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手帳を自分で作った理由

普段仕事のひとつとしてキャリアコンサルタント、キャリアカウンセラーとして、大学の授業やセミナーでキャリアに関する話やワークライフバランス、ダイバーシティに関するセミナー等をしています。

一方、手帳を自主制作し、販売もしています。
文房具が好きなのですが「文房具として」というよりも「仕事も含む日常のキャリアを可視化する、未来をデザインするためのツール」として製作販売をしていますし、手帳の活用法についてもお伝えすることがあります。

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なぜ作っているのか、については以前書いたことがあるのですが、

改めて読むと、十分に言語化されていないなぁ… と感じていたところ。
昨年末、立て続けに聞かれた質問が

「手帳を自分で作るっていう発想は無かった」
「なぜ、自分でわざわざ手帳を作ろうと思ったんですか?」

でした。
これまで「手帳が好きすぎて… 」という言葉に集約していて、それも嘘ではありませんが。
今回は、もう少し詳しく振り返ります。

|わたしが手帳を選ぶポイント

まず、背景である手帳のこだわりポイントを。
手帳を使い始めてから、その時々の使い方や目的にあわせて手帳を選んできました。

ある時はシステム手帳で内容をカスタマイズすることにこだわり、持ち運びのしやすさから、軽さや小ささを意識することもありました。
またある時はデザインの個性やユニークさを求めていたこともありました。

そして、ここ数年。時間の使い方を意識した時に、3つの条件を満たす週間ページがある手帳を選んでいました。

1.月曜~日曜まで、同じサイズのスペースで書けること
予定の多い/少ないは日によってありますが、同じ1日には変わりないから。
書くスペースの大きさが変わると本当に多いのか、そうでも無いのかが見えにくくなる。(詰め込み過ぎを防ぐ)

2.バーチカル(1日分が縦で目視できるレイアウト)であること
1週間分、どの時間をどんな風に過ごしているのかが分かりやすいから。
曜日ごとの傾向なのか、イレギュラーなのか。それとも恒常化しているのかが見えてくる。

3.24時間書けること
1であげた条件の理由にも関連していますが、1日24時間はずっと同じだから。どんな過ごし方をしているのかを起きる時間、寝る時間も含めて確認したい。(特に20代の頃は仕事も際限なくやっていたし、呑み会等の自分の時間もできる限り削らずに過ごしていた振り返りも含めて。)

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市販されている手帳は数多ありますが、この3つのポイントをすべて満たす手帳となるとかなり絞られました。
また、3つのポイント以外にも、色々な手帳を使っているうちに「カレンダーではあまりこだわらないけど、手帳は月曜始まりが良い」というのも意識していました。

|完璧な手帳がどこにも無い

それでも、全てを兼ね備える手帳はなかなかありません。
例えばポイントにあげている「24時間書けること」以外は良いなと思う部分が多くて妥協したこともあります。
妥協した時は翌年には選択肢から外れました。

また理想のレイアウトであっても、
・自分にとって必要のないページが入っている
・ページ構成がしっくりこない
 例:月間ページと週間ページが1ヶ月ごとにまとめられている 他
・サイズが合わない
といった、些細なことだけど気になるところがあって「使いにくいなぁ」と毎年思っていたのでした。
時には理想の手帳に出会えても、自分のライフスタイルの変化で使いにくく感じることも。

結局「理想の手帳は作るしかない」という結論に至ったのでした。

|作る時に意識したこと

ライフスタイルや手帳を使う目的の変化があると、自分に合う手帳も変化する場合があります。それは、自分の経験上でも実感していました。

例えば、出産・育児で産休・育休を取得した時。
仕事をしている時はバーチカル形式のレイアウトでしたが、いざ産休・育休に入ると、育児が生活の中心になるので自分の予定はほとんど入りません。
育休から復帰した時もしばらくは時短勤務をしていたので、時間ごとに何か予定が入るような仕事ではなく、手帳はほぼスカスカ。
当時のわたしには書くことが無さすぎて、一気にモチベーションも下がりました。

その時の経験が基となり「どこに、何を書くのかを持ち主が自由にアレンジしやすい形にしたい」という想いでした。
だから「徹底的にシンプルなデザインにする」「週間ページはバーチカルの形ですが時間を表記しない」という2点は作り始めた時から変えていません。
表記する時間帯や始まりと終わりの時間がその時々にあわせて自分で設定できるようにしたいからです。

「一目見てわかりやすい、という点でレイアウトはデザインしても、時間をどう使うのかどのように書くのかを自分で決めるで決めることで、自分の時間の使い方を自分で決めて行動できるように」という想いも込めています。

働き方やライフスタイルが多様になった、と言われる昨今。
手帳も自由に多様なスタイルがあっても良いのではないか、と思っています。

ただ、自分でライフスタイルをこれからデザインしていきたい!と思ったとしても、いきなり自由度の高い手帳をどのように書くのかをスイスイ決めて書くのは難しいです。
わたしも自主制作したものの、ずっとやってきた書き方をベースにして少しずつマイナーチェンジをしています。

「どんな手帳が自分に合うのか」「どんな活用法が自分にとって良いのか」ということから「手帳を生き方も含めたキャリアデザインのためのツールにする」という提案もしています。


|アナログ手帳だからできること

最近は便利なスケジュール管理やカレンダーのアプリがたくさんあるので、紙の手帳を使わなくなった、という方も多いです。
たしかに、スマホを持ち歩く人も多いので手元の操作で簡単にスケジュールを入れることができるし、リマインド通知をしてくれます。
また家族や共に働くチームメンバーとのスケジュール共有もしやすいです。

それでも、紙の手帳だからできることもあります。
タスクやスケジュールだけでなく、想いや背景といったことも書けます。
定型の中に書くので一覧性が高いところや、すぐ取り出して確認や更新ができるのも良いところかなと思っています。

これだけ色々書いたけど、結局「手帳が好き」にたどり着くのでした。

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