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PFAS問題は、がんばれ共産党。

大前提として、共産党なんて大きらい。左翼もきらいだし、共産主義もどうかと思うし、マルクス主義者もどうかしてると思うわけだが、時折応援したくなる案件もある。それが、共産党が対策委員会まで立ち上げた「PFAS(ピーファス)」の件だ。

なんだそれ、って思われるかもしれないが。わけあって大きく扱われるニュースでもなく、大手メディアでは埋もれるタイプの順位の低いニュースである。

PFAS(ピーファス)とは、有機フッ素化合物の総称で、PFOSとかPFOAとかPFHxSとか約12,000種類あるので詳細は割愛する。要するに、水汚染や人体への影響が問題視されている物質のことだ。フッ素製品、つまり身近なところではフライパン。目に見えやすいところでは、火災を止める消火剤。最近増えているといえば、半導体工場など、フッ素あるところにピーファスは使われておる。

誤解してほしくないのは、フッ素加工されたフライパンに害があるわけではない。あくまでも河川や地下水を調べて検出されたピーファスがやばいというだけ。川からピーファスという発がん性物質が出たぞ、それが飲料水に紛れてるぞ、その川で暮らした魚を食べると大変だぞ、ということ。

これ、環境省が調査してて、令和3年度の調査では、13都府県の81地点で高い濃度のピーファスが検出。令和4年度の調査は、16都府県の111地点で国の値を超えて検出。調査範囲も広がってるわけなんだけど、じわりと「PFAS」のヤバさも広まってきている。

聞いたことねえなあ、と思うのも当然。問題は局所的で、問題にするのは地元だけだ。とくに神奈川は敏感だ。そうだよね神奈川の人。

2020年度の調査で、相模原市東部を流れる道保川から高濃度で検出。市が翌年度から調査を開始し、中央区南橋本の地点で1リットル当たり約1500ナノグラムのPFASを検出。

令和4年度の調査で最もやばかったのが、大阪・摂津市の地下水で2万1000ナノグラム。次が大阪・摂津市の河川で2200ナノグラム。3番目が沖縄県嘉手納町の地下水で2100ナノグラム。大阪が沖縄の10倍やばいわけだ。

共産党は、米軍のそばで消泡剤が使われているから、神奈川や沖縄や東京の多摩地区でピーファスがたくさん検出されるのだ、と主張する。米軍が燃料タンクを消火したり、火災が起きたら消火したり、消化訓練でも泡消化剤が使われるので、検出されるのも当たり前だろう。アメリカは情報を開示せよ、と共産党が粘着したくなるのもわかるんだけど、事は米軍だけでなく全国に広がっている。

で、大阪摂津市のピーファスは、なぜこんなに桁違いなのか、という件に戻るんだけど。どうやら、摂津市は、ダイキンの城下町だということが関係してるっぽい。大阪1000人の血液検査の結果、淀川製作所工場で働いていた人から極めて高いPFOAが検出され、摂津市の住民は相対的にPFOA濃度が高いことが確認された。が、関連性ははっきりと確認されていないので、めったなことは言わない。

NHKが全国マップを公開しているが。

なんで、こんなところで、と思うところが高い。米軍のせいだ。化学工場のせいだ。と、各地でそれぞれ発生源が指摘されていて、統一性はない。岡山県の浄水場では長年放置していた活性炭のせいだ、とか言われるところ見ると、現地それぞれの汚染理由がありそうだ。

米軍の駐屯所からPFASが、大手企業からPFASが、なんてことだとしたら、米軍に物言えぬ政権与党や企業から支援受けてる野党には指摘しにくい事案である。こんな件こそ、弱者の味方、共産党の出番である。与党批判に終始せず、問題解決のためにエビデンスを積み上げてってほしいもんだ。きらいだけど、がんばれ。

半導体に欠かせない物質だから、熊本のTSMCとか、北海道のラピダスは、大丈夫なんだろうか、と素人目線で心配してる。この件に関しては、利害関係のなさげな共産党に期待するしかない。あとは心ある市民団体か。利権にはむかえる骨のある地方紙だろう。でも、あるのかね、そんな地方紙。

さて、きょうの音楽は、ケミカルブラザーズで「The Salmon Dance」。ピーファスは、人体や環境中に長く残る「フォーエバーケミカル」と呼ばれているらしいからね。


「水と生きる」という企業理念を掲げる企業がある。本来なら、水と生きるなんて当たり前のことだ。いつもこのコピーを見るたび、これをいつまでも言わねばならぬ時代とはなんなのか、と考えさせられたりする。まあ、中国に比べればマシなんだろうけど。

めったに言わないから、最後にもう一度いっておこう。

がんばれ共産党。

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