見出し画像

岡村さんの風俗炎上を「ジェンダー問題改善」の契機に

岡村隆史さんがラジオで発言した内容が問題視されている。

わたしはラジオを直接聞いたわけではないが「女性の雇用状況が悪化し、お金を稼ぐためにかわいい子がやむなく風俗で働くだろう」と予測(期待)し、これを「絶対面白いこと」と形容したらしい。というのを藤田孝典さんの記事で知った。

ただでさえ多くの男性に比べて雇用が不安定な女性たちが、コロナ禍、コロナ後に厳しい状況に置かれることは想像できる。その解決策として、風俗で働くことを挙げ、それを「面白いこと」と歓迎するのは、個人的に女性蔑視だと思う。

彼は、面白いことがあるんだから「切り詰めて頑張りましょう」「歯を食いしばって頑張りましょう」と続けたという。まるで「この非常時を皆で一緒に乗り切ろう」と社会全体に呼びかけているようだ。しかし、彼は、もちろん男性にしかメッセージをおくっていない

岡村さんて、ホモソーシャル(男性同士の絆が強い社会)にどっぷり浸かりきった典型的なミソノジー(女性嫌悪、女性蔑視)だったのか。

恐らく彼に「典型的なホモソーシャルですよね」と投げかけても「それが普通でしょう?」と返されるだけだろう。

では、仮に男女を反転させたらどうだろう

日本は女性の正社員比率が高く、コロナ禍でも貧困にあえぐ層は相対的に少ないと予想される。非正規雇用が多い男性はお金に困ることが予想され、そういう男性は、短期間で稼げる「女性向け風俗」の世界に足を踏み入れるしかないだろう。非正規は若い男性がたくさんいるし、なかには超イケメンが風俗でサービスしてくれるなんて面白いこともあるんじゃないか。全国の皆さん、今はきついかもしれない。でも切り詰めて、切り詰めて、コロナ後のために頑張りましょう!

反転させてもさせなくても個人的には気色悪いしおぞましいが、反転させたら感じ方が変わるかたもいるのではないか。

もっとも岡村さんが何を思おうと個人の自由だ(言っていいかどうかは別問題だけど「思う」のは自由)。「そういうことを思ってはダメだ」と咎める権利は誰にもない。仮に「そういうことを思ってはダメだ」と言ったところで、半世紀ほどもホモソーシャルに浸かり恩恵を受けて来ただろう人の考えを簡単に変えることなどできない。

しかし。今の女性は、男性の言うことを全部「うんうん」肯定して、笑顔で流してくれるほど「女らしく」はない。わたしはそう思う。

旧来の女らしさー
会社では、権力のある上司の言うことをただただ聞き、笑顔でお酌をして、意見•反論せずに一般職としてサポート業に徹すること。
家庭では、稼ぎ手で一番偉い父親の言うことを否定せず、控えめに振る舞い、家事労働に従事すること。

今の時代、そんな「昔の女らしさ」をとっくに捨てて歩き始めている人がたくさんいる。今回の岡村さんの発言を受けて、女性たちは黙っていないはず。きっと彼の周りにいる、にこやかで何でも肯定してくれるように見える女性たちも。

-----

わたしはラジオを直接聞いていないし、元々岡村さんのことが好きでも嫌いでもありません。「面白い」発言を聞いたところで、彼のことを嫌いになったわけでもありません。ただ、「経済的に苦しい女性たち」が性産業に従事して生計をたてざるをえないシステムに問題があると思っています。彼の発言がこれだけ社会に広まって炎上しているなら、これを契機に、ホモーシャルではなく社会全体が「弱者になってしまった女性たちをどう救うのか」を話し合われるべき、と感じています。







この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?