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使える!フランス語辞書アプリ

ボンジューる(ひらがな表記はRの発音です)、まりです!

さて、今回は仏語辞書アプリについて見ていきたいと思います。初級〜中級用、中級以上にオススメのものを紹介します! ※今回も長めです。

外国語学習は、日常どれだけその言語に自分の脳の活動を費やしているかによって上達のスピードが変わってきます。自分の生活において、如何にフランス語が日常的な存在になるかにかかっているってわけです。それは、自分がどこにいようが同じこと。

いつでもどこでも、すぐにフランス語のことを考え、調べることができる環境に自分を置いておくってとても大切です。テクノロジーの発達により今はそれが可能なんですから、むかし苦労した身としては、現在の学習者は本当に恵まれているなぁって思ってしまいますよ!!

そうです、いつでもどこでも、といえば、スマートフォンですよね〜。

いまやどこに行くのにも、必ず携帯しているスマホにフランス語辞書のアプリを入れておけば、少なくとも

「調べようと思ったんだけど、ツールを持っていない」

ってな言い訳はできなくなります (´ε` )

散歩していた時にふと「あの言葉ってなんだったっけ」と思い出したとか、
テレビやラジオから聞こえてきた言葉が気になった時とか、
新聞・本・ウェブマガジンなどでフランス語の記事を読んでいる時とか、

アプリならすぐに取り出して調べられてしまいます。ファンタスティック!

無料のアプリもありますが、間違えた情報を得てしまったり、調べなおしたりする無駄な時間を減らすことができるので、やっぱり信用できる辞書出版社から出ているちゃんとしたアプリの購入をお勧めします。

大学やプライベートの生徒さんたちを見ていると、いまだに電子辞書率が高いのですが、コスパ(3万〜5万円の価格、ガラケーのようなスーパーめんどい使い勝手、微妙に持ち運びにくい大きさ、更新できない) を総合的に考えても、電子辞書はお勧めしません。

前回の記事、初心者用の紙辞書と合わせて使い方を比べてみてくださいませ。

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1. プチロワとクラウン、アプリの仕様と使い方
2. 英⇔仏辞書のおすすめアプリ
3. 辞書アプリで学習する場合の注意点

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1. プチロワとクラウン、アプリの仕様と使い方

※プチ・ロワイヤル仏和辞典は2020年12月に新版が出ています。以下の記事に新版(第5版)のレビューがあります。また、辞書アプリについても仕様が変わっていますので、こちら↓をご覧ください。


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中級以上にはロベール 仏和大辞典

中級以上となって、フランスの新聞・メディアなどを読む機会が増えてくると、プチロワだけでは物足りなくなってきます。そんな時にご登場願うのがプチロワと同じ物書堂から出ているアプリ小学館 ロベール 仏和大辞典。

小学館 ロベール 仏和大辞典 ¥5,800

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残念ながら ロベールは iPhone / iPad 版のみです。

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プチロワと同じデザイン・機能で、ロベール⇔プチロワ間のジャンプができます。もちろん、大辞林にも飛べます。ただし、和仏が付いているわけではないので、和仏検索する時には成句や用例欄から行います。

ロベールで重要なのは、殆どの語のページに「語源」が載っているということ。ラテン語やギリシャ語の語源や、古フランス語、スペイン語からのルーツなどをチェックすることができます。

また、哲学などの学術用語や技術専門用語も載っているので、商業翻訳をする時なんかにもありがたいです。

クラウンは... ?

さて、クラウン仏和辞典 第6版 のアプリですが・・・

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まず、和仏がついていないので¥2,900となっています。ロベールのように用例から日本語検索をすることができますが、あまり性能はよくありません。紙辞書はあんなに使えたのに...><..

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例えば「考える」だけを入れても、意訳された例がドサドサでてくるので、どの語を使えばいいのかさっぱり・・・初心者には適切な選択は無理です。

クラウンが売りにしているのがマーカーメモ。たしかに、自分の好きな部分にマーカーを引いて色ごとにリストすることができるので、自分で色を決めておくと後で見直す場合に便利かもしれません。しかし、その機能があるがために、語単位で反転できずコピペにもモタモタ、語のジャンプもさっと出来ません。辞書間ジャンプもいちいち設定しなくてはなりません。

それにしても、ここでもやっぱり足を引っ張るのがインターフェイスのデザイン。もっさりした表示は現在の端末バージョンに似合わず古臭く、タブレット版はスマホ版をただ拡大しただけなので、むちゃくちゃ使いづらい。

クラウンを見ていると、つくづくUI (ユーザーインターフェイス)って大切だなぁと思います。プチロワにはもうかなわんと考えて、紙のユーザーに力を入れているんだろうな…。(さっき見たら紙版の初心者用辞書が発売になるみたいでした)

クラウンアプリは、例えばプチロワで調べた時にいい例が載っていないとか、詳しく解説が載っていないという場合に、ではクラウンではどうじゃいなと調べることがあります。また、仏和に特化していることから、インプットの作業を行う時、例えば新聞記事などを読む時に使い、覚えたい語や表現をブックマークして単語帳的に使うことができます。

ただ、私の場合はEvernoteを使った単語帳を使うため、結局クラウンアプリはほぼ眠ったままになっていますzzz...


2. 英⇔仏辞書のおすすめアプリ

フランス語をもっと深く学んでいる方、大学で専攻しようと思っているとか、英語の知識をもっと活用したいとか、そもそも英語はかなり得意という方の場合、仏⇔和よりも仏⇔英の辞書の方が頭に入りやすいってことがあります。そんな方におすすめなのは

Dictionnaire Anglais/Français Editons Larousse ¥610  Android版は廃盤

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次回仏仏辞書アプリでも触れますが、仏版辞書アプリの素晴らしさは、全ての語にリンクが貼ってあるというところにあります。いちいち、その語句を長押しして反転させ、メニューを出さなければジャンプできない仏和辞典と違い、単語をクリックするだけで、その語のページにポンと飛ぶことができる。

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このラルース英仏辞典もそうなんですが、英仏双方向検索がとても楽にできます。検索語のページで、トップの中央にある⇔ボタンを押すだけで、フランス語で探すのか英語で探すのかを簡単にクルっとひっくり返せるし、検索した語のページで気になる語があれば、仏語でも英語でもクリックすればそのページに飛ぶことができます(ただし、英語は名詞と動詞が同じ綴りだったりすると、全部名詞に飛んでしまうところがちょっと残念...)。

さらに、ほとんどの語句や例文に音声がついています。ズラッと並ぶスピーカーマークには感動してしまう。もちろん、英語で検索している時は対訳のフランス語を音声で聞け、仏語検索の場合は英語の対訳文が音声で聞けます。

辞書としては、厳密な言葉の定義というよりは使い方の例を探すのに向いていると言えます。

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Collins-Robert Concise French Dictionary ¥ 1,800

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Collinsも老舗の辞書ブランドですが、Le Robertと手を組んで作った仏英辞典は紙時代からとても優秀でした。

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このタバコ大サイズのかわいい英仏辞書は、フランスに留学して、まだ新学期が始まる前に初めて本屋さんで買ったものです。すごく安かった気がするけどいくらか覚えていないや…多分10€しなかったと思います。

アプリ版も辞書の内容については充実しています。ただ、ちょっぴりインターフェイスが使いにくい。

ラルースのように、全ての語にリンクが貼ってあるので、英仏間を自由に行き来できるんですが、ページに飛ぶ、というよりも、AからZまでのすべての項目がだーっと長いリストになって一枚の巻物に書かれていて、目的の語ところにジャンプする作りなので、目的の語をクリックしたつもりが間違えて活用部分に飛んでしまったり、そこから戻れなかったり、活用形をクリックしたら英語の名詞に飛んでしまったり、とアタフタすることがあります。

また、collinsには音声がついていないため、発音は発音記号でしか確認できません。そのへんも含めて、ラルースの方が安くて使い勝手がいいです。

ラルースもコリンズも、表現やイディオムは載っていますが、文法的な解説はありません。そのため、ある程度フランス語の初級文法がわかっていないと使いこなすのは難しく、あくまでサブ辞書と考えてくださいませ。


3. 辞書アプリで学習する場合の注意点

 これだけ便利なので、効率が良くなった分、当然頭に残るはずもなく、ボキャブラリーを増やしたい場合には何らかの努力が必要になります。

便利になればなるほど自分の頭を使わなくてよくなるわけですから、そりゃ記憶にも残す必要がないと脳が判断するわけです。

見れば一瞬で全て覚えられる能力を持っている人の場合はそれほど困らないんですが、そうでない私のような凡人タイプは、例えば、ノートを作り、覚えたい語を含めた文章にして書き、通勤・通学中などに見て覚えるなど、手を動かさなければいつまでたっても覚えられません。

そういう意味で、危険なのが「活用一覧」です。辞書の最後に載っている活用の早見表や、様々な動詞の活用だけが書いてあるBescherelle などの便利な本がありますが、それが手元にあり、いつでも確認できることによって、却っていつまでも活用を覚えられず、試験があったりするとそれは酷い目にあってしまいます(実体験)。

覚える、といえば、思い出すエピソードがあります。。。

大学で受け持ったある学生は、1学期も2学期の中間も赤点続き。しかし、私の受け持ちは高い学力がなければ入れないような学部の学生で、彼も決しておバカさんではない。確かに、他の学生よりは私の話を散漫に聞いているってことはあったんですが、努力をしていないわけではありませんでした。

そんな彼が、最後の期末試験で80点以上の高得点を取りました(過去形、条件法、接続法などが出てくる簡単ではない試験です)。やったじゃん、と言ったら、彼はとてもうれしそうにニコニコしながら一冊のキャンパスノートをいそいそと持って来ました。そこには、鉛筆の黒々とした字で、活用練習がぎっしり書き込まれていました。

「△△(彼のクラスメイトでフランス語の成績がよい)の家に遊びに行ったら、机の上に活用だけ書きまくったノートが置いてあって、なんだ、ああやって何度も書いて練習すればいいんだって思って、ぼく、真似してみたんです」

大学生以上の大人になってくると、そういう地味な努力のことを忘れていたり、語学はそんな漢字の書き取りみたいなことをするものじゃない!って勝手に思い込んでいたり、苦手だからやらない、なんてことがあります。

でも活用を覚えるには、5回書いて声に出す、のような練習も絶対に必要です。人によっては書かなくても耳で聞き、目で読んで声に出すだけでも覚えられる場合もあります。なんにせよ、ちょっとした負荷を与えてやらないと、魔法のようにできるようにはならないんですよね〜。

(なので、「すぐに話せるかんたんフランス語!」的なタイトルの参考書を見かけると、つい心の中で舌う...ゲフンゲフン)

ただひたすら活用を覚えていても話せるようにはなりませんが、イマイチ会話が苦手だったり、上手く話せないという人は、実は活用がちゃんと頭に入っていないことが理由だった!ってこともあります。

伸び悩んでいる方は、活用練習を見直してみるといいかもしれませんね!

では、長い記事にお付き合いありがとうございました!
次回は仏仏辞書編です。

アビアント〜!



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