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狂気と限界突破

ああガイ・スティーヴンス。
私はアナタのことをほとんど知らない。
アナタが若くしてこの世を去った時
私はこの世に存在さえしていなかった。
永遠に語り継がれるであろう
ザ・クラッシュの名盤
「ロンドン・コーリング」の
プロデューサーであったアナタは
現場にあるピアノのイスにハシゴをかけ
それを危なげな歩調で渡った後
ピアノを立ったままメチャクチャに弾く。
イスは喋らないからこうだ!と
床に叩きつけまくるスティーヴンス。
奇行のオンパレード。
当時の記録映像が残っている。
クラッシュのメンバー達が笑いながらも
ドン引きしているのがわかる。
しかし彼らも自分達の限界を超えて
世界をひっくり返すような
音像をつくり込んでいくには
狂気に満ちた彼の存在が必要だったのだ。
狂気と緊張感と音への集中。
限界を超えるには
論理を超えなければならない。
己と対峙し世界と勝負をする
極限の緊張感の中では
イスを叩きつけまくらなければ
ならない時があるのだ。
それを忘れてはいけない。
平然とした顔の内側で
己の狂気をうごめかせよ!

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