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AUTOMATIC BGM GENERATOR ~ ループしないBGM

街にある「聴くことが目的ではない音楽」

普段生活していると「聴くことが目的ではない音楽」が、少なくはないように感じていまして。主にこれらは「BGM=バックグラウンドミュージック」という括りになるんだと思いますが、商店街の表通りや店舗や待合室とかとか、何かしらの音楽を流して場を埋めている音楽。BGMには「空間演出」という機能が持たされているという解釈もありますが、果たして全てそのような機能を満たしているのかなと疑問に感じることもあります。

音楽と無音の間にあるニーズ

上記の疑問を感じる理由として、ただただTVをつけっぱなしている空間があります。飲食店とか、処方箋専門の薬局や病院の待合室もそうかも。そうなると、その機能の目的は「演出」ではない。
ただ「無音を避けたい」ということではないかと。

なにか新しいニーズ・価値がありそう。

”別に「音楽」が聴きたいわけではないけれど、「無音」は雰囲気がなんか嫌なんだよなぁ...”という感覚。

ループしないBGM 終わりのないBGM

シ〜ンとした無音空間はもちろん心地よい時もあるのですが、空間の目的と乖離していると、張り詰めた緊張感や恐怖感が出てしまったり、話し声や物音など自分以外の存在がやたら気になってしまったり、良くない方向にコントラストを上げてしまうことがあります。だから「何かしらの音を...」ということで音楽をかけたり、TV/ラジオをつけたままにしたりするのではないかなと。音楽が聴きたいわけではなく。

しかし、TV/ラジオ音声ですと観ていない人にとっては雑音になりかねないですし、音楽では好みのズレがあったり、時にはメッセージ性が強すぎる場合もあります。曲間の無音も気になります。また、せっかく音・音楽を鳴らすのですからやはり「演出」「空間体験の価値向上」「ブランディング」という視点も活かしたいところです。そういう意味では、オリジナルのプレイリストを作成して流す、という動きも多くみられるようになってきましたが、たまに「またこの曲か」と、音楽は記憶しやすいだけにループ感が生まれてしまいやすいです。

・TV/ラジオ音声は、視聴していなければノイズになりうる
・音楽は、好みや内容などの影響が大きい
・音楽は、ループ感が出やすい
・TV/ラジオ音声も音楽も、無音になる時がある

上記の点を踏まえて「ループしないBGM」「終わりのないBGM」という構想が生まれました。以下より「AUTOMATIC BGM GENERATOR」を体験ください。

AUTOMATIC BGM GENERATOR
https://www.db-system.jp/alpine2/automaticbgmgenerator/

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Planner:西田敬, 渡辺洋平(ALPINE ELECTRONICS MARKETING, INC.)
Planner, Sound Designer:日山豪 (ECHOES BREATH)
Producer, Project Manager:津留正和 (kusabi inc.)
Design Director, Designer:宮坂亜里沙 (SHIFTBRAIN)
Developer:安友裕秋 (SHIFTBRAIN)

掲載メディア
BARKS
JDN
block.fm

プログラムは「箱」     音は「中身」

いかがでしたでしょうか。長いあいだ"聴き流して"いただいけていたら嬉しいです。
今回のシステムは、冒頭のメッセージにありますようにコロナウイルスの影響により'おでかけをガマンしている みなさまへ'というテーマのもと、制作いたしました。ピアノやギターなどの楽器の音に加え、鳥のさえずりや川のせせらぎなどの環境音を多用し、山の中にいるようなイメージを想起させるリラックス効果のあるサウンドにデザインしています。

あくまでも、プログラムは「箱」、音はそこに入れる「中身」です。

全てのサウンドを環境音にして、よりヒーリング効果を持たせたBGM。
ピアノソロやダンスミュージックなど、多ジャンルによる表現。
ブランディングの観点を用いたオーダーメイドサウンドデザイン。
中身に何を入れるかを丁寧にデザインすることで、モクテクニあった、より効果の高い自動BGM生成システムを構築することが可能です。

オンライン化 ・ ハードウェア化 〜 今後の展望

前記の「AUTOMATIC BGM GENERATOR」はオンラインで展開しておりますが、現在ハードウェア化にも対応しています。再生機器は、手のひらサイズ。スピーカーにオーディオ機器と同様なかたちで接続し、電源を入れれば自動生成が始まります。誰でも簡単に設置が可能です。

『AUTOMATIC BGM GENERATOR』は、「音楽がかかっていると煩わしいが、無音だと寂しい」といった均整のとれたサウンドスケープが求められる空間で効果的なシステムともいえます。各種店舗やオフィス空間、マンションの共用部などへの適用が期待されます。

これからも「AUTOMATIC BGM GENERATOR」の活用法を考え、「新たなBGMのあり方」について探求していきたいと思っています。

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