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ピンイン!発音ワークブック。まず高音と!低音をマスターしよう。

中国語 ee!chai

ピンインについて、複雑に見える原因を解説し、学ぶ障害を取り除くために記述したマガジン「中国語ピンイン教本(もやもやを晴らせます!)」があります。

そのマガジンの内容を、実際のトレーニング・ワークブックにしました。上記のマガジンを参照しながらこの記事もご覧ください。

ピンインをマスターするためのコンセプトは「子音優先!母音重要」です。でもその前に何より大切なのは声調です!

ですから目標の第一Gateは声調です。声調が間違えると通じません。声調のメリハリ(トーンの高低差)が不明瞭な発音は意味にならないので、中国人に嫌がられます。

長年中国語教育の仕事をして得た経験であるが、‥声調が正しければ実に通じやすい。‥日本語環境の中で外国語として中国語を学習する日本語話者にとって、声調を上手にマスターするのは早道になる可能性が大きいと考えられる。
発音、特に声調に関する指導を増強するのは、「読む外国語よりしゃべる外国語」につながるのではなかろうか。

日本語アクセントと中国語声調の比較―― 日本語話者の中国語声調問題をめぐって:侯鋭 氏 

Step Up のポイントは次の図です。

最初のGate1は声調です。声調は通じるために重要です!

Gate-1のレベルは、「意味が伝わる」です。

中国人に話しかけたら「听不懂(聞いて理解できない)/何を言っているかわかりません!」と言われてしまった経験がありませんか?

声調ができていませんと、文はもとより単語すら通じません。

★ このように言われないようにするのがGate-1の目標です。

ゆっくり話せば通じるけれど、早口で話したり、あるいは普段あまり使わない言葉だったりすると、首を傾げられてしまうようなケースがあります。

★ 原因は母音がはっきりしていないからです。通じるけれども、分かりにくい!ここの改善がGate-2の目標です。

中国人があなたの中国語は上手ですね。発音が「標準/标准biāozhǔn」
だと言われたら、訛りのないきれいな中国語だという誉め言葉です。

★このレベルを目標とするのがGate-3です。子音のトレーニングが必要です。

このピラミッドで表したピンインの各Stageを、トレーニングすることで、段階的にきちんと身に付けるのがピンインマスターの王道です。

この「ピンイン!発音ワークブック」で中国語発音の王道を上り詰めよう。

声調をマスターするための最初の鍵、音域拡張!

声調をマスターするカギはまず音域拡張です。音域拡張ができていませんと声調が不明瞭になります。そうしますと母音・子音が上手でも、通じない中国語になってしまいます!

まず最初に声調とは何かをはっきりと押さえておきましょう。声調と言いますと、多くの方は要するにアクセントですよね、と考えるかもしれません。声調とアクセントは違います。

音節における声の高さの変動。音節音調ともいう。「高さアクセント」は,ひとつひとつの音節ではなく,単語(結合)に該当する音声連続に現れる点で声調とは異なる。

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

日本語は高低アクセント(ピッチアクセントとも言います)言語です。日本語にも箸とが橋ありますから声調があるのではないかと考えがちですが、両者には大きな違いがあります。中国語は一つの音節(子音+母音の語)のなかでトーンが変化します。箸・橋は「ハ+シ」で2音節です。アクセントの違いは下記のようになります。

「箸」はいつも第1拍目が高く、その直後に下がり目があり、 「橋」はいつも第2拍目が高く、その直後に下がり目がある。

日本語アクセント入門_見本ページ:14-15
https://www.sanseido-publ.co.jp/publ/gen/gen2lang/jgoacc_prm/samplepage/14to15.pdf

※ ストレスアクセントは強弱のアクセントで、英語のアクセントです。

ですから、声調と日本語アクセントはまったく別物の、音の違いであることをしっかりと押さえておきましょう。

声調は日本人には初めての言語の特徴ですから、きちんとそして深く理解をして、トレーニングをすることが大切です!

まずトーンの音域を広げることから始めましょう。

音符の領域まで広げましょう

日本語の音域は「レミファ」中国語は「ド~ソ」

三声は実際に使うことが多い半三声で表記
四声図は北京大学の外国人向け発音テキスト漢語語音教程の内容に沿って音符図で表記、
持続時間はChaoのこの図を参考にしています。

レからファの平坦なトーンで話していた日本人にとって、中国語の音域は話す言葉ではなく、音楽の領域に感じられます。

※ 声調言語とピッチアクセントに関して

声調言語と し ては中国語ぺキン方言, そ し てピッチ・アクセント言語 と し ては, 日本語東京方言が有名である。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/onseikenkyu/5/1/5_KJ00007631047/_pdf

※ 音程と度数とピッチに関して

音程は音と音の差を表します。ピッチは特定の音の高さを表します。度数は音程の間隔を示す単位の事です。ドからソはドレミファソですから5度ですね。

日本語の音程はレミファの3度の度数ですが、この音域の幅を中国語のドレミファソの5度に高低を広げる、音域拡張トレーニング、を行うことをお勧めします。

声調が悪い場合日本人の場合は一声の高さが低い、つまりピッチが悪いケースが圧倒的に多いです。

そして二声四声のように音程がある声調では、昇る⤴ 降りる⤵ 音程の差がなさ過ぎて平板な発音の印象があります。

声調そのものが日本人にとって難しいものではありません。大きな違いは、トーンの差です。

まず、ドとソの音域を確認しましょう。音楽の得意な方、音感が良いと自負するかたはここは飛ばしてください。心配な方だけトーンの確認にお使いください。

この曲に合わせて「ドレミファソ♪」「ドレミファソ♪」、ドとソの音階が耳に残るうちに「ド・ミ・ソ♪」「ド・ミ・ソ♪」そして「ド・ソ♪」「ド・ソ♪」それから逆に して「ソ・ド♪」「ソ・ド♪」。

他にもド・ミ・ソの音感トレーニング動画もあります。

まるで音楽のレッスンのようになってしまいました。ここで強調したいのはドやソの音程に合わせ音感を良くしましょうということではありません。それは音楽のレッスンになってしまいます。

強調したいのは、中国語で一番高いトーンや一番低いトーンが日本語の話し言葉のトーンとは全く違うということを意識して頂きたいのです。

こんな高い音はまるで頭のてっぺんから声を出しているようで、変だと思ってしまう感覚を捨てて頂きたいのです。音感トレーニングで耳を慣らし、ドからソへの音域で話すことに慣れてしまえば、中国語の最初の土台作りになります!

トーンが掴めたら中国語発音練習用の「ma ma」に置き換えて、トーン練習を行います。北京大学の外国人向け発音教本での最初の声調の簡便練習方として提案されています。

声調の鍵はトーンの高、低、昇、降をマスターすること。三声の時は低いトーンの簡易的な方法を採用できるが、テキストではもともとの三声の声調が表記されている。

このテキストが勧めているのは、声調をマスターするためにはまずトーンの高低と昇降を掌握するようにということです。そして三声は低いトーンのみで良いわけですから、一声×三声を組みあわせて練習することで、最も高い音と最も低い音を組み合わせて使うことが上手になります。

一声×三声のセット連絡

「ド・ソ♪」をma maで練習するさいに、本来の三声は途中でピッチ変化があるため、「最も長い」になっていますが、一声と三声との組み合わせ練習で使う三声は半三声(終わりの昇の部分が無くなるため半がつきます)になりますので、それぞれの持続時間(発声している時間)は短めで同じくらいの長さで練習して問題ありません。

三声についてはこちらの先生の動画の視聴をお勧めします。

次は二声×四声の昇降のセット練習です。

トーンの高低が決まり、また二声×四声の昇る降るの声調を覚えれば、メリハリの利いた中国語になります。

音域拡張で中国語の音程に慣れましたら、実際の単語で練習します。

「アジアのことば教室」主催の稲葉あきこ先生の発音動画は実際の練習でのお勧め動画です。www.asianokotoba.com

うちの教室でも同様の動画を作成するつもりでしたが、これほど良い教材が完璧に揃っていますので、あえて作る必要もないので、先生の動画をご紹介します。