【アメリカ駐在】ハイスクールを1年早く卒業する
こんにちは、アンバサダーの葉子です。
もう10月半ば近いというのに、なんとなく夏を引きずっている気がする日本。朝晩は過ごしやすくなってきたものの、日中はまだ暑い日も多く、本格的な秋が待ち遠しい……。
アメリカをはじめ、新年度スタートが9月(8月末)のところでは、ちょうど新しいクラスやスケジュールに慣れてくる頃でしょうか?
今回の記事は、小5夏~高3夏をアメリカのミシガン州で過ごした長女の「アメリカのハイスクールを1年早く卒業した話」について書いています。なかでも、最後の『長女の感想』は必読です! そこだけでも読んで欲しいくらいです(笑)
いつ帰る?
駐在家庭によって、「いつ」「誰が」「(日本の)どこに」帰るか、また、それをどのように決めるかは異なります。「上の子の進学のキリがよいタイミングで」「母親と子どもたちだけで」「元いた場所に」帰る、みたいなパターンが割と多いような気もします。
ところが我が家の場合、自分たちがそうだったように「父親に帰任辞令が出たら」「家族全員で」「父親の帰任先に」帰るものとばかり思っていました(夫婦ともに元帰国子女です)。恐らくですが、このパターンはお子さんが小さい家庭だと多いのかなと思います。
そして誰もいなくなった
ところが、在米4~5年目のことです。長女が当時通っていたミドルスクールの同級生には他に日本人生徒が10人くらいいたのですが、全員、日本で中学3年生の夏にあたるミドルスクール卒業直後、あるいは、日本で高校1年生の夏にあたるハイスクール1年目が終わった直後に帰ってしまったのです。我が家は補習校や塾に通わせていなかったため、長女がその同級生の日本人生徒たちと親しくなることはなく、また、母親の私も日本人の友達が少なく情報交換する相手がいなかったことから、気づくと駐在家庭の子どもでハイスクールに残っているのが長女だけになっていました(永住家庭の日本人の子たちは数人いたようです)。
そのあたりからでしょうか。少しずつ、不安を感じるようになってきました。私たちはいつ帰るんだろう? 長女の高校は?
ハイスクールを卒業しよう!
あれ? これ長女が日本での中学生のあいだに帰れなくない? と焦り出した私たち。そして思いついたのが、early high school graduationでした。
どういうことか?
・長女がハイスクールに入学した時点で在米5年目(中3夏)に突入していた→さすがに4年以内には帰任になるだろう。
・1年後の高1夏、最悪でも2年後の高2夏なら編入できる高校があるだろうけど、3年後の高3夏に帰任なんてことになったら……?
→この先どうなるかわからないのは変わらないけれど、とりあえずハイスクールを3年間で卒業できるようにしよう!
といった感じです。計画性があるんだか無いんだかわかりませんね……。
Early High School Graduationのやり方と注意点
アメリカの高校は単位制なので、日本の大学に近いイメージでしょうか。学年に関係なく卒業に必要な単位を取ることができれば卒業できるので、「飛び級」ともまた違います。長女の場合は、教科によって自分の学年の子たちとの授業だったり、上の学年の子たちとの授業だったりしたので、学年に関係なく友人もできていたように見えました。
※具体的な内容は州や地域によって異なるため、あくまでミシガン州の私たちが住んでいたエリアでの話です※
アーリーする(と表現していました)と決めたら、まずは親子で学校のカウンセラーに相談します。ハイスクールに入ってすぐ、9年生の履修登録の日に、長女と私とでカウンセラーに相談した記憶があります。このカウンセラーと一緒に、英語とは別に日本語も話せるためWorld Language分の単位を別の簡単に単位が取れる教科にしてよい、など、いろいろと確認しながら3年間のカリキュラムを立てていきます。
ただし、本来は4年間で取得すべき単位を3年間で取得しなければならないので、すべてを学校で、学期中にというわけにはいきません。長女の場合は、1学年分のEnglishを含め、いくつかの単位を通信教育などを利用して学期中や夏休みに自力で取っていました。つまり、アーリーするためにはそれなりに英語力が必要となります。そのため、軽い気持ちで「アーリーすればいいじゃん」と思うのは少し危険ですが(渡米後1,2年の方からアーリーの相談を受けたことがありましたが、さすがに無理があるのではと答えた経験があります)、ある程度の年数が経っていて、現地の学習にしっかりついていける・先取りできるという場合にはお勧めです。
長女の感想
アーリーでは上の学年レベルの授業も受けなければならないので、
・自分の学年の授業でAを取れるくらい英語力/学力がある
・スケジュールがキツキツなので、自分のキャパシティを理解した上で授業を選ぶ(APやIBの授業は得意な教科でのみ選択する、ピアノやActingなど楽に単位が取れる授業を組み合わせて負担を調整するなど)
・9年生になってすぐからカウンセラーと密にやり取りをして計画的に3年間のスケジュールを立てる(10年生とかから急にアーリーしようと思っても無理)
などが重要だと思います。
アーリーは現地の子でも帰国子女でもあまりやったという子に出会ったことがありませんが、自分にとってベストな選択だったと感じています。
その後の大学受験(地方国立大学)や就職活動(教員)でも、「いわゆる帰国子女」っぽくない選択を重ねてきましたが、「普通はこうだから」とか「みんなこうしてるから」とかを差し引いたときに、「自分は何がしたくて、どうありたいか」を軸として考え進んだ結果です。
自分のペースを貫くことは、時には大変で勇気がいることですが、このアメリカのハイスクールのアーリー卒業という成功体験が1つの心の支えになったのは確かです。
帰国子女は海外経験や語学力などユニークな武器がある分、選択肢が広いように見えますが、逆にそれに縛られがちな側面もあるように感じます。
だから単に「アーリーお勧めだよ」というわけではなく、アーリーに限らず、自分の選択を信じて突き進んでこそ、開ける道や見える景色があると伝えたいです。
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