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【24歳OL】拒食から回復しても、心が不安定だったお話

みなさんこんにちは。摂食障害オンライン相談室を運営する、元摂食障害の心理士、渡邉茜(わたなべ・あかね)です。

この企画は、当カウンセリングの卒業後を追う企画。

今回ご紹介する卒業生は、拒食から自力で回復された一方で、心にずっと不安を抱えたまま過ごされていたマキさん(仮名)。
2022年に一度カウンセリングさせていただき、たった一度でメンタルの改善が大きく見られたので、お話を聞かせていただきました。

課題/回復のアプローチ

【マキさんカルテ】
■症状:
生きづらさ・食事のこだわり
■カウンセリング期間:2022年9月
■サポート内容
通話カウンセリング1回

■プロフィール
社会人2年目。食べているのに体の調子が良くならず、不安障害からのうつのような症状がずっと続いている。

※初回時の本人からの自己紹介
コロナ禍でのダイエットがきっかけで、2年前に拒食になりました。
今思うと6年前に母の元を離れ、自分で食事を用意しなければならなくなった頃から、食事に対する罪悪感が強く、カロリー制限を行ったり、チートデーには横になるのがきついほど食べてしまったりしていました。
「食べることが怖い」という症状はことしの3月くらいになくなり、今年の5月くらいからは食べる量も増やせ、最低35キロ弱だったところから、41キロくらいまで回復しました。
ここまでメンタル・フィジカルともに特に医者にかからず、あかねさんの動画等を参考に自己流で回復してきました。
現在は食事は罪悪感なく量も普通に摂れております。
拒食になって以来お菓子や食べる種類に関しては「健康的なものを食べたい」という意識があり、玄米やグルテンフリーのものを選ぶことが多いです。また、食後の満腹感がなんとなく不快でつい動いてしまうクセはまだあります。
体調の面では、食べ始めるとソワソワしてがっつき気味になったり、空腹時、食後の動悸や日常的に脈が飛ぶ感じがひどく、とても不安です。現在は拒食より、これらの症状に対する不安障害のような症状に悩まされているように感じます。
結果として日常が食事や体調の不安を伴っていることがつらいです。

■回復したのに、不安だけが残ってしまった
今回のマキさんは、「自力で拒食から回復したものの、心と体の不調を感じている」という相談でした。

まずは、今抱えている不安は「自信のなさ」からくるものであるように感じ、「今できていること」に注目することが大切だと考えました。

また、よくよく話を聞いてみると、ご家族の問題も抱えていたため、それに対する解釈も、いったん見直してみる必要性を感じました。

卒業1年後のインタビュー

【1】カウンセリングをうけようと思った理由

あかねさんの動画を見て自力で食べることが怖い状態から抜け出し、体重も増やせてきていたため克服したと自分では思っていましたが、「細くありたい」という気持ちや運動をする習慣はずっとありました。そのため、本当は自分はまだ摂食障害でから抜けられておらず、いつか症状がぶりかえすのではないか、過食に移行する日が来るのではないか、という不安が常にあり、自分で自分を信じられず鬱のような状態が続いていました。なので一度プロのカウンセリングを受けて自分を客観的に見てもらい、もう二度と摂食障害に戻らないと確信の持てる時状態になりたいと思ったてみたいと思ったため受けさせていただきました。

まず、YouTubeを見ただけで、これほどまでに回復できるものなのか!と、私はすごく驚きました。きっと自分に必要な情報を適切に解釈し、行動に落とし込むことができる賢い方なんだと思います。ただ、心のケアまでは、動画だけだとできないんですよね。勇気を持ってカウンセリングを受けていただいて本当によかったです。

【2】実際に受けてみて、カウンセラーあかねの感想

あかねさんご本人も元摂食障害ということで、精神と肉体の両面について抱えていた不安を安心して話すことができました。
私が言葉に詰まってしまってもスムーズに会話が続くよう促してくださり、とても話しやすかったです。
自力で克服していく間一人で病気と向き合う孤独感がありつらかったのですが、親身になって話を聞いてくださり、とてもありがたかったです。

わ〜ありがとう!!!

【3】実際に受けてみて、症状・生活・価値観の変化

毎日の運動や健康的な食べ物を選ぶことをやめられない一方、運動や食事のこだわりを捨てきれずいることに罪悪感を覚えており辛かったのですが、「食後の運動も運動不足解消だと捉えてみたら」と言っていただけたことで、完全に辞めなくてもいいんだ、と思え、気が楽になりました。食事のこだわりや運動を100%辞めないと完治でないと思っていましたが、そこにも自分の白黒思考が隠れていたことに気づきました。
ずっと抱えていた不安をカウンセリングで吐き出せたことですごく心が楽になり、心身の波がすごく穏やかになりました。
また、これまで自分にいいところは一つもないと思っていましたが、あかねさんに「人柄が好き」と言ってもらえたことがとても嬉しく、自分ではわからない自分のいいところを人は見てくれているということに気づかことができました。

そうですね、最近よく私は強調していうようにしていますが「症状ゼロ」にこだわらなくていいということ。例えば、マキさんの場合は、きちんと毎日出社し、健康を維持できる食事を食べることができています。そこに、多少運動強迫があったり、食事のこだわりがあっても、「生活するのに困らない程度」まで回復したのであれば、まずは現時点の自分にハナマルをあげてもいいのではないかと思いました。

ご自身も書かれていますが、考え方が極端になりやすいので、どうしても自己否定的な考えになりやすいんですよね。でも、お話を聞いてみると、新卒で入った会社が合わないと感じてきちんと転職したり、今の職場の人間関係も良好だし、心から信頼できる友達もいる。意外とできていることはたくさんあったんですよね。だから、「今できていること」をきちんと認めることが心の安定につながると思いました^^

【4】実際に受けてみて、苦しかったこと

私は食べることが怖い等の摂食障害の症状はなくなってからカウンセリングを受けたため、カウンセリング後の苦しさは特にありませんでした。
カウンセリングを受けて以降心身共にずっと楽になりました。

きゃ〜ありがとう!

【5】卒業を決めた理由(1回限りで満足した理由)

拒食時代から現在に至るまで今も毎日運動はしているし、日々の食事のこだわりもあります。しかしカウンセリング後に改めて最も痩せていた時の写真を見た時に「もうこの状態には戻りたくないな」と思え、二度と食べることが怖いという状態や摂食障害には戻らないと確信が持てたため、一回で満足しました。
元々美容に関心があったこともあり今も細くありたい気持ちはありますが、今は病気の時と違って食事や痩せることに一日中心も体も囚われる状態(=痩せが人生の最優先事項)ではなくなく、またをなぜ痩せなきゃいけないのか自分でもわからないがなぜかとにかく痩せていたい」という病的状態からは完全に抜け出せているということに、カウンセリング後自分と向き合ってみて気づけたため、卒業を決めました。

うんうん、自分の中で「これは病的な考えだな」というのをきちんと自覚できているからこそ、「今の自分は、病的な考えがない」ということに気づけるのだと思います。これはカウンセリング一回で気付ける気持ちではないので、私に出会う前からものすごく自分と向き合ってきたんだろうなという印象をうけました。

【6】卒業後の症状、体重、生活など

現在は生理も戻り、体重・bmiも健康的な数値に回復しています。
まだ食後に胃の違和感等がややあり体が食べ物に慣れきっていない感じはあるものの、食事も一日三食毎日問題なく摂れています。

卒業後に、「生理が回復しました!」と連絡が来た時には、も〜うれしかったです!生理は一つの「健康」の証だから、自信持ってくださいね。

【7】カウンセリングを受けようと迷っている方に一言

カウンセリングは摂食障害の克服だけでなく、自分を客観的に見つめなおす良い機会になると思います。
また、私は摂食障害の症状や悩みを人に吐き出すことで随分気が楽になりました。ひとりで病気を抱えず、勇気を出して「とりあえず一度受けてみる」をしてみてほしいと思います。

蛇足ですが、私はただ食べることが怖いだけでなく、摂食障害になって以降ずっと「自分の食べたいものがわからない」「摂食障害になる以前の自分がどんな性格・思考だったのか思い出せない」「本当の自分はどんな人間だったのかわからない」ということがとても辛かったです。食べることが怖い・食べられないといった症状だけでなく、私のような摂食障害に伴う精神的なつらさを抱えた人にもぜひ一度受けてみてほしいと思います。

彼女とお話しして、確かに摂食障害は食べることが怖い・食べられないという表面上の症状だけではないから苦しいんだということを改めて思い直しました。家族や社会に対し、過剰適応的に生きてきた結果、「自分の感情がわからない、自分の存在価値がわからない」という問題を抱え、それらが摂食障害の症状として現れただけなんですよね。だから、本当の意味での克服とは、自分の感情を取り戻し、自分の価値を感じながら生きられるようになることなんじゃないかと、彼女を見ていてそう思いました。

今回は、たった一回なのに、ここまで丁寧にお話を聞かせてくれてありがとう。また嬉しい報告でも、季節の挨拶でも、お待ちしています!これからもマキさんを心から応援しています。

摂食障害オンライン相談室公式HP

■毎週月水金17:00〜YouTube

■著書「摂食障害のしおり〜ダイエット依存を卒業する5ステップ〜

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