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世の中を変えた少女たち(北欧カタログ06)

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 わたし、シャルロッタ。
 ABCガールズ(Amalia・Beata・Charlotta・Dora・Emma)の1人です。

 1958年、リサ・ラーソンがわたしたちをデザインしました。ブックエンド用に作られたのですが、フィギュリン(陶製の人形)として人気が出たんです。

 ABCガールズが愛されたのには2つの理由がありました。

本を読んじゃダメなの?

 1つめの理由は《読書》。
 ひざを立てたり、足を投げ出したり、寝ころんだり。フィギュリンたちは思い思いの姿勢で読書を楽しんでいます。

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 リサの長男マティアス・ラーソンとルーヴェ・イョンソンが執筆した『北欧を愛するすべての人へ リサ・ラーソン展』には、次のように書かれています。

着目したいのは、少女たちが本を読みふけっているということ。というのも、当時のスウェーデンでは、女性が読書することは批判的な目で見られていて、もっと役に立つことをするべきだと考えられていたからです。

 びっくりです。
 女性が本を読むだけで眉をひそめられていたなんて。

リサは、昔ながらの偏狭な見方をマイルドな皮肉で批判し、装飾的な表現で伝えたおかげで、スウェーデンの家庭に広く普及しました。

 ABCガールズは社会の偏見に風穴をあけるきっかけのひとつになりました。ほんの60年前のできごとです。

ぽっちゃりじゃダメなの?

 愛された2つめの理由は《体型》です。
 足が太く、ウエストがくびれていないABCガールズは、1950年代のハリウッド映画で人気だった女優さんたちとは正反対の体型でした。

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 マリリンのような「砂時計体型」の女性がもてはやされていた、男性中心の世の中にリサはあえてふっくらしたABCガールスを発表したのです。
 なぜ、ふくよかな体型にこだわったのでしょう。その理由のひとつがこちらのヴィーナスといわれています。

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 1908年にオーストリアのヴィレンドルフ付近で発掘された、地母神のような小さな石像は、リサの創作に大きなインスピレーションを与えました。

「女性らしさって何?」
「ありのままの自分でいいのよ」
「好きなだけ本を読みなさい」

 フィギュリンたちのささやきを聞きながら育ったスウェーデンの少女たちは、おとなになって社会を変えました。今や大臣も国会議員も半数は女性。世界で最も男女平等の進んだ国のひとつになっています。


シャルロッタが360°見られる動画をコグマスのPinterestで公開しています:

[参考文献]
『北欧を愛するすべての人へ リサ・ラーソン展』(大和書房)
『Lisa Larson Keramiker』Mårta Holkers著


『はにケンさん』第4話予告
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スマートフォンで読む《縦に長い絵本》を2015年8月からnoteなどで連載しています。代表作は『ノオトくん』(全70話)と『カナシベリー』(全13話)。モバイルの小窓の向こうに広がる世界をお楽しみください。 https://www.makitakashi.com
コメント (2)
安定感のある女性、とっても魅力的です。色合いも、落ち着いた雰囲気で、デスクに置くにはぴったり。私は、田舎の島で拾った小石を文鎮がわりに使用していていますが、それにアクリル絵の具で「寝こんだ女性」を描いたら、おもしろそう。
ミチさんの画風で小石に描いたら面白そうですね♪ ぜひ(^_^)
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