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「2205」前章、上映終了です

「宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち 前章-TAKE OFF-」の劇場での上映も、本日で完全に終了しました。ご鑑賞いただきましたみなさま、どうもありがとうございました。Blu-ray等でこれからご覧になるみなさま、どうぞよろしくお願いいたします。前章、後章ともにプロップデザイン、セットデザイン、メカ作画監督を担当させていただいております。

今作への参加は、結城信輝さんにお声がけいただいたのがきっかけでした。これまで縁の力の導き、とか、とあるかたから、などと、1974年版で古代を目の前にして好きなひとをほのめかす森雪さんですかという感じにふわっとさせていましたが、ある日、今作の制作にかかわるかたから電話がかかってきて、結城さんからご指名がありましてと、お話をいただいた、というのが正確なところでした。

それがいつのことであったのかは、今後もふわっとさせたほうがいいだろうと思うくらい、お話をいただいた段階ではいろいろな設定が宙ぶらりんになっていて。別のかたの手でデザインは進んでいたものの、もう一声ほしいという設定画がいくつか、それから、手つかずの設定もいくつか。前者は、監督とそのかたとの間でやりとりを重ねてきたものでもあるので、基本的にはその方針を引き継ぎつつ、「2199」「2202」と続いてきた世界観へとチューニングしてゆくことを主軸に作業をしています。後者の、手つかずの設定には物語冒頭に登場する首輪などがあります。首輪は、結城さんによるキールのラフ設定をもとに、すでに絵コンテも描かれている、しかしこのままでは作画ができない!地球SOS!という状態で。これは大変と思いつつ、あぁこの大変さ、なんとも「ヤマト」らしい…と、なんだか懐かしい気持ちにもなりました。現在の「ヤマト」世界のものということで、首輪とはいえデザイン性もある、しかし装飾品としては体にやさしくない、なんというかグッズ化はしたくない感じで設定をつくってみています。

今作のデザイン作業では、すでにあるものも、新規のものも、「2199」「2202」からの流れの先にあるラインにすること、シリーズを続けてみてくださっているかたの目にスッと入りやすいデザインにすることを何よりも大切にしていました。それこそがふたつの航海に乗艦してきた自分にできることで、結城さんが声をかけてくださったのも、その部分が大きかったのだろうと思ったので。

たとえ参加していなかったにしても、「2205」は、土門かわいいな、でも、どこからともなく取り出したシートベルトを締めようとしてる虎鉄さんもなんだかカワイイ…などと楽しんでいたかとは思います。だからこそ、そんな気持ちで接しているシリーズに参加させていただけたことがとても嬉しくて。現時点での技術も可能なかぎり、それから、第2話の式典用のマイクの設定画の人物対比のシルエットは虎鉄さんふうのずんぐりとした体格にしてみたりと、作品世界に生きるひとたちへの仕事以上の気持ちも可能なかぎり投入してみたつもりです。

2022年2月4日より上映が始まります「後章 –STASHA-」も、よろしくお願いいたします。絵コンテなど、素材の段階で大まかなあらすじは知っていても、それがどんな映像になるのかはぜんぜん知らなくて。まだ知らない「新たなる旅立ち」にまた出会えることが、いまからとても楽しみです。

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