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理屈と屁理屈、ときどき理由

この前、母と話をしていた時に、こんなことを言われた。

「あなたの言っている事は屁理屈よ。論破したいだけじゃない。」

ふむ。屁理屈と理屈、理由、言い訳はどんな違いがあるのだろうか。早速ネット検索。屁理屈とは、論点をずらしてあたかも自分の論理を正当化されているように述べることだと言う。

そもそも論点が本当に連れているのだろうか?その時の状況を振り返ってみることにした。

私は母とその時「公務員の良さとは何か」について話していた。詳しい事は置いておくが私はとある国家資格を持っていて今、何不自由なく暮らせていると思う。公務員も、もちろんきちんとお給料がもらえて安定している分素晴らしい職業だと思う。

ただ母世代(60代)なると公務員こそ最高と言う思想が強いのではないだろうかと感じることが多々ある。そこで聞いてみたのだ。公務員とは何がいいのか母がそこまでいわゆる「公務員推し」な理由を聞いてみたのである。

だって、私と母は30年も40年も歳が違うのだから、公務員が良いと言う理由について私が知らないことを知っていることもあるだろうし、そこまで推しなのだ、もちろん私の母という側面を加味しても、おしえてもらいたいと思うのが普通だろう。

お給料が高い→これはどちらかと言えば安い方では無いだろうか。しかし、べらぼうに安いと言うわけでもないし、私が今もらっているお給料はある程度の金額が保障されている。なので日々のお給料に関しては公務員と大差ないと感じている。

次に社会的信用度だ。公務員の社会的信用度が高いこと、何かものを借りるマンションを買うなどそういった面での信用度で公務員がアドバンテージを持つのは納得がいく。ただ公務員じゃなかったとしても私はいわゆる大企業に勤める国家資格を持った会社員である。そこと大きな差は開くのだろうか。

さらに聞いてみた。年金が良い。そういうのである。私はその時お金について本当に何も知らなかったので、今ある知識をもとに考えて

「今の私たちの世代が年金を100%しっかりもらえるとは思えないのだけど。その中で年金が高いからと言う理由で公務員を選ぶのにメリットがあるのだろうか?」

ほかにもいろいろあったかもしれないが、まず大きな論点としてこの3つについて私の意見を述べたまでだった。だが、母的にはこれが屁理屈で論破しようとしている姿勢に見えたのだと言う。

私はこの母とのお話の中で公務員の良さがいっこうにわからなかった。でも、一般的に良いとされているのだから、何らかの理由があるのだろう。そこを、教えて欲しかったのだ。

わからないものは調べるしかない。知り合いのそういった類のことに詳しい人に聞いてみた。するとこういう風に言われたのだ。

「公務員は、退職金が良いんだよ。今、大企業はほとんどが確定拠出年金で企業が退職金を端積み立てていく形で成り立っている。これは景気によるしそんなに高くはない。公務員は退職金、お値段いくらと言う形で数千万単位の場合もあるんだよ。ただ、お金が決まっていたとしたらそれは物価と価値によるから本来なら、損をする場合もあるんだけれども(100万円の価値は10、20.30年後も100万円とは限らない)公務員は法律が味方についているからね。お金が決まっていたとして、それが物価に左右される事は実質ないって言う仕組みだよ。」

ほあああああああ!!!!

目から鱗である。多少違ったとしても、大枠こういうことなのだろう。そうだ、私はこういう違いを聞きたかったのである。だが、母からはこんな話は1ミリも出なかった。そうだ母はこの事実について知らないのだから。

正直、公務員がいいだとか、よくないだとか、トピックの是非はどうでも良いのだ。

ただなんとなく公務員は良いからと言う理由で他人(私)を納得させようとするのは自分の論理の正当性を他人に押し付けるまさに屁理屈だったのではないだろうかと私は思うのであった。