見出し画像

<サピエンス全史が僕に教えてくれたこと>

サピエンス全史読み終わりました。時間かかった、、1回目は上巻で挫折したけど、もう一度読み直して読了。個人的には、上巻<下巻。圧倒的に下巻が面白かった。以下、簡単に述べていきます。

大きく学んだのは以下2点でした。

1、人類の歴史は虚構の創造と連続

2、虚構の中で生きる僕らの幸せとは。

>人類の歴史は虚構の創造と連続

上巻で認知革命という第1の革命が説明される。虚構を通じてホモサピエンスは地球上の生命で頂点に立った。

”わたしたちの言語が持つ比類ない特徴は、まったく存在しないものについて情報を伝達する能力だ。”

 この能力が、ホモサピエンス同士の協力を可能にし、地球上の生命体と決定的な差異と著者は述べる。そして、人類の歴史と世界はこの虚構を創造する能力によって形作られてきた。あらゆる宗教、貨幣、会社、国家、そしてイデオロギーが虚構の産物である。上巻はそれが切り口を変えた形で、農業革命によって虚構が強化されたとか、貨幣の歴史等が述べられている。

そして、今僕たちが生きる世界(資本主義、消費主義、国民国家)も虚構の産物だと述べられる下巻から本書が一気に具体性を帯び始める。特に興味深いのは、第19章「文明は人間を幸福したのか」の章。

資本主義、民主主義は明らかに人類に平和をもたらした。乳幼児の致死率は格段に下がり、戦争犯罪による死亡者は減少した。だから、僕ら人類は進歩している、幸福になっていると、資本主義や民主主義は思わせる。

だけど、僕ら、サピエンスはその虚構の実現のためにどれだけの少数民族(アボリジニ等)を迫害し、どれだけの牛、豚、鶏を犠牲にしているのか、そのことを認識している人類はきっと少ない。僕らサピエンスがこれだけ拡大し、発展したことは、地球の視点に立った時に本当に正解だったのか、とこの本は、僕らサピエンスに投げかけてくる。


2、虚構の中で生きる僕らの幸せとは。

ハラリさんは、こう投げかけてくる。

歴史書のほとんどは、偉大な思想家の考えや、戦士たちの勇敢さ、ー芸術家の創造性に注目する。ー社会構造の形成と解体、テクノロジーの発見と伝播についても、語るべきことが多々ある。だが、彼らはそれが各人の幸せや苦しみにどのように影響を与えたのかについては、何一つ言及していない。これは、人類の歴史理解にとって最大の欠落と言える。私たちは、この欠落を埋める努力を始めるべきだろう。

ホモサピエンスは偉大な歴史を成し遂げてきたと僕らは思う。フランス革命で基本的人権と民主主義を獲得した、ガンジーはインドの独立を導いた。ただ、それを実現した本人たち、そして人類は”本当に幸せだったのか”そして、”本当に幸せになったのか”。

そして、民主主義、資本主義、国民主義という虚構の中で生きる、”あなたは今幸せですか”と、この本は僕らに問いかけてくる。昇給、昇格ために睡眠を削って働く自分、成果を出すために残業する自分。それは当然、自分や家族の幸せのためだ。でもその行動が資本主義という虚構の中で生み出された行動なら、、??僕らの目指している幸せが、資本主義という虚構によって作られたものに過ぎないなら、、??僕らは、資本主義という檻に閉じ込められて、必死に回し車を回すハムスターではないのだろうか。


全てが虚構だと知ったうえで、あなたはどう幸せを実現するか。ハリルさんは一つのヒントを教えてくれる。

幸せのカギは真の自分を知る、すなわち自分が本当に何者なのか、あるいは何であるかを理解することだとされる。

Howのところは、僕も全然答えが出ていない。そして出るわけもない。人類の誕生から今でもなおその答えを誰も持ち合わせていないのだから。ただし、この世界の在り方と、今一度自分自身に回帰することを気づかせてくれたこの本は、それだけも一読の価値があると思う。






この記事が参加している募集

読書感想文

noteを通じてサポートし合えたら嬉しいです!!よろしければサポートお願いします!noteを通じて、少しでも良い人生、良い世界に。