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看取り そして 旅立ち

訪問看護の仕事で、
関わらせていただいていた
Hさんが
今朝 旅立たれたと
連絡がありました。

Hさん(女性)は、
施設に入所されており
ターミナル期になり
私たちの訪問看護ステーションで
訪問看護に行かせて
いただくように
なりました。

Hさんには、
息子さんと娘さんが
いらっしゃいましたが

お母さんの時間が
残り少ないという
現実を
なかなか
受け入れられない
ご様子でした。

具合が悪くなるにつれ
このまま、施設に居て
いいのだろうか?

自宅へ連れて帰ったほうが
良いのだろうか?

でも、それはそれで
大変なこと・・・

いろいろ迷って
おられたご様子でした。


施設の方や、担当の先生とも
何度も何度も
話し合いをもたれていました。


そして、
いよいよ
残り時間が僅かに
なってきたとき

「ご自宅へ連れて帰ろう」
ということになったようです

昨日の午前中
私が訪問した際は
すでに 意識もほとんどない
危篤状態でした。

このまま、ここ(施設)で
看取りになるのだろうと
思っていると

娘さんが
「これから、家に連れて帰ります」
と言われました。

わたしは 驚きました。
「この状態で、家に連れて帰る?!」

医療的に見て
この状態で 動かすのは非常に危険!!

搬送途中に 
もしものことが起こっても
不思議ではない状態でした。

ご家族が迷われていたのは
知っていましたが、
正直 驚きました。


「昨日ね、お母さんに うちへ帰る?」
って聞くと
「うん」って、縦に首を振るんです

「このまま、施設にいる?」
って聞くと
「ううん」って、首を横に振るんですよ

お母さんは、家が大好きで
デイサービスに行っても
「どうだった?」って聞くと
「家が良い」って言うんですよ

どこへ行っても
「家が良い」って・・・

だから、もし途中で何かあってもいいから

最期は
家に連れて帰ってあげたいんです‼」

娘さんの お母さんに対する想いが
痛いほど 伝わってきました。

わたしは
自宅に帰ってからの
処置の方法などをお伝えしました。

その後、
無事にご自宅へ帰られたとの
連絡をもらい

午後からは
Hさんのご自宅へ
訪問しました。

Hさんのベッドの横には
ご主人のお仏壇が置かれていました。

「今までは、(仏壇は)ここに置いてなかったんだけどね」
「お母さん、お父さんのこと 大好きだったもんね」
と娘さん・・・

Hさんは、すでに
意識はありませんでしたが
大好きなご自宅で
大好きなご家族に見守られ、
大好きな ご主人に迎えられ
とっても 幸せだったと思います


いつも、
訪問の最後に
「Hさん また来ますね」
とあいさつすると

小さな声で
「ありがとう」

といってくれた
Hさん


大好きな
ご主人と 
末永くお幸せに・・・

お疲れさまでした。

ターミナル期


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