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キャリアのターニングポイントは何年目?

どこの業界でもそうだが、キャリアには節目になるタイミングがある。それぞれで人はどんなことを考えて転職に踏み切るのだろうか。

ちなみに、これらのタイミングは他社との比較がシビアになされる時期なので、給料を引き上げるタイミングとなりやすい。

石の上にも3年

「3年で辞める若者」というのは仕事が長続きしない人間を連想させるフレーズである。ブラック企業であればこの限りではないが、3年というのは仕事の輪郭がおぼろげながら見えてくる時だ。

知識がある程度蓄積して、点と点が線でつながり始めるのがこのタイミングである。この手前で辞めてしまうとなったら、早々に頭角を表す分野でしか仕事ができないということだ。

私も今の所属に異動してきたときはじめに言われたのが、「この仕事は習得するのに3年はかかる。そこでものになれば長くいることになると思うよ」というものだった。

3年は、どうやら仕事の適性を見極めるのにかかる時間ともいえるようだ。4年以上ひとつの部署で仕事をし続けているということは、その仕事に適性ありとみなされているということである。

さらにいうと、一度別の部署に行ったのに、また同じ部署に出戻ってくる場合、余人をもって変えがたい人材であると太鼓判を押されたといってよい。

逆にいうと、「この仕事は嫌だな、続けたくないな」と思ったら、3年以内に離脱する方策を考えた方がよい。異動希望を出し、自分が希望の部署で貢献できる理由をしっかり詰めておくのだ。

転職の間口が変わる6年目

新卒の22歳で就職した場合、6年目は28歳になる。30代になるといよいよもって他の職種にチャレンジするのは難しくなる。

しかし、28歳というのは30代まであと2年の猶予があり、新しい分野に挑戦できる最後のチャンスに差し掛かっている。

転職の候補先が大きく絞られてくるこの時期も、決断のしどきである。逆に何も動かないのであれば、自動的に「この道で生きてゆくと決めた」とみなされる。

悩ましいのは男女共に結婚適齢期がこの時期に重なっていて、人生の決断すべき事項が非常に多いことだ。

終身雇用が当たり前の時代であれば、結婚の決断に力を入れられたかもしれない。

しかし、転職が当たり前の現代では、「キャリアの決断と結婚の決断の時期をずらしたい」という思惑も、晩婚化に拍車をかけているように思う。

進む道が定まってくる10年目

ここを過ぎればもう立派な業界の人間だ。自分でも知らず知らずのうちに、組織や業界の論理に染まっているはずである。

新卒で入社して10年目となると32歳、社会人として最も脂の乗ったタイミング。

人事ローテーションのある会社だと、この段階で何部署か経験して会社の事業構造が徐々に見え始める時期でもある。

長く働き続けることを意識するならば、この辺りで自分たちのやっている仕事を一度再定義したほうが良いかもしれない。

私の予想だが、これからの生命保険は「サービスの付属品」になる傾向が強まると思う。

例えば、スマホを契約する時に、機器の故障に備えた保険加入を勧められて、なんとなく契約している人も多いのではないだろうか。私は以前に加入を断ったことがあって、店員さんとかなり険悪なムードになった。

サービス提供時は「関連する保険に入って当たり前」という空気感を醸し出しやすい。

各種健康関連のサービスにどれだけ入り込めるかが、これからの生命保険の成否を決めるだろう。

ただし、生命保険会社は法律により自身で健康関連事業を行うことができないので、買収や業務提携など通じて間接的に関与することになる。

健康サービスの価値向上を自らでハンドリングできないので、もどかしさを残しながらの運営となりそうだ。

ノウハウを吸収した後、自分たちで子会社を立ち上げるのも理論上は可能かもしれないが、生命保険の人間が医療事業の深いところまで踏み込むというのは、かなりの変わり者でなければやらないだろう。

むしろ医療サービス提供者で保険のセンスがある人間が、新しい局面をリードしてゆくのではないだろうか。

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