見出し画像

「たくさん失敗しなさい」わたしが地域に溶け込み、暮らしながら経験したこと|インターンレポート

EFC Inc.公式note「 #くらすように遊ぶマガジン 」は、私たちとともに遊び、はたらき、くらしている仲間たちの「生き方」を紹介する「ライフスタイルマガジン」です。
このマガジンを通して、読者のみなさんがこれからの生き方や「豊かなくらし」について考え、アクションを起こすきっかけにしていただけたら幸いです。
▶︎ https://note.com/efc_hokkaido/m/m4c083103d0e9

今回は、2022年9月からの約1カ月間、EFC Inc.に学生インターンとして関わり、上川町で生活しながら、交流&コワーキングスペースPORTOで働いてくれたありささんにインターン体験レポートを書いていただきました!
ありささんは行動力と持ち前の愛嬌でたくさんの町民と仲良くなり、たくさんの思い出を作ってくれました。

自己紹介

みなさん、はじめまして!
(株)Earth Friends Campで学生インターンをしていました、竹村有紗(たけむら ありさ)です!
紅葉が美しい9月から10月上旬まで、北海道上川町にある交流&コワーキングスペースPORTOのスタッフとして働かせていただきました。

わたしは名古屋の大学4年生で、現在は休学をしています。
コロナ禍を経て直接人と顔を合わせる機会や、何気なく生まれる会話の大切さを感じたことから、人がゆるやかに繋がれる居場所に関心をもつようになり、社会学的な観点から学びを深めるため、日本各地を1週間から1ヶ月ほど滞在するなどして過ごしています。

好きな食べ物はあんぱん、趣味はライブハウスに行くことです!
それでは、よろしくお願いします!笑

上川町・PORTOとの出会い

今回私が上川町へいくことになったのは、地方創生を中心としたインターンを調べていたときに、上川町の事例を見つけたことがきっかけです。
始めて上川町の情報を見つけたときは「そうなんだ~」という程度でしたが、1ヶ月ほど経ってから今後の休学生活の過ごし方を考えていたときにふと思いだし、「上川町」と検索。

そこでたどり着いたのがカミカワークプロジェクトのサイトでした。

魅せ方がとてもかっこよくてワクワクして、この上川町にはどんな人がどんな想いで集まって活動しているのか興味がわきました。
当時はいつか地域に根ざした働き方をしたいと考えていたので、協力隊のインターンに参加したいと思いましたが、もう少し外からの目線で上川町や協力隊について知れるといいなと考えて、別の方法で行けないか考えるようになりました。

調べていくうちに見つけたのが交流&コワーキングスペース「PORTO」。
地域の居場所や交流スペースに関心があったことも相まって「ここで働いてみたい!」と直感的に思いました。

しかし、求人を見る限り長期の募集。学生のわたしには難しそうだ…と諦めていたところ、のちにとってもお世話になるばりさん(EFC Inc.代表:絹張蝦夷丸さん)の学生インターン募集ツイートを発見。「これだー!」と思い、すぐにDMを送りました。
翌日にはオンラインでの面談をして、一週間後の上川行きが決定し、飛行機のチケットもとっていました。

知らない町に、たったひとり

そんなこんなで突然始まった上川町での日々。それまで縁もゆかりもなかった町にたった一人で飛び込んだので、はじめはとても心細かったです。
名古屋から突然やってきた見知らぬ学生を受け入れてもらえるのだろうか…と不安になったことを覚えています。

でも、そんな不安や心細さが一瞬で消えるくらい、みなさんこころよく迎え入れてくださいました。
「そもそも、外の人・中の人という区別をみんなしてないよ」と言われたことが印象に残っています。もとを辿れば移住してきた人たちが多く暮らしている土地柄だからこそ、そのような雰囲気があるのかもしれません。
誘っていただいた集まりに足を運んでいるうちに、だんだんと顔見知りの方が増えていきました。互いに存在を知っている人がいる、そう思うとなんだか安心感を覚えた記憶があります。
知り合った人とすれちがって挨拶を交わすたびに、なんだか町に少しずつ溶け込んでいく感覚がありました。

上川の暮らしを愉しむ

住まいはEFCが運営する女性専用シェアハウス。家具など必要なものはほとんど揃っていてとても助かりました。
お部屋のシンプルな白い壁には北海道で見つけたポストカードなどを貼り、自分らしさを出して心が落ち着く空間になるよう工夫していました。
また、これまで壊滅的に料理ができなかったわたしですが、ここにきて料理にハマります。短期滞在なのであまり食料を購入せず、少ない調味料と材料でいかに美味しいものを作るか考えるのが毎日の楽しみになっていました。
100均やファストフード店があったら、部屋の飾り付けや料理も、すぐに買って満足していたと思います。
なんでもすぐに手に入れることができない環境だからこそ、どんどん自分のクリエイティブさが磨かれている感覚がありました。町のみなさんが家庭菜園をしていたり、スピーカーや棚を自作したりしていて、すごくクリエイティブだった理由がなんだか分かったような気がしました。

身近にある大自然

わたしの上川お気に入りスポットは、町の中心にある跨線橋。
壮大な山々が連なる大雪山を眺められるところが好きです。

上川のいいところは、ふらっと遊びにいくように大自然を楽しめるところ。ちょうど紅葉シーズンで、恵まれた天気のもと高原沼めぐりや黒岳を登山することができました。登頂したときの感動は忘れられません…!
初めての登山でしたが、周りにアウトドアが好きな方が多かったので、山のことを一から教えてくださり安心して楽しめました。

PORTOで働いてみて

PORTOには、毎日町内外からいろいろな方が訪れます。そのため、人との関わりが一気に広がりました。
最初は「はじめまして!」の連続でしたが、数日後には「〇〇さん、こんにちは!」と名前とともにお声がけできるように。
PORTOを通じて知り合ったみなさんは本当に優しく、とても親切にしてくださいました。休みの日に上川町を案内してくださったり、車がなくて遠方に行けず困っているときは送ってくださったり…。
1番印象に残っているのは、下山したあとに寄ってくださった方とお話していて「黒岳に登ってみたいんです~!」と言ったら、連れていってくださったことです!人と人が交わって繋がるPORTOのよさを実感した出来事でした。

働くうえで意識していたことは、訪れた方の目的に寄り添うことです。
PORTOはすべての人にひらかれた空間です。そのため、訪れる方の目的はひとりひとり異なります。ちょっとおしゃべりをしにきた人、しずかに本を読みたい人、ボードゲームをしにきた人、作業に集中したい人、悩みを聞いてほしい人、なんとなく気になって来てみた人…。
訪れた方の空気感を読みとって関わり方を対応させることは、ときに難しく感じることもありました。
一度、私の対応によって、お客様を残念な気持ちにさせてしまったことがあります。けれど、そのお客様は改めてPORTOに来てくださり「あなたは何も悪くないのよ、でもね、ただお話を聞いてほしかっただけだったんです」と本音を伝えてくれました。
そして、ゆっくりお話しを聞いているうちに笑顔になって、帰り際「またくるわね」と言ってくださったんです。
ひとりひとりに100%寄り添うことは難しいですが、それでもできる限りお客様それぞれに合わせたパーソナルなコミュニケーションをとれるところがPORTOのよさかもしれません。

ポルトキッズマルシェ

 インターンの期間を通して、「ポルトキッズマルシェ」というイベントを企画しました。もともと自ら何かを企画することに苦手意識があったわたしですが、せっかくならチャレンジだ!とやらせていただくことに。
ひと通り自分なりに動いてみて「うまくいかない!!」に何度も直面。「やって意味があるのかな…」とへこたれていたとき「やることに価値があるよ!絶対やったほうがいい!」と喝をいれてもらい、ギリギリでなんとか決まった企画が「ポルトキッズマルシェ」でした。

 「ポルトキッズマルシェ」はこどもたちがビーズブレスレットを作るところから売るところまで挑戦する参加型イベント。ブレスレットを作る準備の日を迎えると、4人のこどもたちが来てくれました。
はじめは好きなように作っていたのですが、「大人はどんなものをつけたいかな…」と次第に買ってくれる人のことを想像して作るように。
集中力が切れてときどき外へ遊びにいったり、ビーズを床一面に落としてしまったりしながらも、なんとか20個のブレスレットが完成しました。

 そうして迎えたブレスレット販売の当日。お客さん来てくれるかな…という心配とはうらはらに、たくさんの方が足を運んでくれました。
買いに来てくれたひとりの子が、「わたしもやりたい!」と言ってくれて急遽参加することに。その子の「やりたい」を引き出す機会を作れた気がして嬉しかったです。
こどもたちが「この色お似合いだと思いますよ~!」「キーホルダーにもなりますよ~!」と一生懸命接客をして、無事にブレスレットは完売。「楽しかった~!またやって~!」と言ってくれたことが本当に嬉しかったです。公園にかけていくこどもたちを見届けて、イベントは幕を閉じました。

 はじめて一から企画させてもらったこのイベントですが、わたしだけではできなかったと思います。バタバタ溺れながら危なっかしく進むわたしを見守りながら助けてくださったみなさんがいて、できたことでした。そして、それでも「ありさちゃんのがんばりだよ」と言ってくださるみなさんの優しさに感謝でいっぱいです。

キキのようなわたしと上川町

「PORTOスタッフには魔女の宅急便に出てくるパン屋のオソノさんみたいな人がいいよね」と聞いていたのですが、わたしはどう考えてもオソノさんではなくキキでした(笑)。
故郷を離れて自分で決めた知らない町で暮らし、その町の人と関わり合いながら成長していく…。まさにキキ(笑)。町の人にたくさん助けてもらいました。

いろいろあって落ち込んでいたとき、仲良くなった町の人からこんなことを言ってもらいました。

「あなたは、経験が足りない。もっとたくさんの人に出会ってたくさんの経験をしなさい。失敗したな〜をたくさんたくさん経験しなさい。それが今できることだよ」

上川で過ごした日々のように、これからもたくさんの人に会ってたくさん失敗をしていきたいです。そして、いつかオソノさんみたいな頼れる人になってまた上川を訪れたいです。

ライター/竹村有紗
編集/絹張蝦夷丸(EFC Inc.)
カバーデザイン/梶日菜子(EFC Inc.)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?