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「女らしさ」?「女子力」?

以前、Twitterでこのようなツイートをしました。

私が打ち破りたいタブーとしてそれらを一番にあげたのは、私がこれまで周りから「女はこうあるべき」というステレオタイプを押し付けられ、それに対して違和感を感じていたから。今回はそう感じるきっかけとなった2つの影響についてお話したいと思います。

元恋人の影響

私は中学生だった頃、恋人が求めたルールに縛られていました。覚えているだけで言うと「あぐらをかいてはいけない」「変顔をしてはいけない」「言葉遣いに気をつけなければいけない」などの複数のルールがありました。どれもルールの前には「女なんだから」という冠詞がついているように感じます。おそらく彼は私に女性らしい女性、彼女として恥ずかしくない女性でいてほしかったのだと思います。今考えれば馬鹿馬鹿しいルールだと思いますが、当時の私は恋人に嫌われたくないと思い忠実に従っていました。ですが、

「なぜ女性らしい女性にならなきゃいけないのか?」

「私は私のままではいけないのか?」

と当時でもとても葛藤がありました。恋人と別れてから数年後、久しぶりに話す機会があり当時の話をしました。そこで彼に「ルールがあってよかったでしょ」「俺のおかげでunaは女子らしくいれたじゃん」と言われました。別れた後は彼が求めた女らしさから抜け出し、自分らしく過ごしていたのでその言葉にとても腹が立ちましたが、その経験があったおかげで私は女らしくするということに違和感を感じることができたのでよかったのかなと思っています。

家族・友人の影響

私は料理、裁縫、片付けのいわゆる家事が苦手です。特に料理はつい最近まで避けてきました。コンプレックスだと感じています。たぶん、私のことを知る友人は「嘘だ」「意外」と言うかもしれません。事実言われたことがあります。なぜ私が家事が苦手だということを言うとそう思われるのか。自分で言うのもあれなのですが、おそらくしっかりしていると思われているから、女子力が高いと思われているからではないかと思います。

私は小さい頃からしっかりとした子になるように育てられてきました。保育園の頃から父に勉強を教えてもらったり、姿勢を正しくすること、綺麗な字を書くことなどを指導されたりしました。小学校高学年頃になると祖母に

「○○家の子どもなんだから、お父さんや叔父さんたちのように頭がいい高校に行かないとだめなんだよ」

と事あるごとに言われてきました。期待に応えたいと思い勉強を頑張り、結果として父と同じ高校に入学することができました。ですが、勉強は頑張れても家事だけはどうしても苦手でした。そんな私に、母や祖母は

「料理もできないなんてお嫁さんにもらってもらえないよ。」

「女の子なんだから。」

と言いました。そういったことを何度も言われ家事が苦手だということがコンプレックスでもあり、「どうしてお嫁さんにもらってもらうために頑張らなきゃいけないのか」「家事が苦手だったら女じゃないのか」と疑問をもつようになります。家事は生活するのに必要だし、できるなら得意になりたいと思っていました。大学進学を機に親元を離れ一人暮らしを始め、現在苦手ながらではありますが生活できていて、家事に対して前ほど苦手意識は感じなくなっています。(野菜を切るのはいまだに苦手ですが)

私は『女子力』という言葉が嫌いなのにも関わらず、友人からよく「女子力が高いね」と言われます。ティッシュカバーをつけてポケットティッシュを持ち歩いていると女子力。絆創膏を持っていても女子力。そういうことが積み重なって私は「女子力が高い子」と思われているのかなと思います。それに「しっかりとした子」というイメージもあれば、先ほどあげた私が家事が苦手だということは周りの友人にとっては意外だと思われてしまうのかもしれません。料理好きの男性が料理にこだわっていると「女子力高いね」と言われるという話はよく聞きます。私は料理が苦手なので、男性であれ料理が得意なことはうらやましいし、料理を習いたいです。『女子力=女子らしい行動、女子ならできていてほしいこと』『家事=女性がするもの』という考えは今の時代にはふさわしくないです。何より「女子力高い」の裏には男性へのモテを意識していると思われていそうで私は苦手なんです。


私が女子力が高いと周りから思われている行動は、女子力が高いと思われたいためでも、モテを意識しているわけでもなく、自分のためにしています。自分が便利だと感じるからティッシュカバーをつけてポケットティッシュを持ち歩くし、自分が必要な時に使えるように絆創膏を携帯しています。それを『女子力』という周りの判断による言葉に当てはめてほしくないんです。私はこれまで、女性だという理由で差別を受けたことはないと思っています。ですが、「女なんだから」「女子力高いね」といった言葉に違和感を感じ、チクチクと心に残っていることは、差別と言えるような大きいことではないかもしれないですが、私にとっては嫌な言葉です。この文章を通して、ただ何気なしに言ったことが相手にとっては嫌だなと感じることもあると知っていただけたら嬉しいです。

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