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アスリートのデュアルキャリア、セカンドキャリア

株式会社マイナビ主催の「アスリート雇用に関するシンポジウム」に参加してきました。

講演者やパネリストの方々は、デュアルキャリアを推進する立場の方、現役アスリートや引退したアスリート、またアスリートを雇用する経営者の立場にある方々でした。第1部から第3部に分けてデュアルキャリアの「今」をいろんな視点から学ぶいい機会になりました。

この記事の内容はこんな感じです。(見出しは今回はスキップしました)
1、デュアルキャリア、セカンドキャリアの違い
2、JOCの取り組み
3、シンポジウム第1部:アスリートのビジネスでの可能性
4、シンポジウム第2部、3部:アスリート雇用(社員側、企業側)
5、メディアへ掲載されました


1、デュアルキャリア、セカンドキャリアの違い
まずはデュアルキャリア、セカンドキャリアの違いについて説明しようと思います。

デュアルキャリアとは、、、
「人としてのキャリア形成」と「アスリートとしてのキャリア形成」の両方に同時に取り組むという考え方。
出典:一般社団法人アスリートデュアルキャリア推進機構 https://www.adcpa.or.jp/

一方、セカンドキャリアとは、、、
アスリートとしてのキャリア、これをファーストキャリアとすると、競技者人生を終えてゼロからスタートする次のキャリアが「セカンドキャリア」になります。ビジネスの世界に飛び込む人もいれば、全く違うキャリアをスタートする方もいるはずです。場合によってはサードキャリアという人もいます。

アスリートとしてのキャリアを続けつつ、ビジネスパーソンとしてのキャリアを並行して形成するのか、またアスリートとしては一旦引退し、仕事に専念するのか、これが2つの大きな違いになります。後ほど触れますが、アスリートとしての引退を本人が下すのか、所属するチームが下すのか、またそのスポーツを継続する環境があるのかないのかによって、キャリア形成に対する決断が大きく異なってきます。


2、JOCの取り組み
少し脱線しますが、この2つを理解するのに日本オリンピック委員会(JOC)の取り組みも非常に参考になると思うので紹介します。https://www.joc.or.jp/about/carrier/

JOCではデュアルキャリア支援の取り組みとして「アスナビ」という制度をアスリートに対して提供しています。安心して競技に取り組める環境を望むトップアスリートと、彼らを採用し応援することで、社内に新たな活力が生まれることなどを期待する企業のマッチングを行い、お互いのWin-Winの関係を築こうというものです。

「アスナビ」は、デュアルキャリアを目指しているアスリート向けの制度だと言えます。

一方で「アスナビNEXT」という制度もあります。こちらは、トップアスリートが現役を引退し、次のステージへスムーズに移行する為の支援をする制度です。引退の際に「スポーツしかやったことがないから、自分はスポーツしかできない」とならないように、キャリアデザイン力(将来を構想する力)を高め、事前に準備しつつ、スポーツで培われたさまざまな能力を存分に発揮できるよう支援する制度です。

こちらは明らかにアスリートのセカンドキャリア支援制度です。


3、シンポジウム第1部:アスリートのビジネスでの可能性
さて本題のシンポジウムですが、まず第1部では「アスリートの企業貢献能力とその可能性」として一般社団法人アスリートデュアルキャリア推進機構 代表理事 奥村 武博さん(公認会計士 元阪神タイガース)の講演がありました。


奥村さんの活動には、私も前から興味を持っており、一度お話を伺いたいと思っていましたので、念願がかなった格好です。

お話では、スポーツとビジネスは、本質的に共通する部分があり、正解のない世界で目標を達成するために、個人はトライ&エラーを繰り返し、自分を成長させる必要がある。アスリートはこの考え方を経験的に身につけており、この「アスリート思考」により、以下のような能力を習得している。

・コンディショニング、メンタルコントロール
・データ活用、期待値計算
・タイムマネジメント能力
・プレイスピードの追求
・危機管理能力
・洞察力、注意力

アスリートはこれらの能力を持ち、多様性に富み、潜在能力が高いものの、現在の日本では有効活用ができていないというのが現状です。アスリートの大いなる活用を実現すべくデュアルキャリアを推進し、「日本のスポーツ文化を豊かに!」と訴える奥村さんでした。

私が強く共感している部分は、アスリートのビジネスに対する高いポテンシャルの部分です。スポーツを通じて経験的に習得したマインド、取り組む姿勢、経験値などは、群を抜いており、一連のものをビジネスに向けてトレーニングやコーチングすることで、高いパフォーマンスを発揮することは間違いありません。

講演後、質問をさせていただきました。

「アスリートが引退してビジネスの世界に入るには、大きな気持ちの切り替え、マインドのリセットが必要になると思います。この切り替えが円滑にできるようにするには、何か必要でしょう。どうしたらスムーズに進むでしょうか。」

奥村さんの場合は、球団より戦力外通告を受けたので、本人自身で気持ちを切り替えるしかなかったとのこと。クリアな答えはまだ持ち合わせていないものの、デュアルキャリア推進を通じてビジネスの世界で活躍するアスリート事例を増やしていくこと、またデュアルキャリアの考え方を若い世代(例えば、中学校や高校など)に対して浸透させること、これが答えを導く鍵になるだろうとのことでした。

4、シンポジウム第2部、3部:アスリート雇用(社員側、企業側)
第2部は「現役・元アスリートによるパネルディスカッション」ということで、スポーツコメンテーター八木沼 純子さんをMCにアスリートの生の声を聞きました。
・須河 沙央理 氏 <株式会社オトバンク 現役アスリート社員(陸上)>
・勝又 美咲 氏 <第一生命保険株式会社 女子陸上競技部OG>
・渡邉 由香 氏 <株式会社オフィス921 元セパタクロー日本代表>
・田岡 なつみ 氏 <株式会社マイナビ 現役アスリート社員(サーフィン)>

「アスリートは自分との対話をよくやっており、その方法が営業職に大いに活きると思う。」、「企業スポーツの時は仕事を絞っていただいてのでありがたかったが、実はもっとチャレンジな仕事がやりたかった」など、興味深い生の意見が上がっていました。


最後の第3部は「アスリート雇用についての期待と効果・雇用までの課題」ということで2社の経営者の方が登壇され、アスリート雇用についてフランクな意見が交わされました。

アスリート社員が社内にいることで、醸成される雰囲気や職場の一体感、アスリートとは言え1人の人材として育てないといけない責任感の話など、興味深い内容でした。

「エッジフォース にアスリート人材を雇用する」それを真剣に考えてもいい、ありだな思いました。

5、メディアへの掲載
さて最後に、シンポジウムに参加した姿(後ろ姿)がテレビに出たようです。お恥ずかしい 笑

「プライムニュースα」(フジテレビ)
アスリート「デュアルキャリア」で新たな生き方 仕事と競技の両立
https://www.fnn.jp/posts/00410957CX


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