ChatGPT薬剤師③~睡眠薬~
今回は睡眠薬について
早速処方例を
マイスリー錠5mg 1錠 分1 就寝前 30日分
最近はデエビゴやベルソムラが台頭してきていますが、それでも見かけることの多い処方です
まずはマイスリーの説明をお願いしました
ちょっとばっかり困ったことに、マイスリーで説明をお願いするとエスシタロプラムの説明をしだしました
そしてレンドルミンについて聴いてみると、ゾルピデムの説明を始める
どうも一般名と商品名の結びつきが上手くいってないようですね
なのでマイスリーではなくゾルピデムについて教えてと聴いてみました
アレグラの時と違って用法用量はまともにでいますね
ただ注意事項を挙げるならば、ゾルピデムには警告・禁忌の記載が添付文書にあるのでそれを引用してくれると嬉しいところ
警告や禁忌に対する重みづけがそれほどではないということでしょうか
ちなみにゾルピデムの警告は
本剤の服用後に、もうろう状態、睡眠随伴症状(夢遊症状等)があらわれることがある。また、入眠までの、あるいは中途覚醒時の出来事を記憶していないことがあるので注意すること。
これはREM睡眠の過程をすっ飛ばして、non-REM睡眠を引き起こいているために起こることらしく、これを説明しておかないと記憶が飛ぶような薬は怖い!となりかねません
続いて併用薬について
ゾルピデムを服用している人で抗不安薬や抗精神病薬を服用している人はそこそこいるので、あんまり不安を煽りすぎるのもどうかなって思ったりしますね
そして「一緒に飲んではいけないもの」という風に聴いてのですが、薬の記述しかないですね
おそらく質問から併用薬について聴かれたと判断したのでしょが、アルコールと一緒に飲んではいけないということも添えてほしいところ、添付文書にも併用注意になっていますしね
そして次からはよく質問されること「依存性について」
ばっさり依存性があると言ってくれます
医師がどんな風に説明しているのか分からないので、ここまではっきりと言ってしまうのは危ないかもしれませんね
依存性の説明をするときは、中止するときの話をセットにします
そうすることで、依存するようになったら終わりだ!こんな薬は飲まない!となることを防ぎます
ChatGPTに減薬について聴いてみると
医師の指示に従うことが重要と何度も言ってくれていますね
とはいえ、自分のことは自分が一番わかっている、なんて言って連日服用の
眠剤を頓服で使用している人がいたりするものです
薬局でそんな患者さんを見つけたら、トレーシングレポート使って病院へ報告しておきましょう
次によく来る質問として「この薬、強いの?」があると思います
これも聴いてみましょう
ゾルピデムは強い睡眠薬みたいですよ!
そもそも何をもって強いとているのか不明なんですけどね
じゃあ強い睡眠薬ってどんなもの?って聴いてみました
抗ヒスタミンやロゼレムも強い睡眠薬みたいですよ!!
ちなみに何をもって強いとしているのか聴いたところ
「睡眠を誘導する力が強い薬剤」とのこと、なんだかなって感じですね
さて、患者さんが薬の強さを質問されるのにはいくつか理由が考えられます
まずは単純に眠りたいから強い薬を欲している場合
この時は処方されている薬の特性を話して、患者さんの症状に合わせて処方されている薬なので、しっかりと効いてくれるという風に説明をしています
次に副作用を心配している場合
薬が強い=副作用も強い、と考えている患者さんは多いです
まずそこを切り離してもらうような説明をしつつ、起こりえる副作用とその頻度を説明すると安心してくれるはずです
そして依存性を心配している場合
睡眠薬の強さを質問される場合、ここを気にしている可能性が高いです
副作用と同じで、薬が強い=依存性も強い、という考えですね
この場合は、なぜ依存が起きるのか、どういう状態になれば薬をやめていけるのかを説明することで不安を解消するといいでしょう
言葉の裏にある心配ごとは患者さんの身なりや話し方、そういったもろもろのことから抽出できると思います
では薬以外の話、眠れないときはどうしたらいいの?と聴いてみました
日常的なアドバイスとしてこんなもんだろう、というかこの内容を服薬指導で話したことある人結構いると思います
花粉症対策と同じで、医療機関にかかってる人ならこのくらいのことは知っていると思うので、改めて言う必要はないって意見もありそうです
さらに「それでも眠れない」って打つと以下のような返答をくれます
方法はともかく、第一文に「それは大変ですね」と出力される
驚くべきことです
我々薬剤師、患者さんが何かを訴えたときに、しっかりと共感できていますか?
忙しくなると「そうなんですね」なんて言葉で片づけてしまっていませんか?
AIに心に寄り添うという分野まで奪われてしまいそうで怖くてなりません
眠れない夜に「眠れない」と入力すると具体的な方法を提示し、「それでも眠れない」と入れれば不安を解消するような言葉の投げかけまで行い、きっとそれでも無理って入れたら「私という光源と対話しているから眠れないのでは?」なんて小粋なジョークもはさんでくるのでしょう、あぁ怖い
医療機関の優位性は病気の話をしやすい、という部分もあると思っています
AIは秘め事ともいえる病気の話をするのにぴったりな存在です
不眠症だって人に話せない病気と思う人もいるでしょう
それでも、特殊な場である薬局なら話せる、そうであったはずなのに
AIなら実際に眠れない、まさにその時に相談することができる、なんて心強いことでしょう
はぁ、早く安定して職業を探さないと
おまけというか、せっかく話に出てきていたので
「不眠症 認知行動療法」で聴いてみました
マイスリーの中身がゾルピデムとわからなくても、認知行動療法のあらましはざっくりと説明できる
こういうアンバランスさが今のAIの怖いところですね
ひ○ゆきよろしく、「エビデンスを教えて」と聴いてみたところ
米国予防医学タスクフォースが言ってるから!だけではエビデンスとは言えない気がしますが、ChatGPT的にはこれが認知行動療法のエビデンスのよう
ついでに優位性を示す論文を教えてと聴いたところ、以下のように
そして3つ目の論文を詳しく、と聴くと
このように論文をすんごいざっくりと教えてくれます
もちろん論文の中身を精査しているわけではないので、これだけでどうこう言うことはよくないのですが、問題となる点は、これからの医療従事者はAIで論文を引用してくる患者さんと話せるスキルが必要になるということです
今までも熱心な患者さんは論文を引っ提げて薬局にいらっしゃることもありましたが、それは本当に一部
しかしながら今後は容易に論文を参照でき、その知識をぶら下げて患者さんがやってきます
そうなったら我々もAIを使いこなし、元来ある知識をさらに向上させつつ対応するしかありません
給料は上がらないのに、求められるスキルと努力は向上する、我々の未来やいかに
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