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漢語口語速成入門上2課 : 语音,音節表の活用法と隔音符号及びer

1課から5課までは语音という発音部分と生词・课文という会話文での2部構成です。このアシスト4では2課の語音つまり発音で、音節表の記述が主になりますので、会話文は次回にします。

语音の項目3⃣で下記のようなピンインの表がスペルとして登場しています。ます。これは音節表と言います。音節表はピンインを学ぶ際に必要な表です。どんな表でどのように活用できるかを解説します。

ピンインと音節の構造については、下記の記事をご覧ください。

音節とは、子音と母音を組み合わせて一つの単語の音声を表す仕組みです。中国語では、声調というものもあり、音節に加えて発音する必要があります。実際のピンインでは母音の部分に各声調が記載されており、これを組み合わせることで意味のある単語が作られます。

ですからスペルのようにアルファベットを見ても、意味のある単語にはなりません。ただし、音節表にはピンインのスペルは全て表わされているため、音節表にないスペルは中国語には存在しない間違った発音ということになります。

この音節表を使うことで、中国語の単語を構成する音の仕組みを理解することができます。具体的には、子音・母音を発音する際のフォームや、有気・無気の息、舌の使い方、唇の開け方、そして鼻音の発声方法などが分かります。

音節表を使って発音練習をすることで、正確に中国語の音声を身につけることができます。また、発音が苦手な場合には、どこがどう間違っているかを音節表を見てチェックし、修正することができます。同時に、日本語耳では聞き分けられない音を聞き分けるコツも身につけることができます。

音節表は、見たことはあっても使ったことがない人が多いかもしれません。しかし、正確な発音を身につけたい人には、この音節表を活用することをお勧めします。活用法もここの記事で取り上げます。

最後に、音節表を使って自分の発音をチェックする際には、録音した自分の声を聞き比べるとより効果的です。継続的な練習と自己チェックを行うことで、正しい発音を身に付けることができます。


■ 音節表の活用法

縦軸に子音(声母b/p/m)横軸に母音(韵母a/oなど)で構成,そして交差するひとマスに、子音と母音からなる一音節が入っています。

どう使うかです。
日本語耳で聞いて判別しにくいいくつかのピンインがあります。

例えば代表的なものが qi とchi です。
日本語耳ではどちらも「チィ」です。
どこがどう違うかを音節表で確認します。

ふたつのピンインに共通しているのは「i」という母音(韵母)です。
下記の音節表では、横軸に「i」が入った音声のグループがひとまとまりになっています。「i ia ie iao iou-iu ian in iang ing iong」と並んでいます。

2Gp : 韻母が「i」のグループ

その表の中から、縦軸、子音(声母)で「q」「ch」のグループを抜き出してみます。

舌面音と巻舌音で韻母が「i」の音節

そうしますと「qi」は舌面音のGp  です。「ch」はそり舌音です。舌の使い方、フォームが全然違います。どう違うかはここでは取り上げません。舌面音やそり舌音をユーチューブで検索し、ネイティブの中国語ユーチューバーの動画をどうぞご覧ください。

ネットの検索で「音声付き音節表」で検索しますと全音節表が載っていて、さらにマス目ごとの音節をクリックすると各音節の模範音声を聞くことのできる便利なサイトもあります。ご活用ください。

音節表を使えば言い分け聞き分けのポイントが掴めます!
去qù/行く 出chū/外へ行く 吃chī/食べる で比較

さて日本語耳で聞くと上記の3っつは同じように聞こえます。どう言い分けたら良いでしょうか?

まず 去qù と 出chū の音節の違いを音節表で確認しましょう。

「u」と「Ü」のGpの音節表です。丁度3Gp、韻母uのグループと4Gp韻母、Üのグループは並んでいますから比べ易いですね。

3Gp、韻母uのグループと4Gp韻母、Üのグループ

ピンイン表を見ると舌面音j・q・xの横軸で「u」のマス目は空白です。ですから「q」の韻母(母音)は u と書いてはありますが、「u」の母音ではありません。この「去qù/行く」の「u」は 4Gp韻母、Üのグループであることが理解できます。

発音する際、母音の音は唇を突き出す「u」ではなく「日本語の の形で舌に力を入れて[i]を発音する4Gp「Ü」で発音しなければなりません。

「去qù」と「出chū」は韻母(母音)が「u」と「Ü」でした。
「吃chī」の韻母(母音)は 2Gp、韻母が「i」のグループです。

ではこの3っつの単語を、それぞれの音節表から抜き出して音節の「マス目を探してみましょう。

舌面音と巻舌音で韻母が「u」と「Ü」の音節
舌面音と巻舌音で韻母が「i」の音節

去qù は舌面音、出chū は巻舌音(そり舌音)のu、吃chī は巻舌音(そり舌音)のi, でした。

そうしますと発音の違いもまず舌面音(唇を横に真一文字に引いて、息が舌のうえを滑らせて息を強く吹き出す)そり舌音(舌先をそり上げて強く息を吹き出す、唇は横にひくとしても舌が反りあがるため横にひきれずにあいまいな開き方になってしまう)というフォームの違いがあります。

そして声母(子音)が出chū と吃chīは同じそり舌音でしたが、韻母(母音)が「u」と「i」の違いがあります。

それぞれの3っつの単語の音節の違いは微妙でした。でも口のフォームが違いますから、出てくる音声も当然違います。唇と舌の使い方のフォームをマスターすれば「言い分けて、聞き分ける」ことができるようになります。

音節表を使った発音の練習のお勧め

このように音節表を使って、新しい単語やフレーズを学習しましょう。音節表にはピンインの全ての音節とそれぞれの発音が含まれているからです。

又音節表を活用して音声ファイルを聞きましょう。子音・母音・声調を聞き分けることができるように、正確な発音の構成を頭と耳で習得しましょう。オンラインのリソースやアプリケーションから、中国語の発音についてのオーディオガイドを探してみると良いでしょう。

但し言い分ける際ネイティブの中国人講師について、修正をしてもらいながら確認することをお勧めします。

ee!chaiの講師ならフォームの違いを指摘しながら修正の指導ができます!

ee!chaiの音節表

ee!chaiのピンイン表の横軸は、a・e・oの中心母音と介音i・u・üに分けて(中国ではこのように教えます)韻母のグループを分類しました。そしてA4,3ページに収めた音節表を生徒さんにお配りし、お手元でいつでも確認しながら活用して頂いています。

a/o/eの中心母音とその母音で組み合わされた複母音からなるグループの音節表

上記の表はa/o/eの中心母音から始まり、n/ngも加えた韻母からなる音節表でee!chaiでは1グループ(1Gp)としています。

他に介音の,iではじまる2Gp,uではじまる3Gp,üではじまる4Gpの表があります。

単母音iとiの複母音からなる音節表
単母音uとuの複母音及びüとその複母音からなる3GPと4GP

er について


口語速成の語音注釈では「er」という特殊な韻母(母音)が記載してあります。「er」には2タイプあります。口語速成で取り上げているのは2)儿化音です。

1)巻舌単韻母:※漢語語音教程(外国人向けピンインのテキスト・北京大
  学版)では直接声母と結合せずに単独で使われる「er」と説明。二/èr。
  耳/ ěr。儿子/érzi(息子.せがれ)など。

2)儿化音:「ーr」(儿化韵(儿は児の字)érhua:巻舌音化させるために、 
  韻母の接尾語として使われる儿化現象。表示は「r」。儿化韵と呼
  んでいますから韻母と理解しています。例:玩儿/wánr(遊ぶ)。哪
  儿/nǎ'er(どこ)。

覚え方のポイントは1)は単語で、2)は単語に付属する発音の癖のようなものと捉えれば良いと思います。

重要なのは、「这儿 zhèr ここ、那儿 nàr そこ、あそこ、哪儿 năr どこ」
場所ですが、「这 zhèこれ、那 nà それ、あれ、哪 nă どれ」で意味が違うという点です。

なお場所の言い方では「这里 zhè li ここ、那里 nà li そこ、あそこ、哪里 nă li どこ」があるということも一緒に覚えておくとより分かり易くなります。

この儿化音「ーr」はこの2課の「語音注釈」で取り上げています。

erと儿については詳しい説明がこちらのNoteで記載されていました。

2課の「語音注釈」で学ぶ事柄!

1.隔音符号(音分離記号):音節の切れ目のアポストロフィー

この2課でピンインは、単母音(a/o/e)の中心母音と介音(i/u/ü)と特殊な韻母(er)を学びます。

アポストロフィーはこの単母音が 子音の後でなく、単母音だけで単語になる場合、前の単語との間に音節を区切るために付けるマークの事です。区切り目がないと、発音を間違る可能性があります。

例えば「Xian」のピンインには「xiān/先」「Xī+ān/西安」の二つの単語があります。

xiān/先」は「iān」が複母音の1音節の単語です。

Xī+ān/西安」は2音節の二つの漢字を表しています。「Xī/西」に続く「ān/安」の音節は子音のない、単母音で一音節の言葉です。

こうしたケースでは「Xī ān」の方に、隔音という音節を区切るアポストロフィー「 ’」 の符号を付けます。そのことにより「xiān」と「Xī’ān」の区別がつきます。

「天安门/Tiān'ānmén」も隔音符号、アポストロフィーが付いているので天安という二音節の漢字が容易に見分けられます。

2.儿化

これは先ほど取り上げましたのでここでは省きます。

2課の会話文は次回の記事【No5】で記述します