カメラ片手に、プロの写真家と散歩した話〜北品川・天王洲アイル編〜 第3話

この記事は何？

・写真を撮ることが好きな素人が、プロの写真家・和田剛さんと街を歩き、撮った写真を見ながらプロからアドバイスをもらい、カメラの腕を上げてしまおうという連載。

対象読者は？

・写真撮影が上手くなりたい！と思っているカメラ初心者。
・プロは何を考えて写真を撮っているのか興味がある人。

今回は、北品川＆天王洲アイルエリアの第3回をお届けします。前回は予想以上に盛り上がってしまい、天王洲アイルに入る前に終わってしまいましたが、今回はいよいよタワマンが立ち並ぶ天王洲アイルエリアでの撮影です。

改めて今回の撮影散歩シリーズの場所をご紹介します。

１）下町っぽい船宿と高層マンションのある北品川東側（赤いエリア）
２）赤いエリアから青いエリアへ行く途中の天王洲運河の橋
３）タワーマンションと公園が印象的な天王洲アイル周辺（青のエリア）
４）情緒と新しさが混在する旧東海道の周辺（黄のエリア）

天王洲アイル周辺でビルを撮影

設楽：
今回はいよいよ、東京モノレールの天王洲アイル駅を中心に広がる「天王洲アイル」エリア（地図の青のエリア）に来ました。ここは人工都市感が強いエリアで、無機的な景色が広がってそうで、それはそれで楽しみです。

和田：
このエリアは北品川の情緒的な感じとはまた雰囲気が変わりましたね。どんな写真を撮ったか見せてください。

設楽：
ここでは、チャレンジした写真を一枚撮りました。それは前回の四ツ谷編で和田さんがビルを暗い感じで撮った一枚を見て、僕も下手なりにマニュアルで撮ってみたんですよ。

撮ったはいいんですが、暗すぎるし、手前に野球場のフェンスが入ってしまって、これも今ひとつな仕上がりとなってしまったんです。マニュアルでの撮り方を少しずつ覚えようと思っているのですが、簡単にはいかないですね。

和田：
何を意識して撮影したか教えてください。

設楽：
どうやってやればいいか、勘所が全然わからないので、とりあえずファインダーをみながら、このぐらいの暗さと光の入り加減なのかな、と勘で決めた感じです（笑）。
案の定、全然印象的にならなかったので、こういう写真を撮る時はどんなことに気をつけているのか教えて下さい。

和田：
まず、こういう構図をよく見つけましたね、という観察眼の部分は合格ポイントですね。僕はここ見つけられませんでした。
フェンスの網の目が手前にあって気になる、って言ってましたけど、そんなに目立たないからこれはこれでアリだと思いますよ。

ただ、左側にうっすら木々が影のように見えますが、これをもっと取り入れて写せば、奥行き感が出る写真になってましたね。そこはちょっともったいなかったです。

あとは、構図として、空の部分を切ってしまって、ビルと太陽だけにフォーカスを当てて圧迫感を出してもいいかもしれませんね。

いずれにせよ、設楽さんは積極的に学んだ技術を下手でも取り入れようとしている、その姿勢がとても素晴らしいと思います。

【ポイント】
学んだ技術は下手なりに取り入れてみる。

設楽：
ありがとうございます。あのエリアって、ビルと広場と公園ばかりで、あんまり印象的な景色がなかったんですが、和田さんはどんな写真を撮ったんですか？

和田：
僕は公団のようなマンションがあって、マンションとマンションの間にある広場が気持ちよかったので、そこに差し込む光を意識してこんなのを撮りました。

設楽：
ビルとか広場が多い場所だと、どういう対象を取っていいか悩むんですけど、視点に技術が加わると、こういう「光」を上手に捉えることができるんですよね。

何気ない広場ですが、斜めに入ってくる光が印象的な一枚です。

和田：
これも、前に話した「置きシボ」で絞りを固定して、光と影の濃度がいい感じになるシャッタースピードを探して撮ればいいんですけど、マニュアルで撮影していくうちに、段々とできるようになりますよ。

設楽：
はい、次回の場所からはマニュアル撮影にチャレンジしたいと思いますー！

ということで、次回は北品川＆天王洲アイルの最終回、旧東海道エリアで撮影したレポートをお届けしたいと思います！
（つづきはこちら）

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【プロフィール】

和田 剛／Tsuyoshi Wada
フォトグラファー。1974年生まれ。
人物撮影と旅行が好き。
写真をまなぶ人のオンラインフォトスクール「good studio」主宰。
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設楽幸生／Sachio Shitara
編集者。1975年東京生まれ。週末カメラ片手に飲み歩くのが趣味な、写真の素人。Twitterやってます。