冬。ツンとしたから

1月12日

去年まで働いていた学童保育に通う子供と、デパートでばったり会った。

彼女は小学3年生。

ころらが先か彼女が先か、顔を合わせるなり自然に顔の表情がほころんだ。

彼女は、感情が大きく不安定な波にさらされていた時期もあったが、

今はとても穏やかな笑顔をみせてくれている。

当時の彼女に私がやったこと。

それは、私自身が経験してきたもののなかから無理やりにこれはと思う言葉

を彼女に投げかけるだけで、特段なにもできてはいない。

聞こえをよくすると、この状態を試行錯誤というのだろう。


しかし、彼女は、自分のちからで、今のところの納得のいく「点」を見つけ

たのだ。

私は、彼女に敬意を覚える。


「さようなら」とお互いに手を振って外へでる。

鼻先に冷たい風がかすっていったと思ったら、「ツンッ」と鼻の奥と喉の

あいだらへんが洗濯ばさみでゆるくつままれた気配があったので、

意識を赤から青に変わろうとしていた信号に集中させて、

早歩きで歩いて行った。


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