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きょうのぽんぽこ

春がきました。4月です。
3月はライオンのように訪れ、子羊のように去っていく。
(イギリスのことわざ)

今年は、長女の気分の変調が激しくならず、比較的穏やかな日々が続いています。
なによりです。
昨年と比べると、季節の変わり目をうまく乗り越えているようです。
それは、長女が年を重ねたからかもしれないし、母が神経内科クリニックの名誉院長の教えを、しっかり守っているからかもしれません。
ほめる、ありがとう、ごめんね、を言い続ける毎日です。
これが結構難しいのですが、私の心の中が、いやあな気分にならないですむので助かります。

さて、長女の起床の儀式が変化し、最近は「ぽんぽこ」になりました。
平成狸合戦ぽんぽこというアニメがありましたが、わがやでは、
令和親子合戦ぽんぽこと名付けました。

♪いつでも誰かが、きっとそばにいる~♪(上々颱風)

今までは、朝、「えんやとっと」「おおきなかぶ」「ふたありおばけ」などの儀式(おゆうぎというか、なんというか)をしながら、さあ、起きてねとやってたのですが、この1週間は、「ぽんぽこ」です。
今までも、不定期に時々登場していた「ぽんぽこ」ですが、この度、朝の儀式不動のレギュラーの座を獲得したようです。

これは、長女のお気に入りのタオルケットを使います。
親子ふたりでひっぱりあっても、やぶけない、非常に丈夫な今治タオル。
さすが今治タオル。
朝起きて着替えたあと、さすがの今治タオルのタオルケットをお腹につめた長女が、2階の自分の部屋から階段を下りて、1階のリビングに来ます。

パジャマを入れた袋、ハローキティのぬいぐるみを入れた袋など、たくさんの大荷物を両手に持って、大きなおなかで階段を下りてくるという、考えようによっては、大変危険な行動です。
そして階段の途中で
「とまっちゃったあ。」というので、私がワイヤーを引っ張るふりをして、
「はい、一段。それ、もう一段。」と掛け声をかけて、階段を降ろします。
やっと、リビングに着くと大きなおなかのまま、「曲芸少女キティちゃん」をやって、パジャマを洗濯物のかごに入れて、そうしてやっと、
「はい、ぽんぽこ。」と私の前に立ちます。

「きょうのぽんぽこは何かな?」と聞くと、
「はい、きょうは、かめです。」とか、
「はい、きょうは、おばけです。」などと答えます。
それを聞いたら、私が
「はい、かめのぽんぽこ。」などと言って。お腹からタオルケットを出すのです。
どう考えても、50歳のおばさんと、74歳のおばあさんがやるようなことではないですね。

でも、この一見ばかばかしい、儀式というか、ゲームというか、まあ、ルーティンと思えばいいか。これをやることによって一日が始まるのだから、まあいっか。

この話を三女が来た時にしたら、げらげら笑われてしまいました。
でもね、私は、世界各国の数えきれないほどの映画を見てきているので、まあ、こういうのも、あるんじゃないのかしらって素直に思えるんです。
別のマルチバースでは、私、手ごわい敵と戦ってますしね。

でもきょうのぽんぽこには、まいりましたよ。
「今日のぽんぽこは、何ですか?」と聞くと

「きょうのぽんぽこは、はなくそです。」

それを言ったときの長女の得意げな顔ったら!


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