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《編集者が教える》知識ゼロ・コネなし⇒自分の名前で出版する最短ルート

元出版社の編集者で、現在はフリーランスで本の編集者をしているあみと申します。


本noteには「どうしたら商業出版できるのか?」について、これだけ読めばわかるように書きました。(「商業出版ってなんぞ?」という方もご安心ください)

完全無料です。

「イイね…」と思ったら、スキしてくださったら嬉しいです。さらに、拡散していただけたらとってもうれしいです。いつもありがとうございます。

このnoteはこんな方におすすめです

いつかは出版社から本を出したいけど、知識ゼロ、という方におすすめです。

また、本の出し方ノウハウについて、編集者の立場で書かれた情報が知りたいという方にもおすすめです。フリーランスで数百社の出版社と関わった経験があるため、特定の出版社の情報に偏らず、汎用的なノウハウになっています。

読むより、聞いた方が頭に入りやすい方には、Youtubeで出版のノウハウもお伝えしていますので、こちらも是非どうぞ。

第一章 そもそも、なぜ出版するのか?

そもそもなぜ、出版するのでしょうか?
「そんなことはいいから、早くノウハウを教えて!」という方は第2章からお読みください。
ただ、「なぜ?」の部分を突き詰めておくことで、その後の著者人生の明暗がはっきり分かれるように思います。

本を出しても幸せになれる人ばかりとは限りません。
表には出てきませんが、実は「出さなきゃよかった…」と、後悔している人も大勢います。
そのため、是非「なぜ、何のために本を出すんだろう?」という目的について考えてみてください。

印税は目的にしないほうがいい

たまに「印税生活がしたいから本を出したい」という人がいますが、それはやめておいたほうがいいです。あまりに少なすぎてがっかりすると思います。
新人作家が最初にもらえる印税は、よくて40万くらいです。
今は、初版(初めてその本を印刷する)の印税はゼロの場合もありますし、実売(売れた分だけ)の場合もあります。

「え…お金もらえないなら、本出したくないです」
と、がっかりしてセミナー会場から出て行ってしまった人もいました。
出版は、本当に「コスパが悪い」と思います。これまでかけた時間や執筆という労働にまったく見合わないという意味で…。

それでも本を出しますか? メリットは?

実際、私の周りには本を出したことで以下のようなメリットがあった人がいます。
恐らくほとんどの方は、このような「出版がもたらす波及効果」が目的で出版します。

・集客にまったく苦労しなくなった
・企業や学校から講演依頼が来るようになった
・NHKにコメンテーターとして出演
・テレビへの出演依頼が次々来る
・初出版の同年に各社から7冊の執筆依頼が来た
・好きな雑誌で連載獲得
・年商が数百万円から一気に億に
・平社員から会社設立
・ニート、フリーターから専業作家
・社長の出版により求人を出さなくても応募者が来るように
・憧れの人と本を通して親友になれた
・自分が何をしている人なのか?をいちいち説明する必要がなくなった
・読者と意見交換ができ、知識がさらにブラッシュアップされた
・著者コミュニティに入ることができ、情報の質が上がった
・海外からも本の感想が届く

などなど…。
なぜこのような変化が起こるのでしょうか。

理由のひとつは「安心できる人」とみなされるからだと思います。

ひとつは、出版社に認められて本を出すような人なら身元不明の怪しい人ではない、という「安心」。(その限りではないですけどね…)
『FXで絶対損をしない方法』という教材を12万円で買ったら、「FXをやらない」とだけかいたPDFが送られてきて、抗議しようにもすでにWebページは404 not found、住所も電話もでたらめ…といった事態が起こる可能性は低いだろう…と信頼してお金を払うことができます。なんのこっちゃ。

もうひとつは、その道のプロという「安心」です。(もちろん、その限りではry)
出版できるということは、一冊の本を書くだけの知識と経験があり、人に教えられるほど詳しく、それを出版社が認めている…ということ。その業界でどんなポジションにいるかも関係なく、本を出したなら、外からみたら専門家とみられます。

お客さんも、本を出していない人より、多少値段が高くても、本を出している人に仕事を依頼したいと思うようになります。

「本を出してブランディング」とよく言われるのは、このような理由からなのです。
ただし、ブランディングができるのは、基本的に「商業出版」だけです。
次の項で説明します。

商業出版・自費出版がある

出版の種類として、商業出版、自費出版、共同出版、電子出版があります。

商業出版とは、出版社が出版にかかる費用すべてを負担して出版する方法です。企画出版とも言います。
本を作るにはお金がかかります。特に高額になりがちな印刷費や、編集費、イラストやデザインやDTP(パソコンで本の体裁を作る)、校正校閲など…。これらを丸々出版社が負担します。
本が売れなかったときの赤字リスクも出版社が背負ってくれます。
費用の負担がないどころか、著者にはお金(印税)が支払われます。

一方、自費出版は出版にかかる費用をすべて著者が負担します。
共同出版(協力出版)は、出版社と著者双方が出資する出版方法です。最近はこの方法も増えてきました。

電子出版は、電子書籍で出版する方法です。Amazonのキンドルや楽天Koboなどが代表的なものです。厳密に言えば、このnoteもそうかもしれませんね。
電子出版も、出版社から紙の本とともに出版されるものもありますが、電子書籍だけ出したいのであれば、特に費用をかけることなく、誰でも出版することができます。紙の本にないよさがあるので、私は電子出版も電子書籍も大好きなのですが、これは長くなるので別の機会に…。

出版方法によるメリット・デメリット

商業出版にはよくないところもあります。
一番はやはり、自分の思い通りの仕上がりになりにくい、ということです。
初めての本には誰でも強い思い入れがあるもの。「表紙のイラストはこの人、タイトルはゴールドの箔を押して…」などと色々想像したりしますよね。
しかし、このあたりは最終的には出版社に委ねなくてはなりません。なぜなら、お金を出すのは出版社であり、出版社の商品だからです。

文章も、何度も何度も直さなくてはなりません。最終的には原型がないくらい大きく変わってしまいます。
それでも、よい仕上がりになれば問題ないのですが、最悪、自分の言いたいこととは真逆の主張の本にされてしまうことも…。

また、執筆が大変すぎる、ということもあります。
本業がどんなに忙しくても、出版社が指定した締め切りは守らなくてはなりません。書くのに慣れていたとしても、結構ツライ…。
あまりの辛さに、出版が決まっていても途中で投げ出してしまう方も半数近くいます。そうならないように、執筆時間を確保する、ブログに十分なストックを作っておくなど、スタート前の準備が必要でしょう。

そうかと思えば、編集者からなんの音沙汰もなくなることも、十分にありえます。担当者の突然の退職や、別に魅力的な企画が出てきたので放置など…。社会人の常識としてありえないようなことも起こりえます。

一方、自費出版であれば、そのような苦労はほぼありません。
自分の思ったとおりの内容で出版できますし、デザインも自分で決められます。それは、あなたがお客さんなので当然です。

お金があり、全部思い通りに本を書きたいなら、もちろん自費出版でもよいと思います。しかし、ブランディングを目指すなら、商業出版を目指すことをおすすめします。

自費出版を扱う出版社が増えており、商業出版との境目がほぼわからなくなってきています。ただ、見る人が見ればやはりわかります。「なーんだ、出版したって言ってたけど、自分でお金払ったのね」と思われては、ブランディングなどできません。

また、自費出版本はほぼ売れません。200万部をこえる大ヒットになった『リアル鬼ごっこ』のような作品もありますが、このようなケースは極めて稀です。
まあ、商業出版でもほとんどの本は売れませんが…。

自費出版の本が売れない理由は、書店で置かれる場所の問題や、流通量が少ないということもありますが、やはり編集者が著者に忖度(そんたく)して作るからだと考えます。著者の自由に作った本は、客観的視点が入っておらず、自己満足なものになりがちです。読者視点がない本には市場価値がありません。

そういうわけで、商業出版をおすすめする次第です。

これから書くことはすべて「商業出版」のことです。そして、共著(誰かと一緒に本を出す方法)ではなく「あなたの名前で本を出す」ことを前提としています。

第二章 出版への最短ルート

では、具体的にどうすれば良いのか?

本を出すためには、
①出版社から声をかけられるのを待つか
②自分から売り込むか

のどちらかです。
両方を視野に入れて行動してください。
面白い企画が編集者の目に留まりさえすれば、出版はとても簡単です。

編集者は常に出版企画を探しています。一年に一冊しか本を出さない出版社がある一方で、多くの出版社は10冊前後のノルマがあります。
常に複数の本の出版を控えている編集者にとって、著者候補を探すのは結構大変。そのため、良い企画と、良い著者がそろっていればすぐに出版が決まるのです。

編集者の目に留める方法

編集者はどこで著者候補を探すかと言えば、人からの紹介と、ネットです。

ブログはいまだにアメブロをよく見ていますし、最近はツイッターからの出版も多くなっています。数千~万のフォローや、オリジナルコンテンツを投稿した時に数万~数十万「いいね!」が付けば自ずと出版が決まります。それなりにフォロワーがいるのに出版社から声がかかっていない場合は、是非企画書を書いて出版社にアピールしてください。

どれくらいの期間投稿し続ければ編集者の目に留まるのか?と聞かれますが、たった一度の投稿で出版が決まることも十分あります。

ブログ発の出版には賛否ありますが、今後もなくなることは決してないでしょう。出版社にとってもメリットが多いからです。

ブログはそれそのものが見本原稿です。どれくらい書ける人なのか?質と量ともに測る目安になります。

さらに、企画会議という、出版するかどうか決定するための会議に通りやすくなります。いくら編集者が面白いと思っても、営業や上層部がOKしなければ出版はできません。彼らが気にするのは「売れるかどうか」です。
そんなとき、読者やフォロワーが多かったり、ランキング上位だったりすれば人気の度合いが一目瞭然です。会議に通りやすくするために、今からでもブログを育ててほしい、Youtubeを始めてほしいと編集者に頼まれることもあるくらいです。

たまに、全部ブログに書いたら、もう本に書く部分がなくなる…という方がいますが、その心配はありません。ブログの内容をそのまま再編集して出した本でも売れるものはしっかり売れます。『嫌われる勇気』や、西野亮廣さんの『新世界』のように、全文ネットで無料公開しても、売れるものは売れるのです。

本のジャンルを知ろう

書店に行くと、入り口付近に雑誌のコーナーがあり、新刊や話題の本を積んでいる台があり、絵本、コミックス…というように本の種類ごとに置き場が分かれているのをご存知かと思います。
これが本のジャンルです。
書店によってジャンル分けは異なりますし、あえて分類しない、という書店もあります。
大きな書店であれば、だいたい本の種類ごとに棚が分かれているでしょう。
出版を考えた時から、このジャンル分けを意識する必要があります。

まず、どのジャンルの本を出版するのか?決める必要があります。
Amazonなどのweb書店では、心理学とファッションなど一つの本を複数のジャンルに登録することができます。
しかし、書店の場合は当然ですが、2つの棚にまたぐような配置はできません。
以前、子ども向けの英語検定受験本の企画がでました。しかし、この本は児童書なのか、または資格書なのか…棚がはっきりしないという理由でボツになりました。
自分の本はどこの棚に置かれる本なのか、きちんと狙いを定めて書いてください。
また、売りやすいジャンルと売りにくいジャンルがありますので、その点も気を付けてください。

売れるジャンル・売りにくいジャンル

出版しやすい本のジャンルはずばり、実用書とビジネス書です。
実用書とは、生活をよりよくするために役立つ方法を解説した本です。
例えば、健康やダイエット、美容、料理や手芸、片付けなどもこのジャンルです。

ビジネス書は、仕事術やお金の稼ぎ方など、仕事に役立つ本ですが、最近はやや採用されにくくなっていると感じます。

一方、最近とても好調なのがスピリチュアル本です。私ごとですが、2018~2019年に持ち込みを代行した本のうちスピリチュアル本は採用率100%でした。つまり、持ち込めば、場合によっては複数社で必ず採用されています。

出版しにくいジャンルは、一貫してエッセーや詩集、小説などの文芸書、とくに難しいのは自伝本です。
それでも、見せ方が面白かったり、興味深い内容であれば可能性はあります。その場合、まずはやはりブログやSNSで公開してみるとよいですね。
写真集や絵本、フォトエッセイなど、カラーで製作費がかかる本も難しいです。

好きな出版社に持ち込もう

日本に3000社程度ある出版社から、どんな出版社を選んだらよいか?ですが、まずは好きな本が出ている出版社に持ち込むことをおすすめします。
勇気を出して、好きな本の担当編集者に手紙を書いて(名前がわからなければ『書名』の担当編集者様あてに)、自分の企画を送ってみてください。
自分宛てに届いた企画書には目を通す編集者もいます。

もちろん、自分が出したい本と同じジャンルの本が出ていることが前提です。医療専門、教科書会社などの専門出版社なら、いくら持ち込んでも見てもらえることはありませんので…。

もうひとつは、自分が出したい本と同じジャンルの本が「売れている」出版社を選びます。売れ線ジャンルなら、ひとまずは見てもらえる可能性が高いからです。

どうしても大手から出したい、という方もいますが、あまりおすすめしません。詳しくは書けませんが、大手からの出版でよい思いをした人を私はほとんど知りません。印税も引くほど少ないです。
毎日大量の新刊が出る大手では、新人作家が大切に扱われることはあまりないのかもしれません。

日本にある出版社のほとんどが中小出版社です。
大手にこだわって出版のチャンスを逃すより、小さくてもきちんと世の中に本を出してくれるところが良いでしょう。
人数が少ない会社なら意思決定が早いのも特徴です。長くても1か月以内くらいには返事がきます。大手には最高で丸一年返事を待たされたこともあります。

ただ、あまりにも無名な出版社なら、必ず評判を調べるようにしましょう。悪質な自費出版を行っている会社かもしれません。

第三章 持ち込みの方法

出版社に自分の企画を売り込むことを「持ち込み」と言います。

持ち込みに必要なのは、

出版企画書
②見本原稿

です。
持ち込みは同時に何社に行っても問題ありません。他社に持ち込んでいるからといって悪い印象を与えることはまったくありません。

持ち込み企画は採用されにくい、と聞いたことはありますか? 採用率は1%以下、などという方もいますが、そんなことはありません。普通に採用されます。

門前払いする出版社があるのも事実ですが、ほとんどの出版社は持ち込み企画にも目を通しています。

ただ、忙しくて見る時間がないことや、持ち込み企画は極めて質が低いものが多く、読むに値しないものが多いことは確かです。

持ち込みのコツとしては…

①ジャンル違いの企画を送らないようにする
②出版社が定める応募方法を守る
③できるだけあて先を細かく入れる
④礼儀をしっかり
⑤企画の基本を押さえる、企画書に手を抜かない

①出版社ごとに扱っている本のジャンルは異なります。
大手の出版社でなければ、そんなにたくさんのジャンルは取り扱っていません。
例えば、ビジネス書専門の出版社に、お料理本の企画を持ち込んだところで採用される可能性はゼロです。

②会社が定めている応募方法を守って応募しましょう。
色々な会社に原稿を送っていると、ついテンプレートで送ってしまいがちですが、一件一件必要事項を確認して、決められた方法で送ってください。
当たり前のこと、と思ったあなたは常識的な人です。私が見た限り、半分は応募方法を無視して送られてきました。
特に、郵送で全原稿を送り付けるのは絶対にやめましょう。

たとえ企画がボツになっても、編集者が一緒にやってみたい、と思えば、別の企画を提案される場合もあります。
無視される可能性も大いにありますし、何ヶ月も待ったのに不採用だったりしたら腹も立ちますが、ぐっとこらえてお礼のメールをしてください。編集者の印象に残ることは間違いありません。どんなきっかけで出版が決まるかわからないので、つながりを大切にしてください。

出版企画書は重要

出版社に企画を送る場合、必ず必要になるのが「出版企画書」です。
どれほど魅力的な企画であっても、出版企画書に魅力がなければ決して採用されることはありません。
持ち込み代行や出版プロデューサーを通すと採用率が高まるのは、編集者にコネがあることももちろんですが、出版企画書をしっかり魅力的に作ってくれるから、ということが大きいです。
出版企画書はプロですら難しいです。なぜなら、誰も書き方を教えてくれませんし、これといった決まった書き方がないからです。
会社で企画書を何度も書いていても、かってが違うので簡単にはいかないはずです。

あまりに長いものは読まれることすら無いリスクが高まります。短く簡潔にまとめましょう。

私が実際に試行錯誤して作り上げた出版企画書のテンプレートも公開しています。こちらです。

出版企画書に書くべきことは、最低限次のようなものがあります。

・タイトル
重要です。すぐには出てこないと思います。ひと目で引き込まれるものを、じっくり考えてください。
・プロフィール
とても大切です。必勝できるプロフィールで解説します。
・内容の概要
どのような本か、内容を簡潔に説明してください。ここには本文のサンプルを載せないで、別紙にしてください。
・販売協力
自分が販売にどれくらい協力できるかを書きます。販売協力とはで解説します。
・ターゲット
どのような人を読者対象にするか、です。あまり絞りこまないでください。
・類書
自分が出したい本と似た本を2、3点あげます。売れているものを選んでください。理由もなく類書はありません、はやめましょう。

販売協力とは
新刊冊数は1日200冊以上。それほどたくさんの本の中で目立つためには宣伝はかかせません。良い本なら必ず売れる、ということは残念ながらありません。むしろ良い本こそ売れて欲しいので、宣伝をしっかりしましょう。
日本人の特徴なのかもしれませんが、売れているものは良い物に違いない、と考えます。売れているものはさらに売れます。
本を売るために、自分には何ができるかをできるだけたくさん書きましょう。

出版において重要なのは、発売直後に一気に売り、初版を早く完売させることです。
本は、発売直後がもっとも売れます。発売から早くて1〜2週間で書店から消え、出版社に戻されてしまいます。
10年以上前の本があらためて注目され、今ミリオンセラーになった、という例もありましたが、これは稀な例です。
売れるということが分かれば、出版社も安心して増刷できます。
たちまち完売すれば話題にもなるでしょう。

販売協力といっても何をすればよいかわからないと思います。
実は、出版社からははっきりと言いづらい部分なのです。
宣伝は全部出版社がやってくれるもの、と思い込んでいる著者に「いやいや…」とは言えないのです。

Amazonキャンペーンという言葉をご存知でしょうか。
発売直後のたいてい2日連日で、Amazonで本を購入した人を対象に、なにかしらのプレゼントをするというものです。
Amazonで購入したことを証明するために購入番号をメールで送信します。プレゼントはメールで送れるPDFや動画が一般的です。
目的は、Amazonで一位を取ることです。
Amazonで一位を取れば、以前はそのように宣伝できました。でも今は、この仕組は多くの人が知るところとなり、ありがたみがなくなりました。
それでも、未だにこの方法は人気があります。
それは、著者が手軽にできる販促だからです。
出版社に「アマゾンキャンペーンやるんですか?」と聞いたら編集者はきょとんとするでしょう。むしろ「私、やりますので」と伝えてください。

自力で何冊くらい売れそうかを誠実に書いてください。自分で多く買い取れる人はそのことも忘れずに伝えてください。ここが書ければかなり有利になります。

必勝できるプロフィール

出版企画書の中で一番重要な項目は、プロフィールです。
本を買うときも、タイトルや表紙に興味を持ったら、次にプロフィールをみたりしませんか?

初めて本を書く場合、どんな人物かわからないと出版を依頼できません。
なぜ自分が今、この本を書く必要があるのかを丁寧に説明します。
本と関係のある経歴であればある程度長くなってもいいのでじっくり書きましょう。

あなたは、この本を書くに値する人物なのか?
そんなに難しく考える必要はありませんが、編集者が見るのはその部分です。読者もそうです。
例えば、中小企業診断士のお料理本とか、その経歴でなんでこの本?と思いますよね。もちろん出してもいいのですが、それならプロフィールには中小企業診断士という部分はさらっと書くだけで良いのです。
それよりも、なぜ自分がこの本を書こうとしたのか?のほうが大切です。
履歴書のように、すべての経歴を書いてはいけません。
現在自分が何者なのか?どうしてそうなったのか?に焦点をあてましょう。

よく、どん底から這い上がった経験を書くと効果的といいます。
確かに、借金地獄から這い上がって億万長者になったと言ったらインパクト抜群です。でも、どん底を味わった経験は誰にでもあるものではありません。
地獄見てないなら語ってはいけない、ということはまったくありません。
アニメの主人公に憧れて…とかでも良いのです。

それよりも重要なのは実績です。
実績は必ず必要です。
そうは言っても、そこまですごい実績でなくてかまいません。
例えばこんなことです。
・◯年続けている
・◯人を鑑定してきた
・年◯会開催
・ブログランキング◯位、〇PV
・メルマガ読者数◯万人
・カウンセリング実績◯人
・売上を◯倍にした
お分かりかもしれませんが、具体的な数字が入るとより効果的です。

もし、セミナーやお教室を定期的にされている場合は、開催頻度や集客人数をアピールしてください。
生徒さんが買ってくれるかもしれませんし、セミナーのテキストとして使うようだったら、定期的に本が売れるので出版社にとってもありがたいことです。

仲間を増やそう

本を売るには仲間の存在が必要不可欠です。
一人で宣伝しても売れる冊数には限りがあります。
Amazonキャンペーンも、告知を見て、実際に買ってくれる人がいなければあまり意味がありません。
そういう意味では、お互いに信頼で結びついたコミュニティを築いておく必要があります
コミュニティの仲間一人ひとりが買ってくれたらどうでしょうか。
また、一人ひとりが自分のメディアで広めてくれたら?
好きな人から心をこめて紹介されたなら、思わず買いたくなりますよね。
要するにサクラでしょ?と思うかもしれませんが、ちょっと違います。
全然知らない人からの口コミでは、もうそう簡単には買わないですよね。Amazonのサクラ書き込みはすぐバレます。
実際に行動を起こしてくれる、本気で応援してくれる仲間をたくさん作りましょう。
自分が応援してもらったら、それ以上のお返しをすることもお忘れなく。

第4章 商業出版は難しい?

商業出版は、出版社に「売れる」と思われさえすれば簡単です。なぜなら、出版社の商品だからです。

だから、最初の一冊は必ず「売れる本」を目指してください。
売れる本が良い本だとは言いません。売れなくても、マイナーで素晴らしい本はたくさんあります。マイナーな本ほど、濃い読者にめちゃくちゃ応援されます。

しかし、専門書でない限り、マイナー狙いでの出版は難しいのです。
話題になることがなければ、出していないのと同じです。

一冊目が話題になれば、次々出版オファーがきます。
本当に出したい本はそれから考えてもよいでしょう。まあ、それで全然売れない本を出してスベり倒している人も多いですけどね…。

あなたは出版できる人

そういう意味では、商業出版は難しいです。
長年努力していても出版できない人はたくさんいます。途中で諦めてしまう方も少なくありません。

あまりこういうことは言いたくないですが、やはり最後は「マインド」です。
チョーシに乗っている人は、たいした実績がなくても軽く出版できていますよね。「なぜあんな人が…」と思う必要はありません。「次は自分なんで」と思えばいいだけです。

あなたは売れる本を出版できる人です。
その理由は3つあります。
・本を出しやすい時代に生きていること
・はじめて本を出す人であること
・普通の人であること

・本を出しやすい時代に生きていること
これまでは、一部の限られた人だけが本を出せました。
しかし、今は誰でも本が出せる時代です。
実際に、全然知らない人が著者デビューするのを目の当たりにされていると思います
これは、ニーズが多様化しているためや、個人が手軽に発信できるようになったためだと思います。
また、処女作でも十分売れる本を出せます。

・はじめて本を出す人であること
出版社は斬新な企画と書き手を常に探しています。
本が売れなくなっているとはいうものの、新刊出版点数は増えています。なんと、30年前に比べて、3倍にも伸びているのです。(『出版年鑑 2014年版』出版ニュース社)
そんな事情もあり、出版社は常に企画不足です。

それなら、有名な著者さんに書いて貰ったらよいのですが、なかなかそうはいかないのです。
大物著者は印税も高額です。印税の金額は出版社や、著者によってかなり違うのです。
最初から大物著者に依頼すれば営業もしやすいですし、発行部数も強気に設定できそうです。
でも実際は…。
小さな出版社では、高額な印税が発生する大物著者に執筆をお願いするのは難しいのが現実です。それに、売れる保証はありません。何度も本を出しているような方だと、買う人も固定化されてしまうためか、大ヒットは出にくくなります。

そのような事情ですので、言い方は悪いですが、安く書いてもらえる新人著者はとてもありがたいのです。
それに、小さな出版社から新人作家がベストセラーを出せる可能性は十分にあります。それが出版の面白いところです。

私もよく「誰か面白い作家さんいませんか?」と編集者から聞かれますが、そのときの条件はだいたい「初めて本を書く人か、売れている人」です。
新人ということは最強のカードなのです。

編集者は自分で著者を発掘するのが大好きな人達です。もちろ経験者としかやりたがらない人もいます。でも、編集者はプロデューサーでもあるので、原石を見つけて磨きあげることが一番の楽しい、と言う人は多いです。
編集者は常にあなたを探している、と思って間違いありません。

・普通の人であること
普通、と言ったら「失礼な!」と思われるかもしれませんが、才能がないという意味では決してありません。
誰でも知っているような著名人だとか、すごいエリートではないという意味です。著名人はこのnoteを読んでいないでしょう…。

普通の人ということは、特に実用書やビジネス書という分野では何より強い武器になります。

エリートなら本を出せるか、というとそんなことはありません。ドクターや弁護士など権威ある職業の方で出版したい方はとても多いですが、その人達全員が出版できるわけではもちろんありません。
頭がいいから出版できるというわけではないのです。

本を買う大多数が「普通の人」です。
普通の人が買ってくれなければ、売れる本にはなりません。
普通の人の目線を持っていなければ、その人達にうける本は書けません。
普通の人が悩むことやつまづくことが分かり、理解しやすく説明できる必要があります。

そして、実践すれば誰でも再現できなければなりません

人はみんな、自分にしか興味がありません。読者も、お金を払うことにとてもシビアです。そのため、自分にとってどれほどメリットがあるか?という点をものすごく重視します。この傾向はどんどん強くなっています。書店で偶然の出会いを楽しんだり、ジャケ買いなどしないのです。

自分には誰かの役に立てることなんてない…、と思って諦めてしまう人も多いですが、そんなことはありません。
自分では「こんなことが人の役に立つはずがない」と思っているようなことが出版のネタになり、大ヒットを生みます。
ほんの少し、人よりできることでよいのです。ずば抜けた実績がある必要もありません。

また、得意なことがなくても構いません。あなたが苦労して身に着けたことほど、最強の本のネタになります。

おわりに

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

せっかく読んでいただいたのに何ですが、ここに書いてある方法は全て疑って欲しいと思います。
なぜなら、出版へ至るルートは10人いれば10通りあり、法則に縛られることが弊害になる場合があるからです。
ご飯を食べていたらたまたま編集者と隣り合っており、話が弾んで出版へ・・・などの例も、本当にあります。フレキシブルに、楽しんで、出版への道を歩んで欲しいと思います。

以下は私的なことです。

編集者、プロデューサーとして活動している私ですが、プロデュース業はもうほとんど行っていません。

それは、出版周りが何かおかしい事になっていると感じたからです。

「本を出したいけど何も書きたいことがないから、それを見つけて欲しい」と言う依頼が増えたのです。

そもそも、書きたいこと・伝えたいことがあるから本を出すのではなかったでしょうか?

ブランディングの面ばかりが強調され、寂しくて認められたい心を埋めるために出版を使いたい人が増えてきたことは、あまり喜ばしくありません。

一方で「この人に本を出して欲しい」と思う人もたくさんいます。本にして届けられたら、どれだけ多くの人が救われるだろうと思うような人や言葉、ノウハウがあります。

これからも少しずつ、そんな人の手伝いをできたら良いと思っています。

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現役のフリーランス編集者&プロデューサーです。自分の名前で本を出したい人、出版したい人を応援しています。編集者歴10年、プロデューサー歴5年、これまで50冊以上を手がけました。