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無料動画分の本文~しあわせになるももたろう~

電子絵本師ルルシータです。

昨日YouTube動画にて「しあわせになるももたろう」の本文とイラストを

一部アップしました。今回その部分の本文をご紹介致します。

ちょっと長いかもしれません。

誕生から鬼ヶ島到着までです。

読書好きな方、活字好きな方にもオススメです。

ぜひ読んでみてくださいね。


ももたろうのお話は誰もがご存知ですが、

「しあわせになるももたろう」はそれとは

違う展開で進んで行きます。

どこが本来の物語とどう違うのか?

記憶を辿りながら

読み進めると楽しいかもしれません。


☆☆☆☆

第一部:誕生から出発まで

むかし むかし あるところに
じいさまと ばあさまが おったそうな

あるひのこと
じいさまは やまへ しばかりに 
ばあさまは かわへ せんたくに いったそうな

ばあさまが かわで せんたくをしていると 
かわかみから おおきなももが 
ゆらゆら ながれてきたそうな

どんぶらこっこ すここここ~ 
どんぶらこっこ すここここ~

すいめんを すべるように
それは それは ゆうがに ながれてきたそうな

「あんれまあ りっぱな ももだこと 
もちかえって じいさまと いっしょに 
 たべようかね」 

「うんまい ももっこさ こっちさ こいこい」
といって てまねきすると 
ももが ばあさまのところに 
すここここ~ とちかよって きたそうな

ばあさまは 「よっこらせい」
とももさ だきかかえて いえに もちかえったそうな

じいさまが やまから かえってくると 
ももを みせたそうな

「なんとまあ!りっぱなももじゃのう」
とじいさまは おおよろこび
ばあさまが ももを きろうとすると 
ももが ぱかりと 
ふたつにわれて なかから

「ほんぎゃあ ほんぎゃあ」
とげんきな おとこのこが うまれたそうな

「こりゃあ たまげたわい」とじいさま
ばあさまも びっくりぎょうてん

「ももから うまれたから ももたろうじゃ」
とふたりで なづけたそうな

じいさまと ばあさまは 
たいそう ももたろうを かわいがって 
だいじに だいじに そだてたそうな

ももからうまれた ももたろうは 
もりもり たべて おおきくなっていったそうな 

いっぱい たべると いっぱいぶん おおきくなり
にはい たべると にはいぶん おおきくなり
たべたぶん どんどん おおきくなったそうな

ももたろうは たっぷり ねるこで 
ねるこは そだつように 
ぐんぐん すくすく おおきくなり

もりもり たべたぶん ちからも ぐんぐんついて 
ちからもちに なったそうな

「ももたろう やまへ しばかりにいこうよ」
とむらの ともだちが さそいにくると

「ぼく わらじつくんなきゃ ならないから いけない」
とことわり すやすや ねていたそうな

そのつぎのひも ともだちが さそいにくるたび
「ぼく まさかり とがなきゃ ならないから いけない」
「ぼく たきぎ わらなきゃ ならないから いけない」
とことわりつづけ すやすや ねていたそうな

あるひのこと むらの ともだちが 
やまへ しばかりに さそいに きたとき
ついに ももたろうは すっくと たちあがり 
「ぼくも やまに いく」
といっしょに ついてきたそうな

やまへ つくと 
「ちょっと ねようかな」とももたろうは 
すやすや ねてしまったと

ゆうがたになり むらの ともだちが 
「ももたろう わしらは もう いえに かえるよ」
といいにくると 

ももたろうは すっくと おきあがり 
「よいやさっ」
とちかくに はえていた おおきな まつのきを 
ねっこごと ずぼっとぬいて かついで 
じいさまと ばあさまが かえりを まつ いえまで 
ずっしん ずっしん とあるいて もちかえったそうな
 

「じいさま ばあさま ただいま かえりました」とももたろう
「なんとまあ おっきな まつのき だこと」
じいさまと ばあさまは めを おおきくして おどろいたそうな 

「はて どこに おこうかしら 
あいにく ここには おくばしょが ないからねぇ」
とじいさま そのとき てを ぽんと たたいて 

「おお そうじゃ 
 そのまつのきで かわに はしを わたしてくれたら たすかるのう
 どうじゃ ももたろうや」

「うん じいさまの たのみなら ぼく やるよ」 
ももたろうは きように はしを ぱぱぱ とつくりあげたそうな 
そのうでまえ しょくにんのごとし だったそうな

「おお むこうぎしとの いききが 
らくになった らくになった ありがたい ありがたい」
とじいさま ばあさまと むらびとたちは おおよろこび
 
「ありがとう ももたろう」
みんな くちぐちに おれいを いうたそうな

「うん」とちょっぴり ほっぺを あかくして てれる ももたろう 

それいらい ももたろうは ちからもちで きようなことで 
たいそう ひょうばんを よび むらの みんなから 
いろいろな おねがいを もちかけられるように なったそうな

あるときは くりのきから くりのみ をおとすのを てつだってほしい
とおねがいされ おとくいの はりて いちげきで 
「はっ」と くりのみを いちもうだじん
いっしゅんで きから すべて おとします

みかんや かきや りんごのみも おとくいの はりて いちげきで 
「はっ」と きから みかんや かきや りんごのみが 
ほろほろと きから おちるわ おちるわ 
とれるわ とれるわ おおだすかり ほうさく ほうさく 

「ももたろうの おかげで ほうさくじゃわい おいしい おいしい 
 しあわせ しあわせ」じいさまも ばあさまも むらびとも おおよろこび

あるときは ももたろうが かわぎしで ひとたび かたあしを 
たかくあげ しこを「ふんっ」と どっすん ふめば 
かわにいる さかなたちが おどろき きぜつして 
どっさり すいめんに うかびあがる  
りょうしたちは それを かきあつめ 

「ももたろうの おかげで たいりょうじゃわい 
おいしい おいしい しあわせ しあわせ」
じいさまも ばあさまも りょうしたちも おおよろこび

あるときは さつまいもほりも あっというま 
ゆびさきで 「ほいっ」と ちょいと さつまいもの 
くきを つまみあげると わらわら すぽぽぽぽんっと 
さつまいもが どっさり どっさり たいりょうに とれたとさ 
むらびとたちは それを ひろい あつめたそうな 

「ももたろうの おかげで たいりょうじゃわい おいしい 
おいしい しあわせ しあわせ」
じいさまも ばあさまも むらびとたちも おおよろこび

あるときは こめだわらを はこぶのを 
てつだってほしいと おねがいされて 
こめだわらを いくつか 「ほいほい」とひょい ひょいと 
おてだまして はこんだそうな 

「ぼくは ちからもち こめだわらも おてのもの 
ほいほいほいほい ほほいのほい」
とうたいながら はこんだそうな

「ももたろうの おかげで たくさんあった こめだわらが 
あっというまに はこべた おおだすかり うれしい 
うれしい ありがたい ありがたい」
じいさまも ばあさまも むらびとたちも たいそう 
よろこんだそうな

そんな あるひのこと 
ももたろうが よわい とおに なったころ 
むらびとから みやこを あらす おにたちの はなしを
きいたそうな

むらびとに よると おにたちは 
ものを ぬすんだり みんなに らんぼうを するそうな 

そして むらびとから 
「ももたろうよ  おまえさん たいそう ちからもちだし 
きりょうも いいから 
おにたいじに いってくれないかい? みんなのために たのむよ」
とりょうてを あわせて たのまれたそうな

ももたろうは 
うんとこどっこい すっとんど 
うんとこどっこい すっとんど
ずいぶん かんがえたそうな

「おにたいじに いってほしいと たのまれちゃった 
 だけど ちょっとまって
 ほんとうに おにたちは わるいやつらなのかしら? 
 どんないでたちかしら? 
 もし ほんとうは いいおにたち だったらどうする?
 なかまになっちゃう? きになるなぁ 
 よお~し ぼく このめで しっかりと たしかめてみよう
 そうだ おにたちに あいにいってみよう」
 とけっしんしたそうな

「じいさま ばあさま ぼく おにたちに あいにいくよ 
 ばあさま きびだんご つくってくれる?」とももたろう
じいさまと ばあさまは えらく たまげたそうな 
そして ふたりかおを みあわせて しずかに うなずいたそうな

「おにたちに あいに いこうと おもって いるのね」とばあさま

「むらびとが ももたろうに おにたいじに いってほしいと 
 はなしてるのを きいたときから 
 こんなひが くるだろうと おもっていたよ 
 わしらが しんぱいして とめても 
 ももたろう おまえさんは もう いくきまんまんじゃろう?」
とじいさま

ももたろうは くちびるを いちもんじに きゅっと むすんで 
しずかに うなずいたそうな 
そのくろいひとみは しずかに かがやき けついに みちていたそうな

あくるひ ももたろうは 
ばあさまが たんと こしらえてくれた きびだんごを 
こしに つけて でかけたそうな

「ほな いってきます」とももたろう
「たっしゃでな きをつけてな」
とじいさまと ばあさまに みおくられて 
しゅっぱつしたそうな

ももたろうが もりの なかを ずんずん あるいていくと 
いぬが よってきて 
「くーん わんわん ももたろう ももたろう 
どちらまで いかれます?」

「ちょっと そこまで おにがしまへ おにに あいに」
とももたろう

「おこしのものは なんですか?」といぬ

「ばあさまとくせい きびだんごさ」とももたろう

「おいしそう ひとつ わたしに くださいな 
なかまになりましょう」といぬ

「うん はいどうぞ これさえ たべれば せんにんりきさ」
こうして いぬが なかまになったそうな


ももたろうが いぬと いっしょに もりのなかを ずんずん 
あるいていくと さるが よってきて
「うっきっき うっきっき ももたろう ももたろう どちらまで 
いかれます?」

「ちょっと そこまで おにがしまへ おにに あいに」
とももたろう

「おこしのものは なんですか?」とさる

「ばあさまとくせい きびだんごさ」とももたろう
 
「おいしそう ひとつ わたしに くださいな 
なかまになりましょう」とさる

「うん はいどうぞ これさえ たべれば せんにんりきさ」 
こうして さるが なかまになったそうな

ももたろうが いぬと さると いっしょに もりのなかを 
ずんずん あるいていくと きじが よってきて
「きぇっ きぇっ ももたろう ももたろう どちらまで 
いかれます?」

「ちょっと そこまで おにがしまへ おにに あいに」
とももたろう

「おこしのものは なんですか?」ときじ

「ばあさまとくせい きびだんごさ」とももたろう

「おいしそう ひとつ わたしに くださいな 
なかまになりましょう」ときじ

「うん はいどうぞ これさえ たべれば せんにんりきさ」
こうして きじが なかまになったそうな

ももたろうと いぬと さると きじは 
ばあさまとくせい きびだんごを たべながら
おにがしま めざして 
やまこえ たにこえ とうとう うみに でたそうな

ついに うみに でた ももたろういっこう

しおかぜ あびて なにを おもう

ふねに のり 
ももたろうと いぬと さると きじは おにがしまに むかって 

「ずんどこどっこい ほいさっさ ずんどこどっこい ほいさっさ 
 おにがしまの おにたちは はたして ほんとうに 
わるいやつらかしら? どんないでたちかしら? 
ほんとうは もしかして いいおにたちかしら? 
 ずんどこどっこい ほいさっさ ずんどこどっこい ほいさっさ」
とうたう ももたろう 

「よいやさ あ それ それ」
といぬと さると きじが あいのて ちょいちょい

たのしそうに うたいながら いっこうは       
うみを どんどん すすんで いったそうな

やがて おにがしまが みえてきたとき きじが
「きぇっ きぇっ ももたろう ももたろう 
おにがしまが みえてきたよ」
「うん そうね もうすぐ おにたちに あえるね 
わくわくするね」とももたろう

いぬ さる きじは ともに うなずき 
みんなの きたいは たかまるばかり


第二部:鬼ヶ島到着

ももたろういっこうは 
ついに おにがしまに とうちゃくしたそうな

いりぐちには おおきなもんが 
でんと そびえたっていたそうな
「うわ~ おっきいなあ」とももたろう
せきばらいを ひとつ こほんとして 
すぅっと いきを おおきくすって 

「ぼくは ももからうまれた ももたろう 
はるばる おにたちに あいにきたよ 
 もんを あけてちょうだい」
とおおきなこえで さけんだそうな

じゃが へんじは なくてのう 
あたりは しーんと しずまりかえって 
ももたろうの こえは こだますばかり
へんじがなくて ちょっぴり ざんねんそうな ももたろう 

それもそのはず 
おにがしまの おにたちは くもに くるまって 
おひるねのじかんだったからのう
すやすや ゆめごごち ねむっておったのじゃ

「うっきっき うっきっき ちょいと しつれい」
とさるは がんぺきを ひょい ひょいと かけのぼり 
もんの かぎを あけて とびらを ぎぎーっと あけたそうな

「うっきっき うっきっき はいどうぞ ももたろうさん 
おはいりに なってな」

「おさるさん ありがとう」
とちょっぴり うれしそうな ももたろう

おひるねちゅうの おにたちは 
もんが あくおとで めを さましたそうな

おにたちは みんな ねむそうに 
むっくり おきあがったそうな

ももたろうが もんを くぐってみると 
そこは よくていれされた いろとりどりの はなや 
おいしそうなかじつが たわわになった きぎで 
いっぱいだったそうな

ちょうちょうが ひらひら まい まるで きらきら かがやく 
とうげんきょう

あかおに あおおに みどりおに きいろおに ももおに 
いろいろな いろをした おにたちが いたそうな

つのが いっぽん 
つのが にほん はえて 
みみは つんと とんがり
ふわふわの かみ 
くろに しろの みずたまもようの ぱんつを はいていたそうな 
こうきしんの かたまりのような きらきらしためを 
していたそうな

おにたちは ねむいめを こすりながら 
ももたろうや いぬや さるや きじの すがたをみて

「むにゃ むにゃ 
 あっ きゃくじんだ きゃくじんだ 
 おやぶんに おしらせだ おしらせだ」
とてんやわんや だったそうな

「いま きゃくじんと いったよね」
とおにたちの かんげいむーどに 
ちょっぴり うれしそうに 
ほっぺを あかくする ももたろう
それを みまもる いぬと さると きじ

☆☆☆☆

以上です。

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