伝える時に・・・「グラフの使い方」のコツ
ある会社で複数の商品を新しいチャネルで販売するという試みを行っていて、それを担当していたのがJさんでした。
会社で新しい取り組みをして、その担当を任せられるって、やりがいでもありプレッシャーでもありますよね。
なんと言っても未知の世界ですから!
そして会社としてその未知の世界にチャレンジした際には、知りたいことがあります。
それはチャレンジして「どうだったのか?」ということです。
当然ですよね。
そしてその報告をするのは、当然担当者の役目なのです。
その時にJさんは、新しいチャネルで販売し始めてからの実績をグラフで表そうと考えました。
なぜならば、口頭で説明するよりも、グラフを使って説明する方が分かりやすく、相手にも伝わりやすいと思ったからです。
その時に必要なグラフは、もちろん販売の実績です。
そして、どんなグラフがいいかということをJさんから相談されました。
Jさんからの相談内容は、次のようなものでした。
字の大きさは、どのくらいがいいのか。
フォントは、何を選んだらいいのか。
色は、何色がいいのか。
グラフは棒グラフがいいのか、折れ線グラフがいいのか。
グラフのタイトルは何がいいのか。
などなどです。
しかしグラフを使って何かを説明する時に、
もっともっと大切なことがあるのです。
クラブの見せ方はもちろん重要なのですが、何かを伝える時に、グラフはただの材料でしかないということです。
つまり伝える力において大切なことは、
そのグラフを使って、
相手に何を伝えたいかを明確にするということです。
もう少し掘り下げていうと・・・。
そのグラフを見せて何かを伝えた時に、その相手にどのようなことを考えてもらいたいのかをイメージして、どのような行動を起こしてもらいたいかを明確にするということです。
そんなストーリーを考えながら、
どのようなグラフが良いかを考えることが、
伝える力に繋がっていくのです。
何かを伝える時にストーリーがないと、グラフはただのグラフでしかないことを理解することが大切です。
そこでJさんに「グラフを使って実績を伝えた後に、それを聞いた人にはどのような行動を起こしてもらいたいのか」を聞くと、明確な答えは返ってきませんでした。
その後Jさんに色々と聞いていくと、次のような伝えたいことが明確になってきました。
新しいチャネルで、成果があったということ。
これからも新しいチャネルで、販売をしていきたいということ。
今後も販売を続けていく時には、商品を見直していきたいということ。
この伝えたいことを明確にせずに、販売実績のグラフだけを使って説明をしていたら、褒めてもらうことはあったかもしれませんが、その先の未来を変えることはできなかったかもしれません。
このようなことを考えると次のようなグラフが必要になります。
①新しいチャネルで、販売した実績のグラフ。
②新しいチャネルで、販売を継続した時の予測のグラフ。
③販売した商品毎の、粗利率と商品単価。
この3つのグラフを使うことで、次のような議論にフォーカスすることができます。
①新しいチャネルで、販売してよかったのかどうか。
②これからも新しいチャネルで、販売した方が良いのかどうか。
③これからも新しいチャネルで販売するとしたら、どの商品が良いのかどうか。
このようなストーリーを考えずに、ただ見やすさを追求するだけのグラフはただのグラフであり、伝える際の材料にもならないのです。
しかしストーリーを事前に考え、相手に何を伝えたいのか、そして相手にどのような行動を起こしてほしいかを考えると、グラフは大活躍をしてくれるのです。
基本的に伝えたいことを1つに絞ることです。
そして「伝える力」に、より説得力を持たせるために、グラフとストーリーを活かすことが大切です。
ストーリーを考えてグラフを使うことが、
「グラフの使い方」のコツになります。
「伝える力」については、こちら「あなたの・・・コミュニケーション能力の課題が分かる本2: 話が分かりやすい人になる 「伝える力」をグングン伸ばす5つのステップ」も、ぜひご覧ください。
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