。

劇中では”カノン事象”という耳慣れない言葉で説明されています。要するにスパイダーマンの物語には欠かせないエピソード=事象を踏襲しなければスパイダーバースが崩壊するという斜め上の発想によるとんでもない映画。

その表現においてもアニメーションの限界というか、お約束を完全にぶち壊してる作画。とんでもないストーリーにはとんでもない技法が不可欠という訳です。

フラクタルという言葉を思い出します。全体を構成する要素が実は全体と同じ形状であるという状態。こんな哲学的なアプローチをアニメーションのエンターテインメント映画でやってしまっているのです。

そして、”運命なんてブッつぶせ。”という挑発的なコピー。唯一残念な点は本作は次作で完結ということ。なので評価は保留にせざるを得ませんが、間違いなく相当なレベルの映画です。


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