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〇『ヒッツヴィル:ザ・メイキング・オブ・モータウン』~ドキュメンタリー映画日本でも2020年9月18日公開へ

〇『ヒッツヴィル:ザ・メイキング・オブ・モータウン』~ドキュメンタリー映画日本でも2020年9月18日公開へ

(本作・本文は約3300字。「黙読」ゆっくり1分500字、「速読」1分1000字換算すると、6分から3分。いわゆる「音読」(アナウンサー1分300字)だと11分くらいの至福のひと時です。ただしリンク記事を読んだり、音源などを聴きますと、さらに長いお時間楽しめます。お楽しみください)

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〇『ヒッツヴィル:ザ・メイキング・オブ・モータウン』~ドキュメンタリー映画日本でも2020年9月18日公開へ

【Documentary Movie “Hitsville : The Making Of Motown" Will Be Released September In Japan】

60周年。

1959年1月にベリー・ゴーディーによって設立されたモータウン・レコードが昨年60周年を迎え、これを記念して製作されたモータウンのドキュメンタリー映画『ヒッツヴィル:ザ・メイキング・オブ・モータウン(邦題:メイキング・オブ・モータウン)』が日本でも2020年9月18日(金)から東京・ヒューマントラスト・シネマ渋谷ほか全国で公開されることになった。本作品は、全米では2019年8月24日に公開された。

日本版映画サイト

同映画のサウンドトラックは日本でも2019年10月一足先にリリースされている。また、映像作品(DVD、ブルーレイ)はアメリカでは2019年10月にリリースされている。

予告編


https://www.youtube.com/watch?v=3cCHrx4FTR0


https://www.youtube.com/watch?v=sTbb39iNNqo&feature=emb_logo

ここでは、モータウン創始者ベリー・ゴーディーとその親友でもあり、モータウンを一緒に支えたスモーキー・ロビンソンの二人を軸に、様々なヒット曲が生まれたエピソードや、モータウンの創成期からブレイクし、ロスアンジェルスに本社を移動させるあたりまでを振り返る。

ベリー、スモーキー以外にももちろんモータウンのアーティストたちが多数出演する。登場するアーティストたちは次の通り。(selfは本人が登場の意味)

Cast (in credits order)

Berry Gordy Berry Gordy ... Self
Smokey Robinson Smokey Robinson ... Self
Stevie Wonder Stevie Wonder ... Self
Mickey Stevenson Mickey Stevenson ... Self
Valerie Simpson Valerie Simpson ... Self
Eddie Holland Eddie Holland ... Self
Brian Holland Brian Holland ... Self
Lamont Dozier Lamont Dozier ... Self
Robin Terry Robin Terry ... Self
Mary Wilson Mary Wilson ... Self
Abdul 'Duke' Fakir Abdul 'Duke' Fakir ... Self
Jamie Foxx Jamie Foxx ... Self
Martha Reeves Martha Reeves ... Self
Dr. Dre Dr. Dre ... Self
Claudette Robinson Claudette Robinson ... Self
Lee Daniels Lee Daniels ... Self
Annette Beard Annette Beard ... Self
Paul Riser Paul Riser ... Self
Otis Williams Otis Williams ... Self
Suzanne De Passe Suzanne De Passe ... Self
Shelly Berger Shelly Berger ... Self
Barney Ales Barney Ales ... Self
Brenda Boyce Brenda Boyce ... Self
John Legend John Legend ... Self
Neil Young Neil Young ... Self
Marlon Jackson Marlon Jackson ... Self
Miller London Miller London ... Self
Little Richard Little Richard ... Self
Kevin Lee Kevin Lee ... Self (as Coach K)
Jermaine Jackson Jermaine Jackson ... Self
Tito Jackson Tito Jackson ... Self
Jackie Jackson Jackie Jackson ... Self
Rosalind Ashford Rosalind Ashford ... Self (as Rosalind Ashford-Holmes)
Sam Smith Sam Smith ... Self
Adam White Adam White ... Self
Suzanne E. Smith Suzanne E. Smith ... Self
Nick Ashford Nick Ashford ... Self (archive footage)
Aretha Franklin Aretha Franklin ... Self (archive footage)
Michael Lovesmith Michael Lovesmith ... Self (archive footage)
Maxine Powell Maxine Powell ... Self (archive footage)
Diana Ross Diana Ross ... Self (archive footage)
Norman Whitfield Norman Whitfield ... Self (archive footage)
Rest of cast listed alphabetically:
Florence Ballard Florence Ballard ... Self (archive footage) (uncredited)
Marvin Gaye Marvin Gaye ... Self (archive footage) (uncredited)
William Guest William Guest ... Self (archive footage) (uncredited)
Gladys Horton Gladys Horton ... Self (archive footage) (uncredited)
Michael Jackson Michael Jackson ... Self (archive footage) (uncredited)
Mable John Mable John ... Self (archive footage) (uncredited)
Eddie Kendricks Eddie Kendricks ... Self (archive footage) (uncredited)
Gladys Knight Gladys Knight ... Self (archive footage) (uncredited)
Merald Knight Merald Knight ... Self (archive footage) (uncredited)
Edward Patten Edward Patten ... Self (archive footage) (uncredited)
Lionel Richie Lionel Richie ... Self (archive footage) (uncredited)
David Ruffin David Ruffin ... Self (archive footage) (uncredited)
Tammi Terrell Tammi Terrell ... Self (archive footage) (uncredited)
Mary Wells Mary Wells ... Self (archive footage) (uncredited)
Kim Weston Kim Weston ... Self (archive footage) (uncredited)

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ゴーディー。

登場人物の中には、アーカイヴ映像の使用もあるが、故人となった人も多い。リトル・リチャード、ホイットニー、ニック・アシュフォード、ノーマン・ホイットフィールド、バーニー・エイルズなどなど。


ブログ ヒッツヴィル2 モノクロ モータウン前の芝生

(2648ウェスト・グランド・ブルヴァ―ドのモータウンの前の芝生で)

モータウン・レコードの会社組織としてどのようにしていったか、専属バンドをどのように作っていったか、ベリー・ゴーディーがどのようにしてテレビをうまく使っていったかなどおもしろいエピソードなどとともに語られる。ベリー・ゴーディーがとにかくごきげんによくしゃべる。

スティーヴィー、マーヴィン・ゲイ、マイケル・ジャクソンなどが登場したときのスタッフたちの驚きの声などもまとめている。

おもしろかったのは、スモーキーとベリーでマーヴィン・ゲイの「アイ・ハード・イット・スルー・ザ・グレイプヴァイン(邦題、悲しい噂)」の話題になったとき。スモーキーは、これは最初はミラクルズが録音し、次にグラディスが録音しヒットさせ、そのあとマーヴィンが録音して再度ヒットさせた、という。するとベリーが「いや、ちがう。録音はマーヴィンが先でグラディスは後だ」という。「じゃあ賭けるか?」と言って100ドルをかけ、スタッフに電話をすると、マーヴィンが先だ、と言われ、スモーキーが渋々100ドルを渡すというシーン。彼らがギャンブル好きという話はベリー・ゴーディーの自伝などにも出てくるが、まさかその一端がここで出てくるとは思わなかった。きっと、ゴルフ場でも、どこでも何かと言えば賭けてるんだろうな、と思った。(笑)

ブログ ヒッツヴィル3 シュープリームス カラー

(シュープリームス、左からフローレンス・バラード、メリー・ウィルソン、ダイアナ・ロス)


映画ではジョン・レジェンドやドクター・ドレ、ジェイミー・フォックスなどのアーティストもモータウンについて語る。

新しい発見としては、当時のユニオン(組合)の規定でシンガーとバンドは一緒に録音しなければならなかったということ。彼らはしばしばトラック(カラオケ)だけ作って後からシンガーをいれて録音するということをやっていたが、それは基本的にはユニオン規定では違反だったようだ。そこで、あるとき突然ユニオンの抜き打ち検査がはいることになり、バンドはいたがシンガーがいなかったので、秘書をしていたマーサ・リーヴスが急遽スタジオに入って歌を録音。それがよかったので生まれたのが「ダンシング・イン・ザ・ストリート」だったという。


また、スモーキーがライヴァル・プロデューサーとしてノーマン・ホイットフィールドをあげていたことも興味深かった。

それにしても、ベリー・ゴーディーのヒット曲を作る上での嗅覚のすばらしさといったらない。また、金曜日のリリース会議の様子もおもしろい。リアルな当時の録音が残っているというのもすごい。

ブログ ヒッツヴィル10  モータウン金曜朝会議? 

プロモーションでも大きな力となった白人のイタリア系のバーニー・アイルス。彼を雇ったことで、モータウンの曲が多くの(白人)ラジオ局でもプレイされた。「白人のラジオ局でプレイされないと言われても、僕らの音楽は『ブラック・ミュージック』じゃなくて、『ブラック・アーティストが作るミュージック』なんだって主張したんだよ」

ベリーがスモーキーに「君はあまりダンスもうまくないが、ダンスしようとしたよな」というと、スモーキーが「何を言ってるんだ、マイケルに踊りを教えたのは僕だよ」と言って笑いを取る。この二人は抜群の漫才コンビだ。

オプラがシュープリームスが初めて『エド・サリヴァン・ショー』に出たときに、「カラー・ピープルがテレビにでてる、カラー・ピープルがテレビにでてる」と話題になったと言っていたが、当時は黒人がこうしたテレビに出ることは大変珍しかったのだ。ただ、それを「カラー・ピープルがテレビにでてる」という表現には、最近のブラック・ライヴズ・マター関連で、ちょっと驚いた。

それにしても、モータウンというのは、なんとアメリカン・カルチャーの一端を担ったことだろう。やはり、ベリー・ゴーディーという才能あふれた商売上手な人物がリーダーシップを取って物事、人々を動かしたんだな、ということが改めて感じられた。

ブログ ヒッツヴィル5 ベリーとスモーキー

(左・スモーキー・ロビンソン、右・ベリー・ゴーディー)

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『ヒッツヴィル:メイキング・オブ・モータウン』
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DVD(アメリカ盤)


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モータウンをよりよく知るために

モータウンと言えばベリー・ゴーディーの自伝。ベリーが語った自伝でこのドキュメンタリーを文字にしたようなもの。

モータウン、わが愛と夢 (日本語) 単行本 – 1998/12/10
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同サウンドトラック


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モータウン・ミュージック (日本語) 単行本 – 1987/10/1
ネルソン ジョージ (著), 林田 ひめじ (翻訳)


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マーヴィン・ゲイ~引き裂かれたソウル デイヴィッド・リッツ著、吉岡正晴訳 スペースシャワー・ネットワーク 3024円 2009年5月28日発売

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